広告する日記

詩人・絵詞作家・内田麟太郎オフィシャルブログ

Information

プロフィール、講演会情報、過去の日記など
内田麟太郎オフィシャルウェブ
●-------------------------------●
作品の検索・購入ができます
内田麟太郎@Amazon
内田麟太郎@RakutenBooks
●-------------------------------●
本棚を公開中です
Booklog 内田麟太郎の本棚

ここに

2024年08月25日 18時03分53秒 | 日記

  昨日、大牟田市動物園にある、ともだちや絵本美術館では、はしもとみおさん(動物肖像彫刻家)と田中千智さん(作家)の二人の対談がありました。進行役は海外でも活躍されている動物園の冨澤奏子さんです。
 大牟田はわたしの故郷ですが、子供たちがこうしてすぐれた表現者の話を、身近に聞ける場所が出来てよかったなあと喜んでいます。紙芝居の実演集団も、遠くから来てくださったようで、子供たちにはたのしい一日だったことでしょう。

 

     林

  うつむきながら
  歩いていた少年が
  顔をあげる
 
    ツクツク ツクッション
    ツクツク ツクッション
 
  世界一うつくしい声の
  セミがないている
 
  少年は
  梢につぶやく
  ──ここに、いたの。
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

笑いの視点

2024年08月23日 17時56分03秒 | 日記

 
はしもとみお巡回展 いきものたちの物語
 
  今日から、大牟田市ともだちや絵本美術館ではじまりました。
 

 雑用をしながら詩を書いていました。先日からの二編がどうしてもきれいすぎて、OKが出せません。そのきれいすぎる雪女を笑いの視点からこんなものにしました。

 

     豪雪
 
  きづかいは
  きづかない
 
  きづかないは
  きづかい
 
  カモシカはきづかなかったふりをする
  雪女が
  けいとのくつしたをはいていることに
  雪男が
  はらまきにほっかろんしていることに
 
  カモシカはさけぶ
  ──ゆきだおれだ!
  雪女と雪男がたおれている
 
  (雪女の雪だおれ?)
  (雪男の雪だおれ?)
  クマはきこえなかったふりをする
 
 
コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

詩人の生涯

2024年08月22日 18時53分03秒 | 日記

 

 童心社より紙芝居が届きました。絵は石井聖岳さんです。のどかな世界をおおらかなタッチで描いてくださいました。紙芝居の脚本は、これで十本目でしょうか。

 昨日も今日も、マンション管理組合の仕事をちょこちょこしていました。理事長の引き継ぎのこともありますが、お願いした理事長さんは都内。わたしは現地雑用係といったところです。

 

     いなりずし
 
  あがいてもあがいても
  よい詩がかけないのでしぬことにした
  しぬまえにさいごのあんパンをたべた
  しぬまえにさいごのくずまんじゅうもたべた
  しぬまえにさいごのいなりずしもたべた
  しぬまえにさいごのアップルパイもたべた
  しぬまえにさいごのソフトクリームもなめた
  しぬまえにさいごの雲龍軒の豚骨ラーメンもたべた
  うまかった。
  うまくてうまくてつぎの日も
  雲龍軒の豚骨ラーメンをたべた
  うまかった
  うまくてうまくてつぎの日も
  雲龍軒の豚骨ラーメンをたべた
  つぎの日も
  つぎの日も
  そのつぎの日も
  雲龍軒の豚骨ラーメンをたべて
  百三歳まで生きた
  雲龍軒は福岡県大牟田市にあった
  ご近所にはにわとりもいた
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

かなかな

2024年08月21日 18時44分57秒 | 日記

  ひかりのくに

 

 隠れたロングセラー。改装新版が3刷りになりました。ありがとうございます。

 ちんたらだらだらという詩を書くつもりが、こんなものに。ちんたらちんたらするには疲れていたのでしょうか。

 
     先生            
 
  カナカナがないている
    かなかなかな
    かなかなかな
 
  なにかな
  そうかな
  どっちかな
 
  わからないから
  カナカナは
  いつまでもないている
    かなかなかな
    かなかなかな
 
  しょうねんはだまってしろいくもをゆびさす
  きのうワタナベ先生がいたところを
 
 
コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

矢玉四郎さん

2024年08月20日 18時12分44秒 | 日記

  岩崎書店

  矢玉四郎さんが先月に亡くなられていた。八十歳。
 私の記憶の矢玉さんはいつも怒っている人だった。「あいつらは馬鹿だ、馬鹿だ」と馬鹿を連発されていた。 『はれときどきぶた』が作品として評価されていないこと、賞をもらえないことに立腹されているんだなと、私は思った。そんなときの矢玉さんは可愛かった。矢玉少年を感じた。同時に長新太さんは、もっと理解されていないんだけどなあと思った。たくさん受賞はされてはいるけども。

 「子ども」と書くやつは馬鹿だ、「子供」と書くべきだと、ここでも馬鹿を連発されていた。学のない私は(そうかなあ)と首を傾けていた。「子どもの詩」とは書けるけど「子供の詩」とは書けない私がいたからだ。これは学問のことではなく感覚の問題だけど。そして頭の中で(言葉って生きているんだよなあ)と、もにょもにょしていた。

 矢玉さんはマンガ家から、児童文学に進まれた方だけど、マンガ家時代の絵は 『はれときどきぶた』の絵と違いとても繊細だった。著作権四者懇の帰りにそれを言うと、嬉しそうに「見てくれたの。うまいだろ」と、でれでれの顔をされた。

 ときどきFBをのぞくと「腹の立つときは念仏を心に入れるといい」というようなことを書かれていた。私はウフフフフとなった。あまりにも腹を立てる自分のために修行されたのにちがいない。別府育ちのアンポンタン。あちらでは念仏なんかしないで、閻魔さんを怒鳴ってください。「馬鹿野郎!」。お元気で。

コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする