110．酒とぶっ飛んだ記憶

　先日、とある酒宴に出席した。なかなかいい雰囲気だ。こういう酒
はよいと思う。

　「とりあえず生」に始まり、芋焼酎のロックへ。あまりに場の雰囲
気がいいものだから、１杯、もう一杯、もひとつおかわり・・・。
　１次会が終了し、２次会へ突入。夜も更けていく。時間を忘れる。
「あれっ、もうこんな時間！？」と驚き、再会を誓い合い「お開き」。

　翌朝。２次会で終わったはずなのに。財布の中を確認したら、出て
くる出てくる。焼肉屋のレシート、ラーメン屋のレシート。「あれっ
なんで？」まったく記憶に無い。ぶっ飛んでいる。空白の時間が存在
しているのである。２次会の後、一人でふらっと徘徊し飲食したんだ
ろうね、きっと。まったく覚えていない。レシートがあるのだから、
そんな状態の中でも、代金を確かに支払ったのだろう。しかし、なん
だかそんな自分が、とても恐ろしく思えてきた。

　そして・・・。

　まるで何事も無かったかのように、ねぐらへ戻り、きっちりと衣類
を整え、寝床についているのは驚異的だ。奇跡だ。とても不思議だ。