My Rosemary Nights

映画の感想などなど

(記事に無関係あるいは御遠慮願いたいトラコメは削除いたします)

ファミリー・ツリー

2012年06月15日 | 映画の感想
2年以上もほったらかしにしてしまいましたーーー!!
最近、家計の関係で劇場で観る機会がぐんと減っています・・・。
それでは、久しぶりに。
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作品:「ファミリ-・ツリー」(監督:アレクサンダー・ペイン/ 2011年/ 米/ 115分)
原題:THE DESCENDANTS  (意味は「子孫」)
場所:TOHOシネマズ高知

最初は退屈するかも・・・と思いながら、鑑賞券が手に入ったので観に行った映画。

退屈どころか、最後まで、飽きない映画でした。
涙ホロリ、時々クスっと笑える映画です。

妻の浮気相手を探すマットを演じるジョージ・クルーニーのコミカルな演技が面白く、
長女アレックス(シャイリーン・ウッドリー)の演技も良く(プールのシーンは本当に良かった)、
この2人がとてもいい相棒となって浮気相手を探して会いに行く過程が、
すごく面白かったです。
「頼りになるじゃん、姉ちゃん」って思いながら観てました。

最初は同行するアレックスのBFシドの存在がいるのかどうかが疑問でしたが、
実は父親を亡くして間もないという、似た境遇だったことがわかったり、
スパイス的な味付けで必要だったんだろうなという気がします。
シドはきっと・・・アレックスの精神安定剤でもあるんだろうな。

先祖から受け継いだ土地をどうするか、マットがどう決断を下すのかが
最後の見せ場なのですが、その選択肢を選んだ理由は
もう少しじっくり丁寧に描いて欲しかったなとは思います。

鴨川ホルモー

2009年05月15日 | 映画の感想
作品:「鴨川ホルモー」(監督:本木克英/ 2009年/ 日/ 113分)
場所:TOHOシネマズ高知

上映最終日に駆け込みで観てきました。
見どころはホルモーとは何ぞや?と京都の景観ですね。

楽しそうな京都での鬼ごっこ(に見えました)。
私も参加してアイギュウ・ピッピキピー!と叫びたくなります。
京都オールロケらしいので、京都好きな人はそれが楽しいかも。

感想としては、もっとはじけて欲しかったなってところです。
(はじけ方としてはレナウン娘は楽しかった)
万城目さんには悪いけど、安倍のしょうもない理由で京大内部の内輪もめで終っているので、もっと各大学対抗のホルモーを観たかったです。
総当たり戦とかトーナメントとか。

ちょとした疑問。
何故1000年の歴史あるホルモーがレナウン娘なんだ?
(奉納曲は変えれるのか?)
何故龍谷大学だけ朱雀ではなくフェニックスと英名なんだ?

それから俳優さんたちについて。
あんなにかわいかったちゅらさんの弟がどんどんムサクなっていく…。ちょと悲しい。
それから趙和さんが気になる。存在感のある方ですね。
芦名星さんが大学生に見えません…。
濱田岳君のはじけっぷりは素晴らしい。

そして、オニさん達が私には小林亜星さんや大橋巨泉さんのミニチュアに見えます…。

エグザイル/絆

2009年04月28日 | 映画の感想
作品:「エグザイル/絆」(監督:ジョニー・トー杜峰/ 2006年/ 香/ 109分)
原題:放・逐 EXILED
場所:高知県立美術館ホール
上映:シネマ・サンライズ

久しぶりの香港映画で、アンソニー・ウォン黄秋生の演技が目的で観てきました。
何故このおじ様を観たかったかというと、「インファナル・アフェア」の影響でございます。
アンソニー・ウォン以外にもめっけもんの俳優さんがいらっしゃいました。

まず、この人見たことある!っていうのが、キョン役のラム・カートン林家棟。
この方も「インファナル・アフェア」に出演されておりました…。
他にも「プロジェクトBB」にも出演されていたとのことで…。
記憶にないのは…ハハハ。
あとお1人、タイ役のフランシス・ン呉鎮宇。
名前は知っていたのですが、どうも別の俳優さんと勘違いしていて「男たちの挽歌」に出てた人だ!と思っていたら違っていました。
この方も「インファナル・アフェアⅢ インファナル・アフェアⅡ」に出演されていました。
すごいぞ!「インファナル・アフェア」シリーズ!

