goo blog サービス終了のお知らせ 

新・さひょ君のらくがき帳

僕と妻と娘、3人の日常と僕の趣味を書いたブログです。

原題は"EMPEROR"(天皇)

2013-08-18 13:01:41 | 映画
「終戦のエンペラー」
監督 ピーター・ウェーバー
主演 マシュー・フォックス

(物語)
昭和20年8月30日、マッカーサー元帥率いるGHQは日本に降り立った。
本部を皇居の真っ正面に据えたマッカーサーは、スタッフの一人、フェラーズ准将に天皇の戦争責任についての調査を命じる。ワシントンからは天皇の訴追を要求してきていたが、マッカーサーの真意は、逆のところにあった。占領政策と今後の日本の復興を考えた際には、天皇の存在は不可欠と考えたマッカーサーは、フェラーズに内々にこう指示したのだ。「10日以内に、天皇の無罪を証明する証拠を集めるのだ」

一方、フェラーズにも心に秘めた目的があった。戦前、愛を誓いあったが日米関係の悪化によって別れを余儀なくされた女性の消息を調べ、再会を果たしたいという切なる願いが…。

   ◇   ◇

昨日は、娘が実家に行っている最終日だったので夫婦二人でお出掛けしたんですが、「別に、見たくない」という妻には上映中は買い物をしてもらって、一人で鑑賞してました。

終戦直後の日本をGHQ側から描いた歴史大作です。マッカーサー元帥を「メン・イン・ブラック」などの名優トミー・リー・ジョーンズが演じ、日本側キャストも西田敏行、中村雅俊、夏八木勲、伊武雅人などの実力派キャストで固め、見応えのある作品に仕上がっています。

この手のアメリカ映画にありがちな、予断と偏見に基づいた薄っぺらな日本観ではなく、当時の日本人の素直な思考や感情をちゃんと調べて理解した上で作ってあると感じました。一方的に日本を悪者に仕立てる訳でもなく、旧体制下の天皇の特異な立場や臣下達の天皇への忠誠心、それらを取り巻く曖昧模糊とした掴みがたいものを、そのまま掴みがたいものとして描くことで、むしろ日本人が見ても違和感のないドラマになっているように思えます。

思い返せば、「風立ちぬ」も背景に戦争がありました。

日本人としては、やはり、8月は、あの戦争のことを考えない訳にはいかないな、と感じますね。

中高年層の観客が多かったですが、若い人にこそ、見てほしい映画です。



40秒で支度しな!

2013-08-03 13:47:36 | 映画
「天空の城ラピュタ」
監督 宮崎駿
主演 (声)田中真弓

(物語)
鉱山で働く少年パズー。残業で親方の夜食を買い出しに行った帰りに、空から何か光るものが降りてくるのを見かけました。慌てて近寄り受け止めると、何と自分と同じ年格好の女の子。
翌朝、目を覚ました女の子はシータと名乗り、悪い奴等から逃げてきたとのこと。パズーが親方に相談しようと思った矢先、シータを追ってきた海賊ドーラ一家が街に乗り込んできてしまいます。すわ一大事!それがパズーとシータの大冒険の始まりでした…。

   ◇   ◇

「ルパン三世カリオストロの城」、「風の谷のナウシカ」に続く宮崎監督の劇場用映画三作目で、記念すべきスタジオジブリ創立第一回作品。
さらに、どうでもいいことですが、公開当時僕は丁度高3で大学受験と重なったため、映画館で見られなかった唯一の宮崎作品です。

ドキドキワクワクの冒険活劇の根底にある確固としたヒューマニズム。弱者へのあたたかい視線。他人を迫害する権力者への怒り。

全編大好きなシーンだらけなんだけど、特に何度見ても涙ぐむお気に入りのを一つ挙げておきます。

逃亡劇の末、軍に捕らえられたパズーとシータ。パズーの身を案じたシータにラピュタの一件から身を引くように言われ、ショックを受けたパズーは、ムスカから差し出された金を呆然自失の体で受け取り、夜までかかって、とぼとぼと自分の街まで歩いて帰って来ます。
心配して声を掛けてきた親方の奥さんの言葉に、却って居たたまれなくなって逃げ出したパズー。暗い道で石につまづき、思いっきり転倒。ポケットから転げ出たのは、ムスカから渡された金貨。反射的に広い集めたその金を、やはり投げ捨てようと振り上げる右手。こんなもの!…捨てられない…泣きながら、そのままポケットへ戻す…とぼとぼと、また歩き出す…。

この間、パズーの台詞は親方夫人の質問への答え「もう…いいんだ」くらい。ほとんど何も言わないにも関わらず、パズーの心情が痛いほど伝わってきます。右手を振り上げて、そのまま金を投げ捨ててしまっていたら、悪くはないけど、ありきたりなシーンになっていたでしょう。そこで金をポケットに戻すからこそ、パズーの心の痛みと彼の背負った貧困の深刻さが、表現できるのです。

