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新・さひょ君のらくがき帳

僕と妻と娘、3人の日常と僕の趣味を書いたブログです。

ソラリスの陽のもとに

2013-07-19 19:42:13 | 映画
「惑星ソラリス」
監督 アンドレイ・タルコフスキー
主演 ドナタス・バニオニス

(物語)
地球に帰還した調査員の奇妙な証言の真偽を確かめると同時に、今後の調査継続の是非を判断するため、クリスは惑星ソラリスに旅立つ。そこには、現在三名の調査員が駐在しているはずだったが、到着早々に、うち一人の死報に接し、基地内には残った2名の調査員以外の子どもの存在を目にすることになる。混乱するクリスの前に現れたのは、十年前に亡くなったはずの妻だった…。

   ◇   ◇

近年、ソダーバーグ監督がリメイクした、SF映画の古典。

タルコフスキーの映画って、十年くらい前にBSで放送された「鏡」を見たくらい。その時は、映像は美しいけど何だか分からない…っていうのが、正直な印象でした。

で、この作品なんですけど、2時間40分と長い映画ですし、これといってドラマチックな展開がある訳でもありません。でも、退屈はしませんでした。なんか見入ってしまうんですよね。

物語は、やっぱりよく分かりません。「2001年宇宙の旅」でボーマン船長が木星に到着して以降の展開を、台詞入りで見せられているような…。もっとも、モノリスやスターチャイルドは異星文明の手による人工的な存在だったけれど、今回は惑星そのものが相手。でも、それってどういうこと?と思っても、明確な答えは示されない…。

この監督には熱狂的なマニアが居ますが、その気持ちは何となく分かるような気がします。

たまにはこんな映画を見て、世界は通り一辺倒ではない様々な価値観から成り立っていることに思い当たるのも、悪くない話です。




僕は好きな作品です

2013-07-13 00:16:24 | 映画
「平成狸合戦 ぽんぽこ」
監督 高畑勲
主演 (声)野々村真

(あらすじ)
多摩丘陵が新興住宅地として開発され始め、森林の伐採や造成工事のため、元々住んでいた狸達の生活が脅かされるようになります。
危機感を感じた狸達は、自分達の生活を守るため、団結して立ち上がりますが…。

  ◇    ◇

「金曜ロードショー」ジブリ特集第2弾。「アルプスの少女ハイジ」「母を訪ねて三千里」や「火垂るの墓」「おもいでぽろぽろ」を手掛けた名匠、高畑監督による、社会派アニメです。

何年ぶりかで見ましたけど、クライマックスからラストにかけての展開の痛々しさが、若い頃より余計に胸に刺さります。「気晴らしじゃ」の一言に、溢れる涙。あと、昔から大好きな、エンディングテーマが流れてくるシーンの美しさ(T-T)。高畑監督作品では、ハイジの頃からずっと、「走って服を脱ぐ」=「自己の解放」なんですね。


現実は厳しく、苦い。だけど、僕らは生きている。



耳をすませば

2013-07-06 11:46:00 | 映画
「耳をすませば」
監督 近藤喜文
主演 (声)本名陽子

(あらすじ)
中学三年生の月島雫は、大事な夏休みだというのに、受験勉強もそこそこに毎日が本の虫。とは言え、そこはお年頃の女の子。貸出カードにいつも自分より先に名前のある「天沢聖司」という男の子のことが気になっていたりもします。

学校に忘れ物を取りに戻った時に出くわした、嫌みな男の子に立腹する雫でしたが、ある日、電車で見かけた猫を興味本意で追いかけて辿り着いた「地球屋」というアンティークショップで、店主のお爺さんと「フンボルト・フォン・ジッキンゲン男爵」という御大層な名前の猫の人形に出逢い、何故か不快な「やな奴」にも再会して、彼女の青春の一ページが幕を開くのでした…。