監督のジョニー・トーの名前は聞いたことはあったんですが、どんな作品を監督されていたかまでは知らなくて、調べてみたら「ターンレフト・ターンライト 原題:向左走、向右走」を監督された方でした。
ターンレフト・ターンライトはとってもキュートな作品です。
金城武とジジ・リョン梁詠主演の、台湾の絵本作家ジミー(幾米)の作品を映画化した、女性にお勧めの映画です。
でも、今回の「エグザイル/絆」は男向け!
アクション、ハード・ボイルド、銃撃戦…と黒社会の映画ですから、女性で観たいって人はあまりいないのでは。
女性受けするイケメン俳優もいないし(失礼?)。
全然違う作品を作れるって素晴らしいです、ジョニー・トー監督。

尚、「エグザイル/絆」は同監督の「ザ・ミッション 非情の掟」の続編にあたるそうです。
「ザ・ミッション 非情の掟」は観たことないから、レンタル半額にでもなったら観てみようかな。

で、あと回しになりましたが、映画の中身です。
ウーという男を殺しに2人の男が、守るために2人の男がやってくる。
5人は同じ時代に黒社会に入った仲間。
帰宅したウーの家の中で銃撃戦が始まるが、ウーの子供である赤ちゃんの泣き声にウーが銃撃をやめ「座って話そう」と言って、全員で協力してウーが持ち帰った家財を並べ、銃撃の跡を補修し、料理を作り皆で食べ酒を飲む。
この状況からしてあっけにとられて引き込まれてしまう映画です。
ウーを殺しにきたブレイス(アンソニー・ウォン)ですが、妻子に金を残したいというウーの願いを聞き入れ、殺す前に5人で協力して金儲けのための仕事をしに行くのですが…。
あとは観てのお楽しみ。
途中、ウーが亡くなり(ネタバレごめん!)そこで終わりかと思いきやまだまだ続く。
レストランのシーン、金塊のエピソード、ラストのホテルでのシーン。
見ごたえのある場面がいくつもありました。
2転3転するストーリーが面白く、また邦題の「絆」の通り、そこが主役なんだな、と思う映画でした。

この映画は男の映画です。
女性は死にません。
ウーの妻以外は、おまけ程度でちゃっかり女ばかりです。
というところも面白いです。

ジェネラル・ルージュの凱旋

2009年03月07日 | 映画の感想
作品:「ジェネラル・ルージュの凱旋」(監督:中村義洋/ 2009年/ 日/ 123分)
場所:TOHOシネマズ高知

この映画の見どころは?と聞かれたら…
「堺雅人さんです」と答えます。
彼の演技を堪能しましょう。

好きな演技は挑むような表情の時と、ヘリを見上げる何とも言えない表情の時です。
挑むような表情は「クライマーズ・ハイ」でも観たんですが、何とも言えない表情がすごく印象に残っています。
あのシーンは好きです。

白鳥さんはあまり活躍しません。
が、「ともに落ちるため…」のセリフはいいですねぇ~。

ちょっと残念なのは高嶋政伸さん。
演技が「L change the World」と一緒なのでバレバレです。

意外だったのは、白鳥あての告発文は誰が出したのかと、林泰文さん演じる役ですね。

近隣の事故による負傷者が大勢かつぎこまれるクライマックスは勉強になります。

赤い糸

2009年01月14日 | 映画の感想
作品:「赤い糸」(監督:村上正典/ 2008年/ 日/ 106分)
場所:TOHOシネマズ高知

ケータイ小説なるものは拝読したことはないのですが、ドラマは興味があったので、映画も観てきました。

「赤い糸」があると信じたい乙女心を持つ人にお勧めする映画です。

私は「赤い糸」は「恋愛や結婚の縁」だと思っています。
だから「赤い糸」は1本だけとは限らず、複数本あってもおかしくないのです。
生涯の中で一番愛した人との間にだけあるのが赤い糸なのではなく、片思いの相手も、失恋した相手も、ふった相手も、離婚した相手も、ある時期は赤い糸があったのだと思います。
同時に2本、てこともそりゃあるでしょう。

