にわか日ハムファンのブログ記念館

2004年8月から2014年6月にかけて更新してきた当ブログを静態保存しております。

【憧れのハワイ陸路】(2)Trade Winds

2014-01-19 18:42:50 | さすらいブロガー旅情編
Billy Vaughn - Trade Winds (1959)


 定刻に上野を出た「スーパーひたち」は2時間ほどでハワイがあるいわき市に入った。最寄駅は湯本駅なのだが、その前に訪れたいところがあるので、1つ手前の泉駅で降車した。



 湯本から先への列車のホームには、原ノ町・仙台方面への迂回路の但し書きが示されている。夢の楽園を前に、立ちはだかる現実を認識することになる。



 改札に上がると、記念写真用のパネルに出迎えられた。
 真ん中はフラ・ガールのセンターというかトップというか、脇を固めるのはポリネシア風のファイヤーダンサーであろう。
 だが、真ん中右にいる茶色いのは、何なんだ?



 改札を出る。切符売り場に示された、現在の不通区間。このうち、広野から竜田までは来春にも復旧の判断が下される可能性があるが、ほかはどうなるかは分からない。



 反対側の壁面には、旅行客を歓迎するパネル。



 小名浜は泉駅からこちら側、南口に出て、バスで15分ほど。ここが最初の目的地だ。



 泉駅を出てバス乗り場へ。典型的な地方の中規模の駅、とでも言うべきか。



 そしてバスはほどなく到着し、我々を乗せて10分近く停まった後、小名浜に向けて出発した。休みの昼間のことで、さしたる渋滞もなく、さらに10分ほどで目的地最寄りのバス停までいくことができた。



 ここからはさらに歩いて海岸へ。途中、懐かしのヨコハマタイヤの看板を見かけた。
 ただ、さらに見ると、窓にガムテープが貼ってある。



 私の身長ほどはある高さ。これ以上何メートル高かろうが、遭遇した時点で、もうどうしようもないことに変わりはない。ただ、恐ろしさしかない。



 さらに歩くと、貨物駅が見える。
 先程の泉からは、福島臨海鉄道の貨物線が出ていて、ここが終点の小名浜駅になる。今でこそ貨物専業だが、かつては旅客営業も行っていた。それだけに乗れるものなら乗りたかったのだが、流石にそうはいかない。



 出番を待つディーゼル機関車。
 貨物列車はあるのだから、せめて1両だけでも客車を繋げてくれれば……いや、無理なのは分かる、分かるのだが。



 もう少し歩くと、工事中のフェンスの向こうにガラス張りの建物が見えた。ハワイ入りの前に立ち寄ろうと決めていた水族館「アクアマリンふくしま」だ。



 入場ゲート。本来水平に建っているであろうゲートは、斜めになり、かなりの部分が埋もれている。
 ここは大震災で建物への被害こそ免れたが、津波により飼育生物は壊滅的な被害を受けた。
 その上、停電に加えて福島第一原発事故の影響による混乱で、自家発電に必要な燃料や生き物のエサが尽き、残った生物も一部緊急避難させたものを除いて全滅するという悲劇も起きている。
 しかし、それでも震災後4ヶ月ほどで何とか再開を果たして、今日に至っている。この間、職員の方々の心痛や苦労は想像を絶するものがあったことだろう。



 ただ、何はともあれ水族館は復活し、今日も営業している。
 そしてわれわれも、ようやくやって来ることができたのだ。


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