関西人・宮西尚生の屈辱

■　日本ハム宮西、カツラ受けなかったけど…（北海道日刊・2008年2月6日）

　「屈辱」というのはいささか大げさなタイトルですが、ハゲヅラをかぶらざるを得なかった宮西の心情を考えるに、当たらずとも遠からずという気はしています。実際あれは恥ずかしかったでしょうし。
　ただ私が想像するに、恥ずかしかったのはハゲヅラをかぶること自体ではなかったのだろうと。いや、もっと正確に言えば、ハゲヅラをかぶることよりも恥ずかしいことがあったはずなのです。
　それは何か？宮西のこのコメントが物語ってくれます。

「カツラは中途半端で、完全にアウエーな気分だった。着ぐるみとかが良かった」

　そう、問題はハゲヅラそのものではありません。
　むしろ、ウケそうにないネタをせざるを得なかったことが、宮西にとっては辛かったんではないでしょうか。
　関西に生まれ育ち、関西の文化を身につけた者にとって、笑いを取ろうとして失敗することほどの屈辱はありません。と言ってしまうと言い過ぎかも知れませんが、笑いが取れないというのは、非常に辛いことなのです。
　もちろん、人生には他にもいろんな失敗が付き物で、そのたびに関西で言うところの「目ぇ噛んで死にたい」気分になることはあります。ですが、そんな失敗もウケ狙いには「おいしい」と思えば、何とかなるものです。
　ですが、ネタに走ってスベることは、さすがに辛い。
　これが自分で考えたネタなら諦めも反省もできますが、自分でもウケないと分かるネタを命令されてやらざるを得ないというのは、最悪に近い罰ゲームといっても過言では……あるかな？　（＾＾;;）
　ともあれ、同じ関西人として本人の恥ずかしさは想像できるような気がしますし、ぜひ彼には再チャレンジの機会を与えてほしいものです。
　せっかく規格外のボケをかます相方もいることですし。