存在感がある木村了君演じる高橋睦にとって、たとえ片思いでも芽衣ちゃんは赤い糸の相手なんです。
芽衣ちゃんにとっての赤い糸の相手は西野敦史が一番糸が太いのでしょうけど、睦だって赤い糸の相手の1人だったはず。

DVはいけなかったけど、最後の男らしく身を引く睦の姿には拍手を送りたい。
だから、なんでそこで死ななきゃいけないのか、ストーリーには疑問を持ってしまいました。

ハチワンダイバーとは違う溝端淳平君や、南沢奈央ちゃんはかわいいです。
My注目若手まだまだ新人演技者リストに追加です。
あ、木村了君はとっくに入っていますよ。

レッドクリフ PartⅠ

2008年11月28日 | 映画の感想
作品:「レッドクリフ PartⅠ」(監督:ジョン・ウー呉宇森/ 2008年/ 米中日台韓/ 145分)
原題:赤壁
場所:TOHOシネマズ高知

待っていました、この映画!
という割には観るのちょっと遅いんですけど、やっと観てきました。
ブログ更新も3ヶ月以上ぶりでやっと・・・。

三国志と言えば、魏呉蜀の3国で、それぞれ曹操、孫権、劉備が治め、蜀の劉備には関羽・張飛という義兄弟の契りを交わした勇猛な武将がおり、軍師にはかの有名な諸葛亮孔明を三顧の礼で迎え入れ・・・。
そうそう、昔NHKで人形劇やってたぞ、という程度しか知識がございませんでした。

「赤壁の戦い」というのも知りませんでしたし、周瑜という人物も知りませんでしたし、ましてや小喬という女性の存在など全然知りませんでした。

今回は2部作のPartⅠということで、各キャラクタの人物像を描くことや、赤壁の戦いに入るまでの導入部、という感じでした。

てっきり広東語だと思い込んでいたので、中国語の普通語でのセリフだったのはちょっと意外でした。
オープニングが日本語だったので、一瞬「あれ?字幕版じゃなかった?」と思いましたが、米中日台韓合作だから、そういうことなのかな?と。
でも、中国語でやって欲しかったなと思います。
だって、舞台は中国だし、セリフだって中国語だし。
あそこだけ日本語っておかしくないですか?

内容ですが、見どころは戦シーンですね。
各武将の戦いぶりのアクションが凄かったです。
特に趙雲にはびっくり。
馬に乗って駆けながらとんできた槍(?)をはっし!と掴むんですよ!!
フー・ジュン(胡軍)さんすごい!
トニーさん演じる周瑜がまだ登場していない間に趙雲の見せ場が多かったので、趙雲かっこい~い!と惚れてしまいました。
甘興役の中村獅童さんも頑張ってましたね。
そして九官八卦の陣。
こういうものなんだぁ、とお勉強になります。

それから特撮?CG?。
諸葛亮が放った白鳩を追うように曹操軍を俯瞰するのってどうやって撮ったのだろう?と思いながら感嘆してました。

PartⅡも楽しみです。

感想、ちょっと短い?
いえ、もうちょっと書きたいこともあるけど、久しぶりのブログ更新なので、まずはこのへんで・・・。

ところで、古装劇で髪ひっつめて瞳がいつもより細くなってる金城君、竹野内豊さんに見えてしまうのは私だけですか?

