ほるぷ出版 1500円+税
青山友美さんの絵本には、これまでその空間にどことなく淋しさを感じていました。(もうすこしサービスをしてもいいのではないかなあ)と。
それがガラリと一変し、すみずみまでサービスが行き、賑やかな画面になっています。読者にこびているのではなく、たのしくてたのしくて描きこんでおられる青山さんが浮かんできます。いいですねえ。
犬たちの服がとてもおしゃれです。そのなかで服を着ていないシマウマのアップが笑えます(ないしょ)。タイトル通り犬の探偵物語ですが、小さい子にはそのおしゃれ発見と、すみずみ発見がたのしい絵本でしょう。文章は会話だけ。それも大阪漫才の乗りで、たのしく物語を運んでいます。この手があったか!
毎日、詩を書かなくてもいいのにと思うのですが、暑くて出かけることもなく、ただだらだらしていると、詩をぼんやり考えるしかないのですね。
里
イタチはたちがわるかった
いつも「二十歳」といいはった
八十三歳なのに
うそをついてうそをついて
しょうがいをおえた
しぬときにイタチのさいごっぺをした
ジャスミンのにおいがした
みんなはイタチの墓をたてた
その墓のうらで
タヌキはいつもうんこをした
タンポポのにおいがした
「アリはすっかり無口になりました」
とカナヘビはいった