からだの内なる統合を求めて…

ロルフィング施術者日記
by『ロルフィング岡山』
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身体の統合(3)ライン

2009-01-30 | ライン
「ライン」とは、構造的に統合された体に見られるものです。ラインについて、積み木の写真を例に、ご説明します。





積み重ねられたブロックの一番下に、ロケットエンジンを取り付けて空に飛ばそうとします。左の写真では、下からの推進力が一番上のブロックへと直線的に伝わり、全体はまっすぐに飛んでいくことができるでしょう。しかし右の場合には、ロケットの推進力が、全体をバラバラにするように作用します。そこで、全体がバラバラにならないためには、それぞれのブロックをつなぎ合わせて、しっかりと固めなければなりません。また、全体を固めたとしても、まっすぐ進むのではなく、回転するようになるので、その方向を修正するためには、別のエネルギーが必要になるでしょう。

つまり、積み重ねたブロックにまっすぐ力のベクトルが通り抜けるほど、運動時には、構造が安定してまとまっていて、エネルギーの無駄が少ないことが理解できると思います。体でも同様のことが起こっています。

体の全体的な構造が安定すればするほど、足底に加わった地面からの抗力がダイレクトに頭頂部に伝わります。これが「ライン」が明確な体です。力がすんなりと通りぬけるまとまった体は、外側から見てもわかります。

これに対して、ラインがはっきりしない体では、全身がバラバラにならないように、つねに緊張して固めていなければなりません。また、移動運動などにも余計なエネルギーを必要とします。ですから、ラインが通り抜けた際には、それを体感することができます。全身をラインが抜けると、体を固めていた緊張を手放すことができるので、体の中心がふわっと広がって、例えば、頭頂部へと空間が抜ける感じがしたり、頭が空へ引っ張り上げられるように感じる場合もあります。

このラインの感覚はとても大切です。これが体がバラバラにならずに、まとまっていることのサインであり、ラインの感覚をさらに明確にしていくことが、体を統合して、より楽にしなやかになっていくことにつながる道です。

私が以前、マッサージ師として働いていた頃には、「ひたすらコリをもみほぐす」という施術を行っていました。それは必要とされたことですが、全身の構造の位置関係が変わらない限り、また同じ部分がコリ始めて、同じことの繰り返しだと感じていました。その後出会った、このラインという統合の指標を持つロルフィングは、自分の施術の欠けていた部分を統合することにも役に立ちました。

それでは、ラインをどのように確立するかについてですが…。それは次回に続きます。


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