にわか日ハムファンのブログ記念館

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〔2011夏 東北・北関東の旅〕第2部(13):弘南鉄道双景

2011-10-25 06:18:10 | さすらいブロガー旅情編
 弘前では地元のローカル私鉄、弘南鉄道に乗る。
 弘南鉄道は、弘前と黒石とを結ぶ弘南線、中央弘前と大鰐を結ぶ大鰐線の2つの路線からなる。もともとは異なる会社の路線だったため、この2路線はターミナルも違えば接続もしていない。



 今回先に乗るのは、JR弘前に接続している弘南線の方だ。ここから黒石まで、元東急の電車で揺られることになる。



 車体の側面には高校の校章のようなもののほか、現代的と言えばいいのか、イラストが施してあった。



 連結部には2つの高校の名前が。この2校の学生がイラストを描いたのだろう。ローカル私鉄にとって高校生の通学客は大事な顧客層で、高校生にとっても鉄道は重要な足。うまく共存していかなければならないのだ。



 車内に入ってみると、吊革に東急時代の広告が残っていたのを見つけた。左側は見づらいが、東急百貨店の広告の跡が残っている。
 さて、電車は雨の中弘前を発車。車内は地元の高校生らしき若い乗客で賑わっている。20キロにも満たない路線を電車はゆっくり走り、30分で終点の黒石に着いた。
 黒石では折り返しに20分ほど時間があるので、どこかで昼食をと思っていた。しかし相変わらずの雨である。20分あるのではなく、20分「しかない」状況で店を探すのは難しい。
 幸いなことに、駅はスーパーに直結していた。ここで昼食を買い込むのも悪くない。しかし、入ってみると中にあったのはいかにも日本全国のスーパーで売ってそうな惣菜で、旅の友とする気にはなれない。



 そうこうするうちに改札の時間が来た。仕方なく、地元の菓子だけを買って電車に乗り込むことにした。



 黒石では弘前から来た電車に再び乗って折り返すことになる。ただ、見ると他にも電車が休んでいた。これまた元東急の同じ形式の電車だが、ヘッドマークに示された名前が異なっている。帯も青色だ。



 こちらは同じく青色の帯をした電車だが、これはこれで名前が異なっている。
 最近ではローカル私鉄の多くが元東急の電車を譲り受けて使用している。以前乗った飯坂電車もそうであった。
 この電車のメリットは非常に多いのだろうが、あまりにも普及すると没個性になる恐れもある。それでなくても、ステンレスで塗装がほとんどない電車は得てして画一的に見えてしまうものだ。
 それだけに、少しでも差異を作り出していこうと努力は多としたい。



 黒石から弘前に引き返す。手元にある食料は、先ほど買った「うんぺい」という地元の菓子だけだ。ともあれ、これで当面の血糖値低下は避けられるだろう。
 電車はやはり30分で弘前に着いた。



 改札でこんなポスターを見つけた。今年からデビューしたキャラクター「ラッセル君」というらしい。もちろんラッセル車を元にしたキャラなのだろうが、まわし姿になっているのは、やはり相撲どころ青森だからなのだろう。
 ここからは大鰐線に乗るために、中央弘前駅に向かう。天気が良ければ歩きの予定だったが、雨がしっかり降っているのでバスにする。もっとも、市内であれば100円バスがあるので、大した負担にはならない。



 中央弘前駅の最寄り、中土手町のバス停でバスを降りる。事前に用意した地図に従って歩いていると、レンガ造りの古びた教会が建っていた。
 これは日本聖公会弘前昇天教会の聖堂とのこと。味のある建物なだけに観光名所の1つにもなっていて、これを目当てに訪れる人もいるらしい。
 私も気にはなったが、残念ながら寄り道は難しいので、写真にだけ収めていく。



 中央弘前駅は聖堂からすぐであった。駅と言えばその通りなのだろうが、見た目は弘前駅とはだいぶ違う。むしろ、寂れた公設市場や小規模のスーパーのようにすら見える。
 駅に着いてから次の電車が出るまで20分弱。今度こそ昼食にありつきたかったのだが、駅の食堂は夏休み。付近にも空いている店はなさそうだ。改札の横ではたい焼きを売っているが、青森まで来て……



 かくてここでも食料調達は断念となったが、振り返ると、津軽弁を話す自販機、というのがあった。
 せっかくなので缶コーヒーを購入。すると、確かに津軽弁と思しき言葉で何やら話し出した。もっとも、この時になって肝心の津軽弁を知らないことに気がついたのだが。



 中央弘前でもラッセル君発見。風鈴に吊り下げられている。



 改札が開いたのでホームへ。今度はラッセル君のボードがあった。



 ホームに停まっている電車は、またも元東急。よほど人気があるのだろう。



 車内に入ると、今度も吊革に東急時代の広告。右側の「お好み食堂」というのに時代を感じる。
 


 電車には「ワンマン」という表示があったが、中央弘前を出てみると、運転手のほかにトレインキャストという女性の乗員が乗り込んでいて、切符の回収や次の駅の案内を行っている。
 最近は鉄道会社によって、このようなスタッフが列車に乗り込むことがある。ただ、厳密に言うと車掌ではないので、あくまでも「ワンマン運転」になるということか。



 電車はほとんどスピードを上げることなく、30分ほどかけて終点大鰐駅に到着した。



 大鰐駅は跨線橋を通じてJRの大鰐温泉駅とつながっていて、間に改札もない。JRのホームに降りると、電車が1編成休んでいるのが見えた。すでに乗客は去り、静けさが伝わってくる。



 JRのホームにも弘南鉄道の出口があった。JRと仕切られているわけでもないのに、わざわざ分ける必要もなかろうと思ってしまうのだが、そうもいかないのだろう。



 弘南鉄道の出口から駅を出た。駅舎はこのように簡素な造りになっている。



 大鰐駅と隣接するJR大鰐温泉駅。規模の差は見ての通りである。大鰐温泉駅もかつては大鰐とのみ名乗っており、同名の駅が並んでいる形だったが、近年改称している。



 しかし、両者の間にいるのは大ワニである。


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
BS (瑞浪男)
2011-10-27 12:14:42
昨日、この鉄道をNHKBSプレミアムで紹介していました。室井滋が旅するという内容。しかし彼女はけたたましいので見ていて疲れました。
(仙台空港アクセス線・会津鉄道は作家夢枕獏で良い内容)
りんごのつり革は中に一つだけハート型があるそうです
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瑞浪男さん (ルパート・ジョーンズ)
2011-10-27 23:46:39
ローカル線はのんびり楽しむのが良いのに、あまり賑やかだとしんどいですよね。
車内で賑やかでいいのは地元の高校生ぐらいで(笑)

ハート形の吊革、探しておくんでした……
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