理系母の療育と自閉症児の成長の記録

3歳半で自閉症スペクトラムと診断された息子。タブレットやデジカメなどを使った家庭の療育で約3年でDQ57からDQ97へ。

過去の出来事を話す練習 目指せ!ほうれんそう(報告・連絡・相談)1

2017-10-19 11:39:11 | 発達障害

家庭で療育を始めて1年弱,息子の言葉も徐々に増え,発達検査の数字も上がってはいきましたが,依然として困った問題もありました。

それは過去の出来事や経験について話すことができない,という問題です。

その対策として,ここでは絵日記を使った療育を何回かにわけて紹介していきます。途中経過や試行錯誤をすっとばして実際にうまくいった例やテンプレートを見たいという方は「過去の出来事を話す練習 目指せ!ほうれんそう(報告・連絡・相談)2」へお進みください。

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保育園で年中クラスになったころ(4歳6カ月ごろ)の息子は,コミュニケーションボードやデジカメを使った語りかけを通じて直近の予定や互いの希望を伝えられるようにはなっていたのですが,「昨日○○行った」だとか,「○○したことある」といった,過ぎてしまったことについての会話がなかなか成立しませんでした。


保育園では0〜3歳クラスくらいまでは,保育園と家庭の間で連絡帳をやりとりしてその日の様子や大事な連絡などの情報を共有できるのですが,年齢が上がると園からの連絡は必要な限られたものだけになり,園での子どもの様子を知る手立てがなくなります。


健常児であれば子どもがしゃべって親に伝えられるようになるので,園が詳細な情報を連絡帳に書き込む必要はないのですが,息子が保育園であったことを自ら話してくれることは皆無でした。


それでも保育園に通っているあいだは,お迎えの時に保育園の先生と直接話をする時間が多少なりともとれるので,それでどうにかなるのですが,就学後,特に普通級に通うとなれば,「ほうれんそう(報告・連絡・相談)」ができる必要があり,そのためには過去のことについて話す能力が必須です。

 

当時の息子は,お出かけから帰った直後ならどこに行って何をしたかを答えることはでき,時間がたってしまったことについても写真などを見せれば一言二言話すことはできていましたが,何の手がかりもない状況で「この前さ〜」とか「昨日ね〜」と話かけてもノーレスポンス。そもそも過去のことについて会話をするといった概念すらないようなので,抜本的な対策が必要でした。そこで考えたのが絵日記です。

 

夜寝る前,息子がその日の出来事について会話ができるうちに,一緒に話をしながら私がその内容を簡単に絵に描き,翌日それを見ながら息子が保育園の先生*と一緒にお話をする,というのを日課にしました(4歳7カ月〜)。


まずは,過去の出来事や経験を親以外の人と話すことの大切さ・おもしろさに気づいてもらうのがねらいでしたが,将来的に「ほうれんそう」ができるようになってほしいという思いから,情報を伝える上で重要になる「いつ・どこで・だれが・何をした」が言えるようにと,それらがわかる簡単な文章も書き添えました。


また,このころ息子は月日や曜日の概念がなかったので,月々のカレンダーもつけて,日記を書くときに「今日は○日○曜日」と息子に見せながらチェックをいれました。

 

さらに,保育園の先生ともっと情報を共有し,連携を取れるようにするため,保育園からの連絡欄も追加しました(4歳8カ月〜)。

 

この絵日記を始めて最初の数カ月,親の思いも虚しいほどに,息子が保育園で絵日記の内容を先生に話すことはほとんどありませんでした。私と一緒に話して絵を描いているときはそこそこ反応があるのに,次の日いくら先生が絵日記を広げて誘いかけても無視される日が続きました。


最初の絵日記は保育園の先生と私の交換日記のようなものになってしまいましたが,それでも続けないことには息子が成長することはないと,絵日記を続けました。


休日はお出かけしたり,お友達と遊んだりしたことを絵に描き,平日であればその日に見たDVDのイラストや,息子ががんばったお手伝いの内容や家族のことなどを地道に描き続けました。

 


そのかいあってか息子は4歳10カ月ごろになってようやく,絵日記のことを先生と話すようになりました。

 

過去のことについて話す練習が可能になってきたところで,私としては「いつ・どこで・だれが・何をした」を伝えるための訓練をしていったほうがよいのではないかと考え,月1回通っていた言語訓練の先生に相談したのですが,先生の意見は違っていました。

先生はレッスン中の息子の言語能力から判断して,息子は単語レベルでの語彙は増えてきているけれど,単語と単語をつなげて文章を作る力がまだ弱い,なのでまずは息子が発した断片的な単語をつないで大人が文にして返してあげる方がよいというご意見でした。

 

すごくもっともだったので,日記の「いつ・どこで・だれが・何をした」という項目をやめ,かわりに息子にもっと耳を傾け,息子が発した断片的な言葉(「さかなつかまえた,いっぱい」など)をつなぎ,助詞もちゃんと入れて「今日は魚をいっぱいつかまえたね」と返すようにしました。保育園の先生にも同じように話しかけてくださいとお願いしました。

 

過去の出来事を話す練習 目指せ!ほうれんそう(報告・連絡・相談)2に続く

 

* 保育園の先生について

息子は年少クラスまではH県K市の,年中からはS県K市の保育園に通っていましたが,どちらの保育園でも担任の先生のほかに,息子のサポート役となる「加配の先生」がついていました。先生が余分にいるおかげで私は安心して息子を保育園に預けることができ,絵日記について話すのに付き合ってほしいなどの特別なリクエストをすることができました。


その加配の先生ですが,息子をサポートするといっても常にそばにいてあれこれ指示をするわけではありません。担任の先生,あるいは加配の先生が,クラス全体を見ながら息子が集団行動から外れた時や問題行動を起こした時に適宜サポートするといった感じだったので,ほかの園児や保護者にはなぜこのクラスに先生が多いのかわからなかったと思います。


加配の制度自体は自治体(厚労省?はっきりわかりません)によるものですが,対象となる子どもや先生がつく時間は市町村によって異なるようです。ちなみに加配の先生がついた時間はH県K市では1日4時間,S県K市では全日でした。詳しくは園やお住いの自治体の保育課に問い合わせてみてください。

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