『みんなのお寺』 ブッダによる幸せの種がまかれた園

宗派を超え、国境を超え、時を超えて、仏教・ブッダの教えの真理に触れる事の出来る幸せの精舎を目指す『お寺』です

煩悩④ 『慢(慢心)』

2009年10月17日 | 煩悩・悪感情の分類
悪い心・悪感情の4番目、それは『慢』です

『自慢』という言葉を我々は使いますが、これも『慢』の関連語で自分を基準に、自らを誇らしげに表して他を見下す、といった意味でしょうか

『慢』は他のものを差をつけ見下す心で、人は知らない内にこの心に支配されている時があり、『慢』が心の中で働いている時は今でいう『自己中』の状態になっています


『慢』に支配された心には周りにある全ての対象を『自分中心』でランク付けしています

そして客観的に正しくランク付けされている場合と違い自分にとって都合のよい人を『えこひいき』しているので結果的に他人からの評判が悪くなる、人に嫌われるのです


また人は天候に自分の都合を求めますが、そこにも『慢』が働いています

晴れて欲しくて暑いのが嫌で寒いのも嫌で雪も嫌

自然界が成り立つのに必要不可欠なものを

人は嫌がります


また『差別』は人間の歴史において大きな不幸を数々つくり出してきましたが、『差別』の基本には必ずこの『慢』が働いています

自分たちは『神』に選ばれし崇高な民族で、他の者たちは生まれ持って自分たちよりも劣っている

とか

女性は力が弱いくて男性は力が強い、とにかく男性の方が優れているから女は男の言うことを聞け

とか等など…

生まれ・容姿・年齢・性別・職業・国などの違いを『差』をつけて見る

以上のように『慢』は他者に嫌われたり、差別を生みだしたりとか多くの苦しみを生みだす厄介な感情です


ブッダはその悪感情とは正反対の、物事を唯々ただありのままに観る、『区別』する智慧を教えてくれています

『無分別智』とも言いますが、全ての存在が『因縁』にもとづいた結果として『今』を受けている

だから唯ただ自分自身が正しい生き方を目指す

その道がブッダの教えなのです


知らない内に心を支配している『慢』

それを働かせながら生活していると、知らない内に他人から嫌われ、周りに差別を生みだすという大きな苦しみをもたらします


『慢』に心を犯された『自分中心』の眼に気づく力を持ってない人が、ブッダによってその力を与えられ、苦しみから離れることができますように

合掌