らば~そうる “IN MY LIFE”

旅、音楽、そしてスポーツのこと。過去、現在、そして未来のこと・・・「考えるブログ」。

658.TILL THERE WAS YOU

2007-08-25 | 12.THE BEATLES
 1963年11月 4日、ビートルズは『ロイヤル・コマンド・パフォーマ
ンス』に出演した際に‘Till There Was You’を演奏しました。

 ‘From Me To You’‘She Loves You ’と続き「おじぎ」をした後
緊張気味のポールがMCを入れています。

 次にボクたちが歌いたい曲は少しスローな曲で、『ミュージック・
 マン』というミュージカルからの曲です。これはボクたちの好きな
 アメリカのグループ『ソフィー・タッカー』もレコーディングして
 います。

 ここで観客がどっと沸き、ビートルズは即座に演奏を始めます。

 なぜ「ソフィー・タッカー」という箇所で観客が沸いたのでしょう
か。気になったので少し調べてみました。

 ソフィー・タッカーは、1884年にロシアで生まれた後、両親と共に
アメリカのコネチカット州へ移住しました。当時はこのような移民が
多かったそうです。1900年代にニューヨークへ移り、カフェやボード
ビルなどで歌うようになり、1910年代にはトップ・スターとなって、
「ジャズの女王」と呼ばれるようになります。1920年代には、多数の
ヒット曲をリリースし、1930年代にはトーキー映画に出演。イギリス
でコメディ・ミュージカルや『ロイヤル・コマンド・パフォーマンス』
に出演しました。1950年代~1960年代には『エド・サリバン・ショー』
に数回出演し、そして1966年に生涯を終えることになるのです。

 ビートルズがこの曲を演奏した1963年には、ソフィー・タッカーの
半生を描いた『ソフィー』というブロード・ウェイ・ミュージカルが
上演されていました。従って、この演奏の頃はちょうど「旬」だった
ということもあって、「時流に即したジョーク」として会場から受け
とめられたため、「沸いた」と推測されます。また、この時ポールは
一人の歌手のことを「グループ」と表現しましたが、それはなぜなの
でしょうか。ポールが自分たちとの比較の意味でソフィー・タッカー
という個人に対しわざと「グループ」と言うことで、笑いをとろうと
したのでしょうか。う~む、わかりません。この原因は、きっと他に
ありそうですね。

 余談ですが、ソフィー・タッカーは晩年、‘Life Begins At 40 ’
‘I'm Starting All Over Again ’の題名の歌を歌いました。これは
ジョンが非業の死を遂げた頃に使った言葉です。特に後者は‘(Just
Like) Starting Over ’という曲のタイトルにつながっていると思わ
れます。

 ポールのみならず、ジョンもソフィー・タッカーに対して強く意識
していたのかもしれませんね。

 蛇足です。本題の‘Till There Was You’。わたしは、“LIVE AT
THE BBC ”に収録されているヴァージョンが好きです。

 ポールのタメの利いたヴォーカル。ジョージの、豊かで伸びやかな
カントリー・ジェントルマンのライン。「低弦と7thの響き」は、
もう最高です。リンゴの、残響とともに引き締まったリムショットは
「ダンス・ホール・バンド」の原点のような「名パフォーマンス」だ
と思います。



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