六角オセロ & 右・石田流 & 目くらまし戦法

六角オセロ と 六角碁 と 将棋の浮き飛車めくらまし戦法 の考案者です

高野山ムササビ戦法 SF傷だらけの天使 97話

2021-04-04 10:50:42 | Weblog
高野山ムササビ戦法



アキラ
「兄貴、隆二さんい感謝しなきゃあなあ~~」
「そうだなあ」
「俺たちが、こうしていられるのも、彼の御蔭だしなあ」
三人は、南海高野線の電車に乗り込んだ。
「しまった!超音波でゴキブリを寄せ付けないものを買ってくるのを忘れた」
「高野山にも売ってるんじゃない?無かったら、ネットで買えばいいよ」
よう子
「高野山の薬局で売っていましたよ」
ショーケン「ああ、そう」
四両電車だった。アキラは、窓から景色を見ていた。
「単線なんだねえ」
よう子
「橋本からは、単線です」
「極楽橋まで、どのくらいの時間?」
「五十分くらいかな?
「逆方向には、どこまで行ってるの?」
「大阪市浪速区の汐見橋駅までです」
「ふ~~~ん」
「難波までしか、行ったことありませんが」
「難波って、阪田三吉が生まれたとこだよね~~」
「はい。大きな王将の記念碑があるんですよ」
「わあ~、行ってみたいなあ~~」
「今度、一緒に行きましょう」
「よう子ちゃんと?」
「はい」
「うっれしいなあ~~~!兄貴も行かない?」
「俺はいいよ」
「なあんだ、興味ないのか」
ショーケン
「これで、千メートル近くある高野山まで、登っちゃうんだから、凄いよな」
「そうだね~~、よく登れるよね~~」
よう子
「車両が短くって、軽く、全車輪がモーターで動くんですよ」
「へ~~~え、そうなんだ!」
「ズームカーとか、ズーム電車とか言ってました。南海電鉄が、この区間のために独自に作ったそうです」
「ズームカー?」
「平地では普通の電車みたいに早く、山では力強く登れる電車だそうです」
「なるほど、それでズームか」
ショーケン
「九度山からは、山だね」
「そうです。時速三十キロくらいになります」
アキラ
「カーブとトンネルばっかりだもんね」
「民家とか、まったく無いもんな」
「よく、こんなところに、線路を敷いたもんだねえ。人間ってのは、凄いもんだねえ」
終点の極楽寺に着いた。
ショーケン
「山電車に乗るのも、ケーブルカーに乗るのも、来たとき以来だなあ」
アキラ「山電車・・?」
「高野山の山岳電車のこと」
「山電車ねえ、いいねえ、その呼び名」
「分かりやすいだろう」
よう子
「とっても、分かりやすいわあ。わたしも、これからは、山電車と言おう」
三人は、外国人だらけのケーブルカーに乗り、高野山駅に着くと、バスに乗った。
よう子
「バスに乗るのも、久し振りだわ」
転軸山に近付いた。
 次は 転軸山ドームハウス前でございま~~す
「あら、天軸山じゃなくって、転軸山ドームハウス前に変わっているわ!」
アキラ
「有名になったってことだ」
ドームハウスに着いた。夕刻の肌寒い風が吹いていた。

アキラは夕食を終えると、買って来た折り畳みの将棋盤を広げ、将棋の駒を並べ、なにやらぶつぶと言いながら、一人で駒を動かしていた。
「おまえ、一人で何やってんだよ?」
「昨日、おもしろい戦法を思いついたんだ」
「戦法?」
「将棋の戦法」
「どんな戦法だい?」
「将棋を指さない兄貴に説明してもね・・」
「駒の動かし方くらいは知ってるよ。飛車は縦横だろう、角は斜め、歩兵は一歩前進」
「じゃあ、金は?」
「金は、前、横、バック、斜めバック」
「違います。前方斜め」
「そうそうそう、そうだった!」
「やっぱ、説明するの、止~~めた」
「おもしろい戦法なのかい?」
「高野山で思いついたので、高野山ムササビ戦法!」
「なんで、ムササビなんだよ?」
「角が、ムササビのように飛んでいくの」
「じゃあ、俺にも将棋を教えてくれよ」
「いいよ。じゃあ、コーヒーでも飲みながら」
「ちょっと、煙草、吸ってくる」
「じゃあ、コーヒーつくって待ってる」
3分ほどで、ショーケンは戻って来た。
「風が歌って、落ち葉が逃げ回っていたよ」
「兄貴は詩人だな~~」


風が唄った日  


高野山ムササビ戦法↑

空戦・袖飛車 & 空戦・石田流 & 高野山ムササビ戦法