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還暦おやじの洋楽日記

I Still Have Dreams / Richie Furay

とっても私見なのだが、リッチー・フューレイの作品には大きく3つの以下の傾向があると思うのだ。
1) 明るくポップな作風。典型的な例としては「Pickin' Up the Pieces」「A Good Feelin' to Know」「Fallin' in Love」といった曲。
2) 抒情的でメロディアスなもの。「First Love」「What If I Should Say I Love You」といった曲がそれにあたる。
3) ドラマティックな大作指向。「Anyway Bye Bye」「Sweet Lovin」「Crazy Eyes」なんて長尺曲が多い。
彼の作った曲には多かれ少なかれこれらの要素が含まれている。僕の場合、彼の作品で魅了されるのはポップ性と抒情性を備えたもの。逆にドラマティックな要素が前面に出すぎている作品はあまり好きじゃない。
70年代後半にリリースされた2枚のソロアルバム「I've Got a Reason」「Dance a Little Light」では、ソロとなった気負いもあったのか、そのドラマティック指向の曲がちょっと多かった。「I Still Have Dreams」は1979年発表のソロ3作目。これじゃいかんと本人もアサイラムも考えたのかな。AOR興隆の時代だったのでその影響もあり、これまでよりもコマーシャルな内容になっている。

1. Oooh Child
2. Lonely Too Long
3. Island Love
4. Come On
5. I Was A Fool
6. I Still Have Dreams
7. Satisfied
8. Headin South
9. Oh Mary
10.Whats The Matter Please

それまでのソロアルバムの演奏陣はフューレイバンド名義だったが、このアルバムでは一新されてウエストコーストの有名どころのセッションミュージシャンに入れ替わった。クレジットされているのはラス・カンケル、リー・スクラー、ワディ・ワクテル、ダン・ダグモア、クレイグ・ダーギの5人。またバックコーラスにランディ・マイズナー、ティモシー・B・シュミット、J・D・サウザー、ローズマリー・バトラー等が参加。
ダンサブルな「Oooh Child」で始まり、続くミディアムテンポの「Lonely Too Long」はヤングラスカルズのカバー。「Come On」はポコ時代の「C'mon」ともタイトルが似ているビートの利いたナンバー。アルバムタイトルにもなっている「I Still Have Dreams」は自作曲ではなく、フューレイバンドのベーシストであったビリー・バットストーンの作品で、シングルカットされて少しばかりヒットした模様。叶わない恋慕の情を切々と歌い上げるこの曲がアルバムのハイライトであるのは間違いない。ドラマティック系の曲としては「Satisfied」「Whats The Matter Please」などがあるが、わりとコンパクトにまとめられている。

参加ミュージシャンから見ても気合の入ったアルバムだったが、残念ながら商業的な成功を収めることはできず、このアルバムを最後に彼は表舞台から退いてなんとデンバーで教会の牧師となる。その後オリジナルメンバーでのポコの再結成に参加、今世紀に入って「The Heartbeat of Love」を発表して本格的に復帰するのだが、「The Heartbeat~」は肩の力が抜けた明るいカントリーロックが並んでいて、僕はこのアルバムがいちばん好きだな。それに比べると70年代後半のソロ作は真面目さは伝わるもののちょっとくすんだ印象が拭えず、このアルバムも例外ではない。
尚、当時ワーナーパイオニアからリリースされた国内盤の邦題は「夢は終わりぬ」。まさか真逆の意味にするとは全く信じられぬ。

(かみ)
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