【SINGLE ‘YELLOW SUBMARINE c/w ELEANOR RIGBY】
‘Eleanor Rigby ’。果たしてそれは‘Yesterday ’と同じなので
あろうか。
この曲の弦楽器の利用のしかたや数(4台のヴァイオリン、2台の
ヴィオラ、2台のチェロ)は‘Yesterday ’のそれより贅沢である。
“REVOLVER”の制作過程で試行された数々の「音の革新」の代表例の
ひとつとして、弦楽器に対し「超オン」の状態でマイクがセットされ
レコーディングされた。‘Eleanor Rigby ’には‘Yesterday ’には
見られなかった「より複雑な音づくり」が確認できるのだ。そして、
決定的に異なるのは「他の3人の、曲作りやレコーディングへの関与」
である。
‘Yesterday ’は、その時点で初の「ポールによるソロのパフォー
マンス」となった曲である。‘Eleanor Rigby ’も一見、そのように
思えるのだが、実は違うようだ。‘Eleanor Rigby ’のバッキング・
ヴォーカルにはジョン・ジョージが参加しているし、なんといっても
ものすごいのはリンゴの関与である。実は、この曲のこのフレーズ、
“Father Mackenzie, writing the words of a sermon that no-one
will hear ”(空耳アワーで「ハザマ・ケンジ」と聞こえる箇所)は
リンゴが書いたのである。
そして、この曲の「孤独な女性」は、弦楽器の音色とともに“SGT.
PEPPER'S”の‘She's Leaving Home’に表現される「孤独な少女」の
世界へとつながっていったのではないかと思えるのである。
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実はジョン・レノンのキリスト発言の謝罪記者会見の
とき、記者の一人がポールにこの詞はどういう意味だ
とからんだ一幕あったのです。
そのときポールは、"It's lonely. That's all that
mean."みたいなことを言ってました。
孤独な世界を描いただけなのに・・・そんなうけとり
かたも時はされるのですね。
この頃からでしょうか。
いろいろな「学者」がビートルズの歌詞を
分析し始めたのは。
ジョンやジョージとは異なりこの頃のポールは
まだ「社会」に対するメッセージ的な曲や「思想」的な曲は
ほとんどなかったのではないでしょうか。
しかしポールの意に反し
ご指摘の会見や最後のコンサート前のインタビューでも
‘Eleanor Rigby ’の歌詞の発想について
記者からの質問が絶えなかったようですね。