母が去年の9月に大腿骨を骨折して緊急搬送。
手術後3か月リハビリを兼ねて入院。
12月の終わりにやっと退院できました。
出掛ける事が大好きな母が4か月近く外出していないのでストレスがかなり溜まっている様子。
そんな母を連れて名古屋から1時間で行ける知多半島にある「海のしょうげつ」に泊まってきました。
母とここへ行くのは3回目です。
あんなに一生懸命リハビリしたのに、結局・・・車椅子生活になってしまいました。
きっと頑張れば歩ける様になるのでしょうけど、怖がって自分で歩こうとしません。
なので今までのように気軽に「お茶行こう~」「買い物行こう~」の世界ではなくなってしまいました。
食事に行くにも、車椅子移動の楽な大きな店、車椅子用のトイレのある店に限られ
私の車にも車椅子ステッカーを張りました。
目立つように2枚も!苦笑
今回母が車椅子になって、いろいろ思うところがありました。
お店の入口近くにある車椅子用の駐車スペースがいかにありがたいか。
車椅子用のトイレがいかに助かるか・・・
そして新たな発見は・・・車椅子を押しているといろんな方がとても親切にしてくれるんです。
扉を開けてくれたり、段差で持ち上げてくれたり、道を譲ってもらえたり・・・
人って優しいなぁ~と思う場面に何度も出会いました。
本当に嬉しい事でした。
この海のしょうげつも、私達の部屋はロビーから一番近い客室に。
食事処のお部屋も、一番手前の個室に。
玄関前に到着した時も、車椅子だと知らせてあったので
数人のスタッフさんがお出迎えして下さり誘導。
とてもありがたかったです。
館内はほとんどどこも変わっていません。
やはりここからの眺望がこの宿一番の売りですね。
今回は5人で行ったので、隣り同士を希望して2部屋取ったのですが、
1つはこのメゾネットタイプの部屋になりました。
メゾネットは初めてだったので、簡単に紹介しますね。
1階は平屋の客室と比べると、やはり狭いですねー
籐製のイスが2つ並んでいます。
この畳の部屋は2人で泊まる時は荷物置き場になりそう。
3人以上で泊まる場合は、ここに布団が敷かれるそうです。
階段を上がり2階へ行くと・・・
ベットルームがあります。
海と反対側に、こんなベランダがあり、イスが置いてありました。
南側には海が見える素晴らしい景色が広がっているので
北側の眺望もないここに座る人は少ないでしょう・苦笑
メゾネットの客室は、すべてこの陶器の露天風呂のようです。
この置いただけタイプの浴槽、私は好きじゃない。
柱を見てもらうとわかると思いますが、やはり結構あちこち老朽化していました。
そろそろこの宿も、手を加える時期にきているんじゃないかなぁ~
平屋タイプ客室の露天風呂の方が広々としていて、絶対いいですねぇー
今回せっかく温泉に来たのですから母に入るように勧めても
怖いからと・・・なかなか入ろうとしなかったのですが
大浴場が(といっても、ここは狭め)誰もいないタイミングで
看護師の娘と私で、なんとか母を介助して、入れてあげる事が出来たんです。
ところが・・・
今度は足が上がらず、浴槽から出る事が出来なくなってしまい
私はどう介助していいのか右往左往。
その時、2人連れの方が脱衣場に入ってきて・・・困っている私達を見て
1人の人が「私看護師です!お手伝いします!」と、ぱっと浴室に入ってきて
娘と2人でアッと言う間に母を湯船から出し、脱衣場に連れてきてくれました。
もう本当に助かりました。
さすが医療従事者が2人揃うと神業ですね。
ご飯も、普段あまり食べない母が「美味しい、美味しい」と言ってほぼ完食。
海のしょうげつの食事は、朝も夜も、相変わらず種類も多く、見た目もキレイで私も大満足でした。
料理といえば・・・添え物で出てきた「ミョウガ」を、娘が「これ苦手」と言って食べ残したのですが
それを見て、確かに私も「ミョウガ」とか「山椒」って、若い頃はあまり好きではなかったけど
年を重ねた今は、とても美味しく感じるんですよね。
人生も、こんなミョウガや山椒のように、歳を重ねないと気が付けないおいしさや楽しみがあると思うんです。
ある時、それが分かるタイミングがおとずれる・・・みたいな。
娘もこれから結婚し、妻になり、母になり・・・だんだん色々と分かっていくんでしょう。
話が逸れましたが・・・
今回、骨折した時は、もう母とは旅行に行けないだろうと思っていたのですが
なんとか行く事ができ、温泉にも入れてあげる事が出来ました。
「ああ~もう歩けない」「旅行になんか行けない」と、出来ない事を嘆くより
できる事をできる範囲で楽しめばいいんだなぁ~って思ったら
少し気持ちが楽になりました。
幸せも不幸も自分の感じ方次第なのかもしれません。
母が車椅子になってしまった事は「ゼロ」であり、幸せ「+」でも不幸「-」でもなく
それに反応する自分の心がどちらかに振れているだけ。
そう・・・私の場合は「-」に傾いていました。
でも母が車椅子になって、知らない人の優しさや親切心にたくさん触れる事ができ
旅行にも連れていけたし、温泉にも入れてあげる事ができた。
それって全然「+」じゃん!
普通ならネガティブに考えてしまいそうな事があっても
考え方次第でポジティブになる。
何があっても・・・楽しんで接することで、幸せに転じさせていくように
これからもそんな想いで生きていきたい。
なんだか今回は宿ブログではなく、人生ブログになっちゃったようで
ごめんなさい。