『みんなのお寺』 ブッダによる幸せの種がまかれた園

宗派を超え、国境を超え、時を超えて、仏教・ブッダの教えの真理に触れる事の出来る幸せの精舎を目指す『お寺』です

煩悩 ②『瞋恚(しんに)』

2008年12月17日 | 煩悩・悪感情の分類
煩悩の三毒のうちの2つ目『瞋恚(しんに)』を紹介します

『瞋恚』は一般的に『怒り』の煩悩と言われています

それはそれで正しいのですが、もう少し掘り下げて意味を説明しますと

自分が感じた『苦』の対象に対してそれから離れたい!と願い求める『欲望』なのです

クラスメイトの○○をいじめて仲間外れにしてやりたいとか、車をぶつけられて腹が立っているとか、旦那が家事育児を全然手伝ってくれないとか、上司が大嫌いだとか、学校へ行きたくない、仕事へ行きたくない、あいつに会いたくない、夫の浮気にとても腹がったっている等など…

思い起こせば腹が立ちついつい怒ってしまう出来事

それらの『怒り』は全部『瞋恚』すなわち、それらの状況から逃げたい!と強く思う事によって起こる欲望なのです

自我(エゴ)とプライドとこだわりが強ければ強いほど、その対象・状況が嫌だ!と思う『瞋恚』の事柄は多くなります

そういう人ほどいつも怒っています

そんな人は自分自身がとても不幸でかわいそうな人間だという自覚を持つことはできません

自分自身が持っていることにも気付かない『怒り』は癌のように心をむしばみ続けます

『瞋恚』の煩悩を持った人の周辺は目に見えない大火事で、多くの人々の不幸を招いているでしょう

子どもの時代に『瞋恚』という心の中の煩悩を刺激され続け心の中の『怒り』が大きく育った人もいれば、生まれ持って『瞋恚』が強い人もいます

親や先生は子供に対して『瞋恚(怒り)』を育てるような関わりは禁物です

子どもの怒りからくる様々な問題事件が最近多いでしょう

あれは自分の心の感情・煩悩をコントロールするすべを全く知らない、『瞋恚』を大きく周りの人たちに育てられた子供が必然的に起こした、起こるべくして起こった出来事です

まぁ世の中におこる様々な問題の数々、それは全て煩悩・人間の悪感情が引き起こした問題です

その煩悩の来るところを正しく見極め、改善していく

その為に心の仕組み、その中でも煩悩・悪感情・悪魔を知ること

『瞋恚』は大きなストレスになりますから、心にも体にも大きな悪影響をもたらし、生きる苦しみと寿命を短くするのに貢献しているとんでもない『煩悩』です

だから『瞋恚』は早急に減らしていくべきです

そのような学びをブッダの智慧で、各個人個人が深めていきたいものです