同僚君のお誘いをお断りした話

「あのさ、明日、空いてる？」

唐突に同僚君が僕に近づいてきて尋ねてきた。

「え？あ、明日はどうだったかな…。」

明るくてノリのよい同僚君。とても良い人だけど、ノリが良すぎて僕がついていけない人。本当は明日の予定なんて何も入っていないのに、咄嗟に自分を防御するために、明日の予定について話を濁らせる僕。

同僚君ははっきりしない返答に「じゃあ、確認してみてよ。」と言う。

僕は「何の用事？」と聞くと、「用事じゃねぇって。飲み会だから。」と話す。

やっぱりか…。

僕の苦手な飲み会。大体、僕は一人で静かに飲む方が好きなのだ。しかし、この会社に入社している以上、僕のそのような嗜好は理解されないであろう。

「時間をなんとか空けようと思えば空けられるのかもしれないけど、空けられるかな…、どうだろう。」と曖昧な返事をする。

その曖昧な態度の僕が面倒に思ったのか、「ま、いいや。」と立ち去る同僚君。

せっかく親睦できる機会を失ってしまったかもしれない僕。「でも、やっぱり行けるよ。」と言って、飲み会に参加するのはやっぱり嫌だ。

そして、この断るやりとりをずっと続けるのも気がひける。そろそろ僕はこの会社から退散すべき時期なのだろうか。