スカイ・クロラ The Sky Crawlers

2008年08月11日 | 映画の感想
作品:「スカイ・クロラ The Sky Crawlers」(監督:押井守/ 2008年/ 日/ 122分)
場所:TOHOシネマズ高知

「カンフー・パンダ」を観たら、「ポニョ」「スカイ・クロラ」を、三者三様の作り方をしているだろうからアニメ比較鑑賞したいと思い、次は「スカイ・クロラ」を観てきました。
観ただけでは理解できなかったので、後から公式HPも見ての感想です。


絵はやはり全然違います。
(これは当たり前か)

空のシーンや戦闘機は合成?プラモ?と見まがうぐらいの3次元を感じるCGなのに、人物などはオーソドックスにアニメらしくのぺっとしていて2次元的です。
どうしてそのように描き分けているのだろう?と疑問に思いました。

テーマは真面目で重く、永遠に生き続ける「キルドレ」という設定が何やら謎かけをしているようです。
つい「キルドレ」の秘密を探ってみたくなります。

ショーとしての戦争をすることで、人々は自分たちの平和を実感する、との時代設定らしいのですが、その時点で私の中に「理解できない」という拒否反応が起きてしまいました。
人の不幸を見て自分は幸せだと感じることを大きく置き換えてそのような設定にしているのだろうか?と感じたのです。
小があれは相似形のように大が存在するものではないと思うのです。
そんな簡単なものではなく、もっと複雑に多様化して実は類似のものだとは気付かないぐらいに変化して、世相として現れる、そういうものではないのでしょうか?
(でも複雑怪奇にならないように贅肉をそぎ落としてそのような設定になっているのかも そもそもそんな単純発想じゃないんじゃないか?)

原作を読んでいないので、世界観や映画の中であえて細かく説明しない設定の部分については理解不足があるので、原作を読んだらまた違った感想になるかもしれませんね。

この映画で押井監督は現代の若者に伝えたいことがあるらしいのですが、公式HPの監督発言を読んでみると、「ん?」と思うところもあります。
私は監督のいう「若い人」ではもはやないし、身近に現代の問題を抱える若者もいないのでニュースで知るぐらいですから、そのせいもあるのでしょうか。

「裏を返せば、それはとても辛いことなのではないか」と監督は言っていますが、それはちょっと簡単に判定しすぎでは?
平和な日常だから閉塞感が起きるのでしょうか?
だったら、若者は問題を抱えているのに大人が類似の問題を抱えないのはおかしいと思うのです。
それとも今回の映画は若者だけに焦点を絞ったのでしょうか?
(そうかも 監督は若者に伝えたいと言っているし)

変化がなければつまらないけど、人間は不老不死ではないのでloopに陥っているわけではなく、ちゃんとendが待っている。
つまんねぇな、何か面白いことないかなって思うことはあっても、悪事に走ったり、自暴自棄になったりとかは、大人はあんまりしない。それは若者よりも心のコントロールができるから?
(だから若者へのメッセージなのかも)
そもそも、超刺激的な事がなければつまんない? 炭酸飲まなければ飲んだ実感が得られない? いえ、違うでしょう?
生きていく上で、命題は必要だろうけど、それは何か大きな1つのものでないといけないものではなく、小さくささやかな命題が沢山でもいいはず。
(なんか、話それてない? 何言いたいの?)

永遠に生きる「キルドレ」は戦闘で死ぬしか人生にピリオドが打てない。
閉塞感を感じるための設定として閉じ込めた世界、閉じ込めた時間が必要なのでしょう。でも、その閉じ込めた時間、「キルドレ」は大人になれないのではなく大人にならないことを選んだ子供たちだとのこと。だったら何か違うんじゃ…。
ここでまた拒否反応。


どうも私は、この映画に単純に入り込むことができないでいるみたいです。

設定がどうのとか余計な事を考えないで単純な感想をとすれば、loopを壊すために優一は「ティーチャーを撃墜する」と言ってある日いつもと違った選択をしてendになるが、水素はそれでもendが来ない事を知っていて、クリタ・ジンロウをずっと愛しているから、次にやってくる後任者を待っている、う~ん、です。


