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シオカラトンボの詩

2024年08月12日 20時03分53秒 | 日記

なんとなく今日はこれだけです。

 

     おもいで      

 
  葦のてっぺんで
  シオカラは
  くびをひねっている
  その少年をしっているようなきがして
 
  シオカラはしらない
  じぶんのおじいちゃんが
  少年のかたにとまり
  橋をわたっていったことを
 
  少年は
  シオカラをかたにとまらせ
  橋をわたっていく
  ふとおじいちゃんの肩車で
  わたった日をおもいだし
  ──おじいちゃん。
 
  少年のつぶやきに
  シオカラは
  ひかりにつつまれる
  岩は水になりながれはじめる
 
  むしのことばも
  ひとのことばも
  緑色の風になり
  からだのなかをふいていく
 
  しらないことばがつながり
  しらないおもいでがよみがえり
  シオカラは少年にいう
  ──げんきだったんだね。
  ──あなたも。
  うなずいているひとがいる
 
 
コメント (4)
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