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新・さひょ君のらくがき帳

僕と妻と娘、3人の日常と僕の趣味を書いたブログです。

正月ですから、おめでたく

2013-01-03 00:34:33 | 映画

「大冒険」
監督 古澤憲吾
主演 植木等

新年一作目ですから、やっぱり明るく楽しくいきたいじゃないですか。

悩んだ末に選んだのがこれ。「クレージーキャッツ結成10周年記念映画」と銘打った、ノンストップアクションです。世代の差による感覚の違いを感じなくはないですが、ともかく元気一杯な作品です。

クレージーの他の主演映画に比べて、喜劇色はそれほどでもないけど、アクション、またアクションで、ラストまで、ひたすら突っ走ります。

監督は、クレージーの映画も数多く手掛け、他にも若大将シリーズなども撮った娯楽映画の職人監督。

ノって正解。楽しんでいきましょう。


そうよ、みんな星になってしまえ!

2012-12-30 00:16:46 | 映画

「伝説巨神イデオン 発動篇」
総監督 富野由悠季
主演 (声)塩屋翼

もう、職場から呼び出される心配も無くて、安心して酒なんぞ飲んだりしてますと、やっぱり大好きな作品が見たくなります。

丁度年末ですし、人間というものを、しみじみ考えてみようかな、なんて。

と、いう訳で、80年代初頭の伝説のアニメです。富野監督の最高傑作だと言ってもいい名作かと。とりあえず、僕らの世代以上のアニメオタクで、この作品の名前すら知らない人は居ないですよね。

若い世代には「エヴァ」に多大な影響を与えたアニメ、と言えば、いいかしら?

人間って、なんて哀しいんだろうって、見る度に思います。所詮は己の物差しでしか、物事を図ることはできないのかと。

ひたすら凄絶で、しかも美しい物語。富野監督の演出も、すぎやまこういちの音楽も、湖川友謙の作画も、素晴らしいの一言。

一応「接触篇」との二部作なんですが、元々が、低視聴率で39話で打ち切られたテレビシリーズの未放映エピソードですから、できればテレビシリーズ38話まで見てから御覧ください。その方が人間関係とかよく分かります。この作品がどれだけ凄いかも。

僕は、これで人生が変わったと言っても、言い過ぎではありません。




「悪の教典」で思うこと

2012-12-21 08:28:57 | 映画
まだ見てないし、あまり見る気もしないんですが、打ち切りの話があるというのは本当でしょうか?

米国の乱射事件があったから、似た内容の映画を上映することへの批判が映画会社に寄せられているとのこと。

ああ、またか…と思います。

「問題だ、問題だ」って、そうやって何も考えずに無関係なものへ攻撃を仕掛け、抑圧することの方が、よっぽど問題だと思いますが。
この手の議論になると「フィクションと現実の区別がつかない人間が実際にいるから、規制が必要」と言いますけど、それって、そう言ってる人間本人のことに他ならないでしょう?

僕は今までの人生で相当な数の暴力的な映画を見てきましたけど、真似して銃を乱射したいとか、人を殺したいとか、一度も考えたことないですよ。

まともな人間だから。

まともじゃない人間の、ヒステリックな排他的攻撃こそが、この手の凶悪事件の一番深刻な背景だと思いますね。

つまり、自分の正義を疑わない人間は、それと異なる主張の存在を許さない、ということです。

その意味で、事件のことで映画会社を攻撃してる人間と、銃を乱射する人間は、同じ穴のムジナだと思います。かつて、9・11の時にアルカイダと米国のネオ・コンの連中との間に感じた同質性と、全く同じものを感じます。

僕はそっちの方が、単なるB級映画なんかより、よっぽど恐ろしい。


ワイルド7

2012-12-20 00:32:20 | 映画

「ワイルド7」
監督 羽住英一郎
主演 瑛太

70年代人気劇画の映画化。僕は原作よりドラマ版の印象の方が強いです。

「海猿」の羽住監督ですから、雰囲気作りは旨いですね。火薬もアクションも、出し惜しみ一切なし、なので、頭空っぽにして楽しむには丁度いい作品です。

クライマックスのアクションシーンの一部は、大分のグランシアタという施設で撮影されています。地元民としては、遠慮なくドンパチしてくれているのが嬉しいところです(笑)。



歴史の波に対して抗う力がないのは、権力者でも同じこと

2012-12-11 07:59:47 | 映画

「ラストエンペラー ディレクターズカット」
監督 ベルナルト・ベルトルッチ
主演 ジョン・ローン

昨夜は妻と娘が早く寝たので、そんな日は、どうしても上映時間の長い大作が見たくなります。

で、選んだのがこちら。

劇中でも甘粕正彦を演じ音楽も担当した坂本龍一さんが、アカデミー作曲賞を受賞したことでも大きな話題となった歴史ドラマです。

若い頃、初めて見た時は、正直そんなに面白いと思わなくて、西洋人の東洋趣味がウケただけか、などと半ば見下していたのですが、今回見直して評価が一転。「こんな映画が撮ってみたい」(笑)。

全編通して描かれているのは、全く癒されることのない主人公の孤独。3歳で皇帝となり、唯一心許せる相手であった乳母も青年期には引き離され、歴史の波に翻弄されていく間に正妻も第二夫人も彼の下から去っていってしまう。

「皇帝」とは名ばかり。清朝時代も満州国でも、彼が自分の思う政治を行おうとした瞬間に、従うはずの部下達は途端に牙を剥き、反抗し、妨害し、自分には何の力もないことを思い知らされる。

戦争犯罪人として裁かれる立場になっても、要するに時の中国共産党政府から政治利用されているに過ぎない身の上。どこまでも、他人の都合で踊らされる自分の人生…。

ラスト、刑務所出所後に一市民となった主人公の姿が、人生で一番心穏やかそうに見えるのは、気のせいでしょうか。

でも、時は文化大革命のまっただ中。刑務所で彼を理解しようとしてくれた所長は、思想犯として糾弾される身に。街には「造反有理」のヒステリックなシュプレヒコールが鳴り響いているのでした…。