書きながら自問自答つっこみ、変な感想になってしまいました。
どうも、ちゃんと理解したいなら、私は原作を読む必要がありそうです。

もっと考えをまとめてから書いてもいいのではとも思いましたが、そうなると結局綺麗事ばかり並べてしまいそうで、あたかも自分は最初からわかっていたというような顔をしそうで、鑑賞直後の生の感覚がなくなってしまうので、こんな文章でも書いて残すことにしました。

カンフー・パンダ 日本語吹替版

2008年08月11日 | 映画の感想
作品:「カンフー・パンダ」(監督:マーク・オズボーン、ジョン・スティーヴンソン/ 2007年/ 米/ 92分)
場所:TOHOシネマズ高知

北京オリンピックが始まり、よさこい(よっちょれ!よっちょれ!)も始まり、お盆休みも始まり、高知の夏はTV鑑賞やらで大忙し

中国といえば、パンダにカンフー!
というわけでもないんですけど観てきました「カンフー・パンダ」。

このアニメ、面白い! 
絵も綺麗! さすがドリームワークスです。
夢の中は影絵風、Oh!チャイニーズ!
現実も生きたぬいぐるみが動いているよう。しぐさや表情が豊かで色彩も凄く綺麗。
ストーリーもテンポが良く、笑いどころもいっぱい。すごく楽しめました。

個人的にはタイ・ランというキャラクターの存在は嫌いではないです。
マスター達が個性があるにしても聖人君子揃い(特にマスター・タイガーは無茶カッコいい)の中で、心の黒い部分を持ち、龍の戦士を目指していた武術家から悪役になってしまったタイ・ランは、視点を変えれば可哀想な存在です。
自分の心をコントロールし切れず、反動で悪に走ってしまった。
(ダース・ベイダーがジェダイからダークサイドに行ってしまったのを連想してしまいました)

タイ・ラン、無茶苦茶強いんですよ!
だからストーリー的には簡単にポーに勝たせないでぇ~と思ったけど、子供も観る映画だし、まぁ仕方ないか。

できれば日本語吹替版ではなく、原語で聞きたかったです。
ジャック・ブラックにダスティン・ホフマンにアンジェリーナ・ジョリーにルーシー・リューにジャッキー・チェン!
DVD版で観るしかないか…。

素直に楽しめる娯楽作品観たい人、お勧めですよ!!

ジェリーフィッシュ

2008年08月06日 | 映画の感想
遅ればせながら、「シネマの食堂」関係者の皆様、お疲れさまでした。
累計6000人以上の観客だったとのこと、おめでとうございます。
素晴らしいイベントをありがとうございました。
来年もあるのかな? また観に行きますね。

では最後に観た作品の感想を。
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作品:「ジェリーフィッシュ」(監督:監督:エトガー・ケレット、シーラ・ゲフェン/ 2007年/ イスラエル・仏/ 82分)
月日:2008/7/29
場所:高知県立美術館ホール
上映:シネマ・サンライズ

ジェリーフィッシュ(JELLYFISH)というのは「くらげ」のことだそうな。
後から知りました…。

この映画は3人の話からなっています。
3人それぞれに「船」のエピソードがあるのです。

1人目のバティアは、恋人に振られ仕事はうまくこなせずアパートは水漏れ、浜辺で浮き輪をつけた一言も話をしない少女を拾う。警察に迷子の届け出はなく、結局週末だけバティアが預かることになる。仕事を休めないので職場に連れて行くが、いなくなってしまい再度警察へ。でも警察は積極的に捜索しない。捜索願は何通もあり、その1枚を折り紙にして船を作る。
(そうか、行方不明の彼らは「船」なのか…。)

2人目のケレンは花嫁。バティアが働く式場で披露宴を行っていたが、トイレに閉じ込められ脱出の際に骨折し、新婚旅行に行けなくなってしまう。海が見えるホテルに泊まるが、そこで花婿は詩を書いているという女性に出会う。ケレンは嫉妬しながらこっそり詩を書いて化粧台の引出しにしまう。
その詩が「ビンの中の船は沈まない 帆が風に揺れることもない 船底にふわふわクラゲが漂うだけ」。

