2073．電光掲示板・人工芝・屋根

【写真：ＱＶＣマリンフィールドの眺望　試合開始 2011年06月05日19時08分撮影】

　幼い頃からプロ野球をよく観ていました。プロ野球の「場」。いわ
ゆる野球場も、その環境が大きく変わりました。スコアボード、芝生
そして屋根・・・。その変化に戸惑いながらも約半世紀、プロ野球と
付き合ってきたことになります。

　おぼろげに記憶に残っているのは、後楽園球場や川崎球場のスコア
ボードです。昭和の球場のスコアボードはどこも人手で得点や選手名
を表示させていました。甲子園球場のそれなど、趣がありましたね。

電光掲示板導入前の後楽園球場のスコアボード（1966年）

　ところが、驚くべきことが起こりました。1970年春ことです。プロ
野球のメッカと言われた後楽園球場のスコアボードに、電光掲示板が
導入されたのです。その年の讀賣ジャイアンツの開幕戦は対中日ドラ
ゴンズ戦でした。スコアは確か、ドラゴンズが10－３でジャイアンツ
を圧倒した記憶があります。あの長嶋茂雄さんの引退の時にもバック
には電光掲示板の光が燦々と輝いていました。

長嶋茂雄選手の引退式から（1974年）

　次の「革新」は何でしょうか。それは、人工芝の導入です。これも
後楽園球場でした。1976年の春のことです。ちょうど人工芝完成記念
トーナメントが開幕前に行われ後楽園球場まで観にいったのを覚えて
います。人工芝の下にコンクリートを打ってあると聞いたので「選手
も身体的に大変だな」と思ったものです。

　そして、それから１２年後、野球場に屋根がつけられました。東京
ドームの誕生です。「雨が降っても、風が強く吹いても試合が中止に
ならない」のは興行面では確かによいことなのでしょう。これ以降、
ドーム球場の建設が次から次へと行われました。

東京ドーム（2007年）

　現在のプロ野球各球団のフランチャイズ球場の設備を「電光掲示板
人工芝・屋根」という観点で整理してみましょう。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　電光
チーム　　　　ホームグラウンド　　　　　　掲示板　人工芝　屋根　
--------------------------------------------------------------
ホークス　　　福岡 Yahoo! Japan ドーム　　　　○　　○　　○
ライオンズ　　西武ドーム　　　　　　　　　　　○　　○　　○※
マリーンズ　　QVC マリンフィールド　　　　　　○　　○　　×
ファイターズ　札幌ドーム　　　　　　　　　　　○　　○　　○
バファローズ　京セラドーム大阪　　　　　　　　○　　○　　○
バファローズ　ほっともっとフィールド神戸　　　○　　×　　×
イーグルス　　クリネックススタジアム宮城　　　○　　○　　×
ドラゴンズ　　ナゴヤドーム　　　　　　　　　　○　　○　　○
タイガース　　阪神甲子園球場　　　　　　　　　○　　×　　×
ジャイアンツ　東京ドーム　　　　　　　　　　　○　　○　　○
スワローズ　　明治神宮野球場　　　　　　　　　○　　○　　×
カープ　　　　MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島　○　　×　　×
ベイスターズ　横浜スタジアム　　　　　　　　　○　　○　　×

※西武ドームは壁面がなく半オープン式

　電光掲示板の導入は、情報量の飛躍的な増加からすれば必然の流れ
なのでしょう。しかし「ベースボール・パーク」はやはり「天然芝・
屋根無し」あって欲しいと切に願うのです。そういった意味で好きな
球場は、ほっともっとフィールド神戸です。まだ行ったことはありま
せんが、阪神甲子園球場やMAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島で一度は
観戦してみたものです。

　最後に「昭和」を感じさせてくれるノスタルジックな球場をご紹介
しましょう。それは東京スタジアムです。実は川崎球場も同じ考えな
のですが、「行ったことがなく憧れ的な存在」という意味で東京スタ
ジアムをあげさせていただきます。野球盤のように「左中間・右中間
に膨らみが無い」のがよいですね。投手はさぞかし大変だったことで
しょう。

東京スタジアム

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