2273．ジョージ・ハリスンを偲んで

　昨年の11月末、元ビートルズのジョージ・ハリスンの10周忌を迎え
ました。

　英国 BBCはジョージの10周忌を偲んでスペシャル番組を放映しまし
たが、その中で関係者の興味深いインタビューが流れました。中でも
特に印象に残ったのが、ブライアン・メイ（クイーン）のジョージ観
です。その一部をご紹介しましょう。

　僕は何年も前に、「ジョージはあとになって歌がうまく
　なった」と書かれていたのを読んだことがある。だけど
　初期の‘This Boy’を聴いてみれば、それが嘘だと分か
　るだろう。この曲は３パートで美しくブレンドされてい
　て、わずかにスモーキーなジョージの声質があらゆるも
　のに厚みを与えているんだ。３人がいっしょに唄うとき
　ジョージは特徴的な声でマジックを起こした。いかなる
　ダブルトラッキングも、いかなるチューニングもなく、
　ジョージは最初から素晴らしい声をしていたんだ。そし
　て、ジョージは他のメンバーよりも強いリヴァプール訛
　りを持っていたので、それがより風合いを加えていた。
　僕が思うに、ジョンとポールは当時、少しだけアメリカ
　ナイズされていたが、ジョージは完全にリヴァプール風
　で、とても親しみやすかった。それは真実だ。

　確かに、初期のジョージの歌には艶がありました。彼の成長ととも
に、その艶に渋みが加わり、さらに重厚なものになった感があります。
デビュー直後の頃の‘Do You Want to Know A Secret’や‘Devil In
Her Heart ’そして‘Roll Over　Beethoven’をいま一度聴いてみて
ください。実に絶妙な歌い回しです。

　特にアメリカのジョージ・ファンは、彼のヴォーカルの凄さをこの
アルバム“THE BEATLES' SECOND ALBUM ”で印象づけられたのではな
いでしょうか。なんてったってトップの‘Roll Over Beethoven ’に
始まり、‘Thank You Girl’で一休み後、ジョンとのツイン・ヴォー
カル、‘You Really Got A Hold On Me ’‘Devil In Her Heart’と
続くのですから。まさに『ジョージ・オン・ステージ』、圧巻の一言
です。

　さて、本日の映像はブライアン・メイが取り上げている‘This Boy’
をご紹介しましょう。






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