3人目のジョイ。彼女はフィリピン人で息子を残して出稼ぎに来ている。女優をやっている女性の母親のヘルパーになるが、言葉はうまく通じない。通り沿いの店に大きな帆船の模型が飾ってあり、ジョイは息子にプレゼントしたいと思う。


ビンの中の船というのは世渡りが下手で傷つくのが怖くてできれば避難していたい人のことだと思っていました。
でもその場合、クラゲは何にあたるのでしょう? 船にとっての心のやすらぎ?
いやいやクラゲが実は人で、船は安全な場所? でもクラゲはそこに上がることができずにただ漂っているのでしょうか?

わからない…。

潜水服は蝶の夢を見る

2008年07月12日 | 映画の感想
作品:「潜水服は蝶の夢を見る」(監督:ジュリアン・シュナーベル/ 2007年/ 仏米/ 112分)
月日:2008/7/11
場所:あたご劇場

主人公は脳梗塞で倒れ、意識は回復するものの左目以外は一切体の自由がきかなくなってしまった男性。コミュニケ-ションの方法は、唯一動く左目のまばたき。

倒れる前は、子供が3人いて、恋人もいて、仕事も順調、経済力もあり、カッコイイ新車にも乗り、人生を謳歌していた。

初めは死にたい、などと絶望的になるのですが、やがて小説を書く。
スペルを1文字1文字、読み上げる文字の中からまばたきで合図し書き上げていく、気の遠くなるような作業。
主人公は、夢を持ち実現に向かって忍耐強く歩いて行く精神力を持っている。
見上げた根性ですよね。
生きていることへの明るい渇望。体は動かなくても、生きているのだという強い気持ち。
体は潜水服を着たように自由がきかないけれど、頭脳は正常で、蝶のように自由に想像を膨らませる。想像の世界では自由に体は動き、美しい女性たちと恋もする。

生きているって素晴らしい、そういう映画でした。

映画観ながら、亡くなってしまった祖母のことを想っていました。

ミラクル7号

2008年07月01日 | 映画の感想
作品:「ミラクル7号」(監督:チャウ・シンチー周星馳/ 2008年/ 香/ 88分)
原題:長江7号
場所:TOHOシネマズ高知

日本語吹き替えなのが残念。

E.T.を基本に、ドラえもんと牧野つくし以下の貧乏が入っていまして、子供向けなのか時間が短く、繰り返しますが日本語吹き替え…。

でもナナちゃんはかわいらしく、キャスティングが面白いです。
映画観ている間は気付かないのですが、後から公式HP見て、そうだったのか、そういえば・・・みたいな。ええー、あの子も?!
でも、公式HP見るのは映画を観終わってからの方がいいですよ。
キャスティングの面白さが半減してしまいます。

主役のディッキー役の子、実は女の子だってのはPRで公表されているのですが、本当に男の子に見えます。驚きのオーバー表現とか特に。どんな女優さんに成長するのか楽しみです。

シンチーはギャグなしの実直パパで「ウソはつかず、ケンカせず、一生懸命に勉強すればビンボーでも尊敬される」と息子のディッキーに教えています。ディッキーは基本はその教訓を守るのですが、やはり子供で、どうしてもダダをこねることだってあります。その辺を描いているのは好感持てました。

気になったのは、ゴ○ちゃんがいっぱい出てくるシーン。
あれは本物ですか? 動いてたよね、確かに。 つぶしてたよね、いっぱい…。CG?

