茉莉花の戯言

自キャラ萌えに生きる、痛い人の日記兼ネタ帳。
現在お題挑戦中。

24.もう1回!

2010-05-08 | ドタバタラブコメがお好みの方に30のお題
泣きじゃくるジャスミンを、とりあえず術で眠らせ、呪文の詠唱を始める。

それにしてもこの俺が、鳳凰の神鏡などという魔道具の力を借りた上に、呪文の詠唱までしなきゃならないなんて……
人間の魂を利用した術というものは、本当に本当に本当にやっかいだ。

詠唱を終えると、鏡の中から呪いの主である女魔術師が現れた。
「……ようやくお目通りが叶いましたよ、我が麗しの君。
 まだ見ぬ君に、恋い焦がれ、眠れぬ夜を幾度過ごしたことか」
少し大げさに跪き、彼女の手を取る。
「うふふ、素敵!
 ね、もう1回!もう1回今の台詞言ってくださらない?」
少々芝居がかった台詞を初対面の女に言うのは、まぁ、クセみたいな物だ。
そしてそれに乗ってくれる女というのも嫌いではないはずなのだが……少々イラっときてしまった。
「……こっちは一刻も早く呪いを解除したいんだ。
 一応話は聞いてやるから、とっととぶちまけな」
思わず本音が出る。
自分で思っているよりもずっと、この状況に参っているようだ。

「あら、意外とつれないのね。
 それに、呪いに対する対処も完璧だったし、なんだかつまらないわ。
 ……でも、あなたになら全部話しても理解してもらえそうね」

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