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黒執事 第11巻

2011年03月10日 | 黒執事
第9巻から続く事件が完全決着となる今巻。
一つ忠告するならば、真面目なミステリーを期待する人は読んじゃダメってことですね。
黒執事とは、こういう漫画だって割り切れる人でないと…というくらい、セバスチャンありきな謎解きでした。
私はというと大変面白く読めました。
時々陰惨な雰囲気を醸しつつ、ギャグが織り交ぜられている、というのが黒執事だと思うので、サーカス団編からずっと重苦しかった作品の雰囲気が一気に払拭された感じ。
久々に黒執事を読んで笑いました。

セバスチャンが変装していたジェレミー牧師によって一応の辻褄が合うような謎解きはありましたが、遠く離れたロンドンの公演チケットを買って2分だけとはいえ観劇し、胸や頭を突かれても死んだふりで済ませ、死体役=呼吸や脈拍も止めることが出来、変装も一瞬で…さすがにギリギリなところはあったけれど、悪魔であるセバスチャンがいなければ成立しなかったというのが何ともはや黒執事でした。
忙しいのに猫を見捨てられなかったりとか、バルド達が「セバスチャンがいなくなっても家と坊ちゃんを守れうんぬん」と熱く語ってたすぐ傍でガラスの小瓶の破片を集めてたりとか、グレイ伯爵に顔を蹴られてイラッとしてるのとか面白かった。
しかし謎解きした後に自分が人間外の存在であると仄めかしたシーンは久しぶりにセバスチャンが怖いと思わせるものでした。

そしてグレイ伯爵…というか、ヴィクトリア女王の恐ろしさ。
サーカス編で命令無視をしてしまったシエルに対して試練兼処罰を執行、そのついでに英国の邪魔になりそうな存在を消すという…
裏社会の人間がその力で表社会の者を脅かすのは重大なルール違反
それをしてしまったウッドリーが処罰されるのはともかく、特に悪いことをしていないジーメンス、フェルペスが殺されるのは…しかも罪をなすりつけられたウッドリーに対してアーサーは「何故罪のないウッドリーさんを!?」って擁護しかけてるけど、ジーメンスが英国の利益の為に殺されたこと、フェルプスがシエルの身代わりに殺されたことを非難しないのも変な話。
次から次へと信じられない話を聞かされたからかもしれないけど…
そういえばシエルが劉を呼んだのも分からないな。
自分に疑いがかかった時の身代わりとして?
しかしジーメンスにそれをなすりつけようとしてたから…捜査撹乱か単にいたずら?
更にジーメンスもシエルが女王の番犬と知っているのにノコノコと来たのも分からない。
体裁を気にする英国人は呼ばれたらよっぽどの理由が無いと断れないのか、行かざるを得なかったのか。
…と真面目に考えたらダメだっていうのに考えてしまうのでした。

さて予定外のフェルペス殺しの犯人は蛇でしたが、それはノアの方舟サーカス団のスネークがシエルに恨みを持った故の犯行でした。
彼らがサーカスに入団した後すぐに姿を消したらジョーカーたちも姿を消した…ということになれば確かに怪しいのですが、証拠もなしに殺そうとするなんて…恐ろしい子!!
異質なものを見る目で見られた彼を温かく迎え入れてくれた人たちが殺されたと思えば激情に走るのも仕方ないのでしょうが。
根が純粋な為にシエルの嘘も方便に騙されジョーカーたちが子どもを誘拐していたというデマを証明する為、ジョーカーたちの行方を探す為にファントムハイヴ家に仕えることになったスネーク。
いつか真実を知った時、また敵対するのかな。
ここで久しぶりのソーマとアグニの暗殺者を対象者にご丁寧に送ってあげる天然さに笑った。
良い人なんだけど…アグニが付いていながら、と呆れるよね。

さて新章突入ということで舞台はアメリカ!!…に行く途中の洋上。
まぁしかしひょっとしたらアメリカでも事件に巻き込まれる可能性はあるかも?
ここでエリザベスに対して優しいシエルが見れて凄く嬉しかった。
一応今までだって愛情はあるように見えてたし、普段から優しくそれなりの行動をしてたと思うんだけど、恋愛感情でというよりは貴族の義務だからって自分に言い聞かせてた感じがしてた。
それがセバスチャンという第三者の目から見てシエルが「ニヤニヤしていた」というのは、かなり重要な指摘だと思うんですよ。
そう言うセバスチャンがニヤニヤしてるのもツッコミどころですけど。
そしてそして今回の注目は死神ロナルド・ノックス!!
と言いたいのですが、個人的にはエリザベスの父親とお兄さんの登場です。
うぃき先生によると英国の貴族序列はちょっと特殊らしいので完全に当てはまるわけではないのですが、まぁ妥当に公侯伯子男であろう、ということでエリザベスの家ミッドフォード侯爵は伯爵のシエルよりも上位なんですね。と前もどこかで書いた気がする。
初登場のコマの紹介文でエドワードが“公爵”になってるので第二版は修正されるかな?
おそらく後継者としてお兄さんがいるだろうなとは思っていたんですがエドワードお兄様、兄馬鹿ですか…(・∀・)イイネ!!
シエルにエリザベスのエスコート役を取られたこととかにギリギリしてるの面白い。
容姿も結構格好良いし(「Pandra Hearts」のエリオットに似てる)、良いなぁ好きだなぁ。
しかも父親のアレクシス・レオン・ミッドフォード侯爵は可愛いもの好きなところがエリザベスそっくりで「久しぶりだな未来の息子よ!!あいかわらず かわいー」とシエル大好きらしいのが面白い。
スネークの肌について何も反応が無かったのかと思うのですが、フランシス叔母様によってセバスチャンとスネークはオールバックにされているので会話してないはずは無く、他の貴族たちの反応をわざわざ描いているということは、エリザベス達は変わった肌だなぁくらいの感覚で普通に接したってことなんだろうな。
シエルに深く関わる人たち(しかも一般人)が見た目で判断するような人たちじゃなくて嬉しい。
次巻予告で今回シエルが調査してる事件にエリザベスが巻き込まれるようなので、そこをスネークが助けるのかも?と思ってる。
死んだはずのセバスチャンが蘇るという事実を経て、今回の事件に移行するって良い流れですね。
悪魔のセバスチャンですら解りかねる存在という死者を量産する暁学会の目的とは…!?
ゾンビ量産じゃなくて今回は失敗というんじゃないよね?



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