サッドヴァケイション

2008年05月21日 | 映画の感想
作品:「サッドヴァケイション」(監督:青山真治/ 2007年/ 日/ 136分)
月日:2008/5/17
場所:自由民権記念館ホール
上映:とさりゅう・ピクチャーズ

この映画は、青山真治監督の「Helpless」「EUREKA ユリイカ」に続く「北九州サーガ」の集大成作品だそうです。
「Helpless」「EUREKA ユリイカ」を観ていないので、この2作品も観たくなりました。

浅野忠信、やっぱりいいですねぇ。
過去に殺人を犯し、チンピラ風なんだけど、幼馴染の妹の面倒もみて、中国から密航してきて殺されそうになった少年アーチュンも連れて逃げて面倒みる、そんな心優しい一面も持つ男、健次を魅力的に演じてくれました。

他にも板谷由夏演じる恋人の冴子、水商売だけど魅力的でいい女性です。板谷由夏さんは、ドラマ「ハケンの品格」から注目している女優さんです。
また、川津祐介演じる元医師の木島もひょうひょうとしてすごくいい味でした。

間宮運送にいる人たちは優しくまた不思議な人たちです。
親父さんは心広く、アウトローの人たちを「わしが見放したら他に居場所がない」といって雇って面倒見ている。

奥さんは、これまた不思議で、ある日やってきた健次を後継ぎに決めているし、弟を殺した健次を「みんなで待ってる」と言って受け入れる。どこまでも受け入れるのか、この人は。「死んだ人間のことは考えない、生きとる人間のことだけ」と言って、冴子のお腹の子を勇介の生まれ変わりと言い、嫁として同居するのも決めている。何かとこの母親には逆らえないのです。健次も最後には「もうどうでもええわ」と負けてしまう。母ちゃん強し!
(ちなみにわが母も言い出したら誰も逆らえません・・・)

間宮の親父さんと健次は血のつながりはないのにどこか似ていると思います。見捨てることができないのです。母親の千代子の再婚相手が間宮の親父さんなのもなんとなく納得がいきます。千代子は健次をわかっていて「あんたは見捨てれんよ」と言うのです。そうだろうなぁと納得してしまいます。

木島さんたちも、アーチュンと中西が連れていかれ、その時に中西が大量出血するという事態が起こっても、普通の人からしたらとんでもない一大事なのに、過去にも何回か大変な事態があったらしく、日常茶飯事的な態度で翌日の仕事に向かって「さあ、もう寝ましょう」とひょうひょうとしている。
でも、最後に後藤を追いかけてきたヤクザたちに向って門のところで、親父さんはじめ間宮運送の面々は「そんな人はここにはいない、警察呼びますけどええですか」と、阻止する態度に出るのです。
彼らの、普段はお互い距離を保っていても、いざという時は守ろうとする、そのどこかでつながっている感じがまた良かったです。
その上をユリが吹いた大きなしゃぼん玉が漂っていって不思議な雰囲気です。

主役は健次と千代子だけど、「間宮運送」を主役と思って観てもいいかなぁと思います。

ところで、北九州の方言って、ちょっと土佐弁に似たところがある気がしませんか?

楽園の瑕

2008年05月14日 | 映画の感想
作品:「楽園の瑕」(監督:ウォン・カーウァイ王家衛/ 1994年/ 香/ 100分)
DVD鑑賞

最近、読んだことがなかった金庸の小説に挑戦しようと「射英雄伝」を購入、その流れで久しぶりに数少ないDVDコレクションの中から『楽園の瑕(原題:東邪西毒)』を観ました。
確か自主上映で県民文化ホールで観た気がしますが、うろ覚えで自信はありません。

黄色い砂漠に青い空、流れる白い雲、佇む1人の剣士の衣装も黄色と青で、斜め下から撮ったアングル。このショット、お気に入りです。
盛り上がり部分で流れる音楽も好きです。

欧陽鋒(のちの西毒)を中心に、それぞれの剣士や周りの人たちの愛に悩む様や生き様が綴られています。ハッピーエンドはないです。それぞれ許されぬ愛であったり、片思いであったり。
欧陽鋒を演じるのはレスリー・チャンですが、パッケージ表紙の佇む剣士はレオン・カーファイ演じる黄薬師(のちの東邪)です。

