歩きながら徒然に

朝一番で渋谷区役所まで歩いた
結局 マイナンバーの通知書を受け取った
どことなく 踏み絵を踏まされた気分
息子の会社やヘルパーの事業所から
提出を求められ ……義務でないとはあるが
同調圧をはねのけられず 受け取ったのだった
問題は個人で受け取れないことだった
私だけならもう少し踏ん張ったかもしれないが
一般企業勤めの息子からの要請があつた
世帯毎でないと通知書を受け取れないとのこと
息子の会社での立ち位置を私は知らないが
彼が必要とあれば 致し方なかった
彼の選ぶ道を妨げたり
私の考えを押し付ける気は更々ないからだ

でも 踏み絵を踏まされる気分がしていることは否めない

などと考えながら歩いていたら
人にぶつかった

ぶつかっても謝らないのが
この街のルール……などと言う歌詞があるが
本当にそうだと思う
そして 少し前までは イラッとしていた
でも 昨日はたと思ったのだ

私は年を取って奢ったんじゃないかと……
若い頃は 若さゆえ自分からよけるのがあたりまえだった
それが今 若い人によけて欲しいと思ってるのではないか
気がつけば道行く人の半数以上は年下だ
ついつい 私はまわりに何かを求めてたのではないか

いいや やはり私からよけよう
ぶつかるのは 私がいけないのよね


年を取ることに甘えてはいけない
年を取るからこそ謙虚でいなければ……ね
どんどん頭が固くなっている
もともとおおらかな性格ではないけど
なんか もっと融通が効かなくなってる気がする
気を付けなきゃ と自分をいさめてみる


渋谷の景色はすっかり変わって
子供の頃から見慣れた場所は
銀座線への階段だけになってしまった
どんなものも 年を重ねて変わっていくね

少し 寂しいね
寂しいけどね
そういうものよね

そういうことだわ