1998．REVOLUTION 1

　‘Revolution 1’。ビートルズの『ホワイト・アルバム』の制作に
あたり、最初に（1968年 5月末）レコーディングされたジョンの作品
です。

　イントロでミスしたパートを消去しなかったり、パンチ・イン等の
編集ミスと思われますが、後半のブリッジで一拍余分に鳴り響く音を
そのままリリースしたり・・・。偶然に鳴ってしまった音をそのまま
レコード化するところが「ビートルズらしいのかな」と、ビートルズ
を知ったころに思いました。

　この曲の最初のレコーディングでは、10分17秒にわたる演奏が展開
されましたが、その後半は‘Revolution 9’のベーシック・トラック
として使われることになります。また、「ポールとジョージのアドバ
イス（というと聞えはよいですが）」により、テンポを速めたヴァー
ジョンが後に‘Revolution’として‘Hey Jude’のＢ面に収録されま
した。

　ジョンはこの件についてこのようにコメントしています。

　ゴールド・ディスクだろうが、木のレコードだろうが
　知ったこっちゃない。ビートルズならば言葉の意味が
　わかりやすいスロー・ヴァージョンを発表するだけの
　余裕があったはずだ。

　ジョンは‘Revolution 1’のヴォーカルをレコーディングする際に
床を背に、仰向けになったというエピソードがあります。この前後に
彼はＥＭＩスタジオのエンジニア、ジェフ・エマリック（エメリック）
に対し「なぜマイクが前になければならないんだ」と詰問しました。
ジェフは「そうしないことのマイナス効果を示さなければ、ジョンは
納得しない」と思い、頭を後ろにマイクをセットしレコーディングを
試みたそうです。その音は・・・？

　そのジェフ・エマリック。イントロで“TAKE 2”と発している音が
聞えてきますが、その声の主は彼なのですね。彼は自身の著書でやや
誇らしげにそう語っていました。

　

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