印象に残っているシーンは、トニー・レオン演じる盲目の剣士が馬族と戦い、剣が首をかすめ、「すばやく斬られると噴き出す血はそよ風のようだと聞いたがそれを初めて聞くのが自分の首からとは…」と心の中のセリフとともに剣士は空を見上げ、そして・・・。
盲目の剣士には故郷に残した妻がいて、剣士は故郷の桃の花を咲き終わる前に見たいと言っていたのですが、かなわずに死んでしまう。故郷には桃の花などなく、彼の妻の名が桃花という名だった、とこれがまた涙を誘うストーリーとなっているのです。

次に印象に残っているのは、ブリジット・リン演じる慕容燕・媛(のちの独狐求敗)の兄妹。実は同一人物ですが、酔った黄薬師に「妹がいたら結婚する」と言われその気になって惚れてしまい、会う約束をしたがすっぽかされ、想いがつのるあまり欧陽鋒を交互に訪れては、黄を殺せ、兄を殺せ、と二つの人格が語る模様。かなわぬ想いのあまり絶叫するシーンが3度あるのですが、それも効果的な演出です。

ところで、ネットで調べたところ賛否両論分かれる作品だそうですね。香港では公開当時、怒った観客が上映中に何人も席を立ったとか。
私はだんぜん肯定派です。砂漠の移り変わる空模様の早送り、水面の白波は立てずに揺れる様、水面に映される馬に乗り往く様。
うまくは言えないのですが、この映画、娯楽品というより芸術品だと思っています。
この作品はアクション監督はサモ・ハン・キンポーですが、アクションものの武侠作品というよりも、愛に悩める剣士達の物語というのが妥当と思います。アクション映画か恋愛映画かと問われると私なら恋愛映画と答えます。

大いなる陰謀

2008年05月02日 | 映画の感想
作品:「大いなる陰謀」(監督:ロバート・レッドフォード/ 2007年/ 米/ 92分)
月日:2008/5/1
場所:TOHOシネマズ高知

わかりやすい構成でしたが、尺はもう少し欲しかった。
ラストではロバート・レッドフォードの思うつぼにはまってしまいました。

冒頭、まず3人がそれぞれ何か資料を開いて見ている。でもこの3人はまったく別の場所でまったく異なる資料を見ている。
1人は上院議員、1人はジャーナリスト、1人は大学教授。

ジャーナリストは単独取材ということで上院議員に呼ばれ、対テロ戦略の最新戦略についてリークされる。
大学教授は優秀だが出席率の悪い生徒を面談に呼び、かつての教え子2人のことを語る。
その教え子2人は対テロ最新戦略の戦場にいた。

この3つの場面が並行して話は進められていきます。

一番の見どころは、トム・クルーズ演じる上院議員とメリル・ストリープ演じるジャーナリストとの会話。
取材なので口論ではないが、上院議員の発言にちりばめられた本音を漏らさずメモするジャーナリスト。言葉の意味や言い方1つにもさりげないつっこみを入れる。
つっこまれても頑として主張する上院議員。

二番目の見どころは、授業で発表する生徒たちのやりとり。

考えさせられますね。
何のために戦争しているのか、自分たちは何をするべきか、どう生きていくべきか。
押し付けのような感はなく、映画観終わると自然とそういうことについて考えてしまうような作りになっています。
こういう映画の作り方は嫌いじゃない。
ロバート・レッドフォードにしてやられたって感じました。

亀は意外と速く泳ぐ

2008年04月29日 | 映画の感想
作品:「亀は意外と速く泳ぐ」(監督:三木聡/ 2005年/ 日本/ 90分)
月日:2008/4/28
上映:DVD鑑賞

脱力系とでもいいましょうか、以前に見た「イン・ザ・プール」と同じ三木聡監督で、同様に肩の力を抜いてくれる映画です。
この感覚、割と好きですね。

緑色は何を象徴しているのかな?緑亀?でも出演している亀は緑亀じゃないしねぇ。

全編にわたるいろいろなくだらなさの演出が面白い映画です。
例えば、要潤がね…、林檎がね・・・、パーマがね…、蟻が意外にもね・・・。

オフシアター系の秀作が好きだけど、こういう作品も好きですねぇ。