単なる冒険アクションにとどまらない、深い人間ドラマとしての側面も持つ、不朽の名作だと思います。

何十回見ても、大好きです。

特に僕はドーラがお気に入り。ああいう大人になりたいですよね。


ジブリ最新作

2013-07-28 22:41:16 | 映画
「風立ちぬ」
監督 宮崎駿
主演 (声)庵野秀明

(物語)
飛行機の設計士を目指す二郎は、大学に戻る列車で関東大震災に遭い、成り行きで菜穂子と使用人の女性を助けました。骨折した使用人を背負って近くの神社まで運び、菜穂子を自宅まで送り届け、行きずりの他人とは思えない働きをした挙げ句に名前も名乗らずに消えた二郎の立ち振舞いは、助けられた二人に、かえって強い印象を残すこととなったとも知らずに…。

それから数年後、念願叶って飛行機会社に設計士として就職した二郎ですが、上司に任された陸軍の試作機開発で失敗してしまいます。失意の底にいた二郎でしたが、旅行先のホテルで、菜穂子と運命的な再会を果たしたのでした…。

   ◇   ◇

話題の宮崎監督最新作です。ジブリなら見る妻と、娘との、家族3人で見ました。

今から見る方も多いと思いますので、内容についてはあまり触れません。ただ、個人が仕事をすることと、社会とのつながりについて、考えさせられました。

あと、ユーミンの主題歌が、あまりにもピッタリで、最初からこの映画のために作られた曲のようでしたね

感動しました。




押井ワールドの原点

2013-07-23 21:58:52 | 映画


「うる星やつら2
 ビューティフル・ドリーマー」
監督 押井守
主演 (声)平野文

(物語)
友引高校の学園祭前夜、メガネ以下いつもの面々は喫茶店の準備で大わらわ。展示品の目玉として面堂が教室に持ち込んだ、戦車の中でサボっていたあたる目掛けて、ラムちゃんの電撃が炸裂巻き添えを喰らう面堂と誤作動した戦車のためにメチャクチャにされる教室一体どうなる、学園祭

一夜明け、結局学校に泊まり込んだ御一同。寝ぼけ眼で歯を磨いていますが、ラムちゃん一人元気一杯で、気勢をあげています。

一方、ワルガキどもの相手で疲労困憊したに、校長が囁きました。

「しっかり頼みますよ、先生。あと一日。明日は学園祭初日ですからな」


   ◇   ◇

昔録画したVHSからDVDにダビングするついでに、何年ぶりかで見ました。

今や世界的な評価を得ている押井守監督の、84年公開作品。この年は、この作品のすぐ後に「風の谷のナウシカ」も公開されていて、日本のアニメ映画のエポックメーキングな年だったんですよね。

前半のミステリアスな展開から中盤の学校探索(このシーン大好き)、ハリヤーによる脱出まで、何度見ても素晴らしいです。後半は雰囲気が一転しますが、クライマックスの、玩具箱をひっくり返したような賑やかさも楽しい。オチの付け方は、人によって評価が別れるかな…?

僕は好きですけどね。

名作だと思います。



猫の事務所に行きたーい

2013-07-19 23:04:47 | 映画
「猫の恩返し」
監督 森田宏幸
主演 (声)池脇千鶴

(物語)
女子高校生のハルは、学校からの帰り道で車に轢かれそうになった猫を助けました。その夜、仰々しい猫の行列の訪問を受けたハルは、猫王とその家来たちと名乗るそのけったいな連中から、助けた猫が猫の国の王子であることを聞かされます。
騒動の末、王子の嫁になることをせがまれて困り果てたハルは、どこかから聞こえてくる声と、ムタという白い猫に導かれて猫の事務所を訪れます。そこで出会ったフンベルト・フォン・ジッキンゲン男爵と名乗る猫の人形と共に、ハルの奇想天外な大冒険が始まるのでした…。

   ◇   ◇

金曜ロードショーのジブリ特集第三弾は、二週前に放送された「耳をすませば」のスピンオフ作品。ジブリの作品は数あれど、はっきり繋がりがあるのは、この2作だけと言っていい。そう考えると、貴重な映画です。

で、今回はバロン大活躍。猫だけど、本当に良い男(笑)。内容もストレートなヒロイック・ファンタジーで、ハリウッドのヒーローものにも似た雰囲気を持つ(さらわれたハルをバロン達が追い掛けるシーンなんて、まるでスピルバーグ映画)肩の凝らない娯楽作です。

あー面白かった。

この映画は、この一言に尽きます。