  ◇   ◇

夏恒例「金曜ロードショー」のジブリ特集。狂喜乱舞する娘と一緒に、楽しんでいます。
この映画は、宮崎駿監督の初期作品を支えた名アニメーター唯一の監督作品で、ジブリ作品でも上位に入る名作だと思います。

魅力は、一言で言って「初恋の甘酸っぱい想い出」。

1シーン、1カットに至るまで、全てが瑞々しさに溢れていて、ひたすら前向きで、でも自信なんかなくて、まさに十代ど真ん中。その時代がとうの昔となった大人から見れば、懐かしい郷愁に溢れ、とても、綺麗なキレイな映画です。

ところで、いつも感動で涙ぐんでるために見過ごしていたんですが、エンディングロールの背景で、物語で出てきたもう一つの恋の結末がきちんと描かれているんですね。娘から教えてもらって、初めて気が付きました。


自分自身の人生とは…

2013-06-07 23:46:31 | 映画
「プラダを着た悪魔」
監督 デビッド・フランクル
主演 アン・ハサウェイ

(物語)ジャーナリスト志望の女性が配属されたのは、ファッション誌。彼女は、その雑誌の名物女性編集長の秘書として働きながら、様々なことを学んでいく…。

  ◇ ◇ ◇

金曜ロードショーをアニメや子ども向け映画以外で久し振りに見ました。週末の夜更かしを楽しみにしてる娘のリクエストに答えたのですが。

タイトルは知っていた映画です。でも、見ようとも思っていない作品でした。アン・ハサウェイの可愛さを売りにした単なるアイドル映画だと、決めつけていたのです。

が、実際見てみたら、そうじゃありませんでした。

これは、女性の自立をテーマにした、サクセスストーリーです。

主人公は、不本意に配属された部署で、難しい上司の下で懸命に働きながら様々なことを学び、成功した瞬間にそれを放り出すことで、自分自身の道を見いだします。もっとも、別れた彼氏とはヨリは戻らないし、彼女は新しい職場で新たな一歩を踏み出します。時計の針は元には戻らないし、人はいつまでも同じ位置に立ってはいないのです。

最近、僕のお気に入りの言葉があります。

置かれた場所で咲きなさい。

まさに、この言葉がピッタリの映画でした。

しかし、メリル・ストリープがあんな気難しい女性の役ってのも珍しい気がしますが、やっぱり上手いですね。




70年代東映アクション映画のテイスト

2013-06-02 12:49:36 | 映画
前の記事の続きなんですが、結局、金曜日の午後は映画館で映画を見てました。

限られた時間で、しかも自分の好きなこと。ワンパターンですけど、これしか思い付かなかったんですよね。

大分市のシネコンは2つありますが、家族でのお出掛け時には普段は行かない方に向かいました。せめて変化をつけるために。

で、何を見ていたかと言うと
 ↓

「探偵はBARにいる2
 ススキノ大交差点」
監督 橋本一
主演 大泉洋

(物語)探偵の行きつけのニューハーフクラブのホステスが殺された。事件が迷宮入りしそうな雲行きの陰には、政治家が関与しているらしいと知った探偵は、自ら犯人を挙げようと捜査を始めるが、それがとんでもない騒動へと発展していく…。

一作目を見ていないんですが、関係なく楽しめます。
今時珍しいナレーションの多用(しかも主人公一人称)とか、エンターテイメントに徹した展開、織り交ぜられたギャグなど、70年代東映のB級アクションを彷彿とさせます。

感心したのは、この作品は、社会的弱者やマイノリティの視点を大切にしていること。その上で、社会には様々な価値観が存在し、一概に否定はできないことも暗示していること。人間として許せないことには、物語の中で、きちんと鉄槌を下していること。

実は、これ以外は時間が合わないという極めて消極的な理由で選び、全然期待しないで入ったのですが、思わぬ拾い物でした。

一作目も見てみようと思います。

ただ、基本的に男性がターゲットの作品ですので、女性にはちょっと…なところはあるかなあ。