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毎日PCを触る練習用

大体毎日PCを触るための練習用です。

痺れる

2013-11-21 21:23:25 | 
「痺れる」 沼田まほかる 光文社文庫



不思議な、「痺れる」感覚を味わえる短編集。
作者は、「猫鳴り」を読んでからちょっと気に入っている沼田まほかるさん。
最初に読んだのは「アミダサマ」で、その時は、こんなに続けてこの人の作品を読むとは思っていませんでした。
なぜかというと、ぞわぞわしたから。

でも、本読んでぞわぞわするって、気に入ったってことですよね。

さて、「痺れる」ですが、独特の世界観に、やはり引き込まれてしまいました。
殺人、殺意、死の願望に憎悪。
醜いといわれる感情の、醜さを凝縮還元する術をよく御存じだなぁ、と感じます。
聖職者(僧侶のご経験があるそうです)らしいというべきでしょうか。

今の自分を大切にしたいなぁ、と、感じられるものが好きな私は、沼田さんの作品を読むとグングン惹かれます。

「猫鳴り」も「アミダサマ」も長編なので、沼田さん初心者の方は、この短編集あたりから入るのがいいかもしれません。
短編ながら、十分沼田色が出てますから!

次に読みたいのは、傑作と噂される「ユリゴコロ」です。
読みたい本があるのは、幸せですねぇ。

眠れなくなる夢十夜

2013-11-12 21:01:28 | 
『眠れなくなる夢十夜』 新潮文庫 「小説新潮」編集部編



「こんな夢を見た。」
で始まる、10篇のオムニバス短編集。

好き嫌いはあれど、どれも力作ぞろいと感じました。

ただ、あまり「眠れなくなる」ような感覚はなかったかなぁ。

便利だったのは、スピン(栞紐)がついていたこと。
最近、ついていない本が増えましたよね。
特に、分厚い本でついていないものなんかは、不便です。
分厚い本は、栞紐付のブックカバーを使って読むようにしていますが、一体感は、やっぱり本の付属のほうがいいような気がします。

実は、谷村志穂さんが好きなんですが、この中に入っている作品は、少しいつもと毛色が違うように感じました。
ただ、こういう感じもまたいいなぁ、とニマニマしてしまいました。

今回の作品で、興味を持ったのが野中柊さんでした。
一番、心の琴線に触れたような気がしました。

たまに、いろんな作家さんが集合する短編集を読みたくなるのは、好きな作家の違う一面をみたり、新しく知った作家さんに出会うことが楽しいからなのかもしれないですね。

世界で一番寂しい遊園地

2013-11-09 09:46:42 | 
世界で一番寂しい遊園地 西田俊也 角川文庫



秋の夜長シリーズも、そろそろ名称変更を考えざるを得ない寒さになってきました。
さらに、今は朝(笑)

それはさておき。

この本は、閉演が決まった遊園地を舞台に、短編がいくつか入っていると見せかけて、登場人物はどこかで誰かがつながっていて、すべて読むと謎が解ける、という感じのストーリーでした。
特に、ミステリー・サスペンス、という感じではないんですが、人の心の動きが甘くて切なくて、なんだか、もやっとした感じを思い出すような気分になりました。

遊園地も、悪くないなぁ。
また行ってみたいなぁ、と思わせる作品でした。

今度、生駒山上遊園地にでも行ってみようかな~。

僕と先輩のマジカル・ライフ

2013-10-11 20:38:28 | 
僕と先輩のマジカル・ライフ 角川文庫 はやみねかおる
http://www.kadokawa.co.jp/product/200607000267/

読書の秋シリーズ。

今回は楽しく読める痛快ミステリ。
小学校の先生から作家になったはやみねかおるの作品です。

もともとは児童文学から始まった人らしい、平易でありながらも鮮やかな表現。
初めて手に取った作家さんですが、もっとたくさんの作品を読みたくなる、夢のある小説でした。

霊能力者の幼馴染も、真面目が行き過ぎて変人の主人公も、大学8回生の謎の先輩も、みんな魅力的であやうい感じがたまりません。
2も出ているみたいなので、機会があれば読んでみたいです。


聖殺人者

2013-10-04 21:51:06 | 
「聖殺人者」 新堂冬樹 幻冬舎文庫

ハードボイルド小説、かなぁ。
イタリアンマフィアと日本の暴力団の話が入り乱れている話でした。

覚醒剤に麻薬、拳銃と非日常な言葉や表現が飛び交い、初めは慣れませんでしたが、慣れるとその非日常がいい刺激になってドキドキハラハラな展開でした。

でも、主人公の、感情を持てない悲しさが何ともいえなくて、最後は少しジーンとくるシーンもあり。。。
娯楽小説としては楽しかったと思います。

昔、大藪春彦の作品に夢中になっていた時期があって、必死で読んでいて、何度も何度も読んで自分はハードボイルドが好きなんだ、と思っていましたが、どうもこの作品はそこまでのめりこむほどではなかった感じがします。
だから、ハードボイルドかどうか、確信が持てないのかもしれません。