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これからMBA留学準備を開始される、あるいは開始された皆さんを留学カウンセラーが応援するブログです。

MBA留学で何を得たのか?(1)

2009-10-30 23:20:29 | 卒業生・在校生インタビュー
本日は元ReveメンバーでOwen Graduate School of Mangement at Vanderbilt Universityを2009年5月に卒業されたAYさんに「MBA留学で何を得たのか?」について語って頂きました。

   2009年5月、無事に卒業式を終え、正式にMBAホルダーとなりました。MBAを目指してからだと本当に長くも感じますが、渡米してからの2年間は本当にまたたく間に過ぎてしまいました。MBAホルダーになった現在の私と、渡米前の二年前の私とでは、なにがどう変わったのか、なにを得ることができたのか。ビジネススクールにいる間は、時間のスピードに飲み込まれないようにすることに必死で、振り返ることもできませんでした。今、卒業式も終えましたので、じっくりと振り返ってみたいと思います。
   第一に、実際にビジネススクールのクラスで学んだことについて考えてみたいと思います。まず、一年目の最初にコア科目で、ビジネス全般の必要なスキルについて学びました。のちのちの選択科目の学習にも必要なことを学ぶので、やはりコア科目とはいえ、手を抜くことは許されません。私の場合、正直に言うと、後になって、もっとコアの授業でしっかりやっておくべきだった思うことが何度かありました。私の専攻はマーケティングとファイナンスとしました。この2つを専攻とした理由は、留学前に商社で営業をしていた私にとって、マーケティングは卒業後のキャリアとして一番近いものと思っていたこと、加えて、ファイナンスは未知の領域で、この分野を集中的に学ぶことで自分の弱い部分を強化していくことができるし、ロングタームで考えたときにマネジメントとして、ファイナンスの知識は少なからず持っておく方がいいと考えたからです。マーケティングについては、特に統計の知識を活用した定量的マーケティングにおいて、重要なスキルを学ぶことができたと思っています。ファイナンスについては、自分にとっては厳しい科目もありましたが、実際に学んだスキルを繰り返しケース分析などで活用することによって知識の定着化に努め、なんとかファイナンスの全体像を掴むことができ、自信につなげることができました。
   次に、アメリカのビジネススクールで学ぶことについて考えてみたいと思います。日本にもビジネススクールがありますので、日本でMBAを取得することも可能です。日本で学ぶのとアメリカに来るのとでは、単純に生活費や渡航費用だけでもかなりのコストの差があります。私も、受験時には日本のビジネススクールについても検討したことがありましたが、私の場合、アメリカのビジネススクールにより魅力を感じました。私にとって、アメリカのビジネススクールで学ぶことの意義は何であったのか?この疑問に答えるには、やはり、同級生の存在が上げられると思います。ビジネススクールは、チームワークを重視します(若干の差はあると思いますが、どこのビジネススクールでもかならずチームワークは存在すると思います)。私の学校では、特にそうでした。アメリカのビジネススクールでは、当然のことながら、アメリカ人が主体で、日本人は世界中から集まってくる留学生の中のほんの一部です。文化背景の違うさまざまな価値観を持った人たちが集まってグループワークをするという経験は、やはり欧米のビジネススクールでないとできない経験であると思います。チームワークにおいて、自分の主張したいことをなんとか伝えて、その中で相手のことも理解していくことができる受容力なるものを鍛えることができたと思います。また、受け入れるだけでなくて、「こういう考え方をする人もいるんだ。」と、ある意味、受け流すこともできるようになったと思います。受け流すというのは聞こえが悪いかもしれませんが、チームの効率を重視する上では非常に重要で、それは、いままでの自分ではできなかったことでした。他に、教授によっても若干の違いはありますが、欧米のクラスは非常にインタラクティブですので、教授とのコミュニケーションを密に取れることもビジネススクールの醍醐味ではないかと思います。ケースディスカッションなどでも、最初は苦労しましたが、しっかりと準備をすることと、常にクラスの中でポジティブな姿勢を保ち続けることで、徐々に自分の持ち味を生かした発言ができるようになってきたと思います。
  第3に、生活について触れたいと思います。ドメスティック人間の私としては、アメリカでの生活はすべてが新しい経験の連続でした。銀行口座や携帯電話、マンション、運転免許などなどの生活立ち上げに必要なことを一つ一つこなすことで、日本とのシステムの違いなどにも気付かされて、今まで当たり前だと思っていたことが、アメリカではまったく非常識なことだったとか、驚かされることがたくさんありました。日常生活でも日本には進出していないちょっとユニークなスタイルのチェーン店などもあって、この二年間でできるだけいろんなお店を覗いてみるように努めてきました。自分のキャリアに役立つことはないかもしれませんが、アメリカで人気があるブランドやお店を見て、なぜ欧米人に人気が出るのかを考えることで日本の文化との違いを知る勉強となりました。
妻がアメリカで第一子を出産したのですが、その経験は、本当に大きかったです。医師や看護師とのコミュニケーションを通じて、アメリカの医療に携わる人たちの人間的な素晴らしさに触れることができ、また、日本との医療システムの違いも勉強することができました。また、同級生たちが出産前にもベビーシャワーといってパーティを開催してくれ、出産直後に病院まで赤ん坊を見にきてくれる同級生もいました。彼らは、出産、子育てという大きなテーマに立ち向かう我々に大きな力を与えてくれました。ビジネススクールに行きながら、しかも異国の地で出産、っていうのは非常に大変だと思われがちでしたが、こちらではまず新しい命を授かるのは素晴らしいことだという考えが前提にあって、親類だけでなく友人、または通りすがりの人までもサポートしようとしてくれる人がたくさんいて非常に有り難く、すばらしいことだと思いました。
   最後に、キャリアについて考えてみたいと思います。Class of 2009は、入学前と卒業後の経済情勢は、まったく異なるものとなってしまいました。このような大きな経済情勢の悪化の波に飲み込まれかけた私の経験から思うことは、ありとあらゆる可能性を考えながらあきらめずに行動を継続していれば、なんらかの方向性は必ず見つかるだろうということです。実際に、私もいろんな方向性でのキャリアパスを検討してきましたが、その一つ一つに学校のキャリアセンターのスタッフと教授たちが的確に(時には厳しい)アドバイスをくれ、また、推薦状を書くことを申し出てくれるなど強力なサポートをしてくれました。そのおかげで、自分としては満足のいく結果を導くことができたと思っています。ビジネススクールの同級生たちは、この未曽有の経済悪化の中でも「そのうちよくなるよ。」という楽観的な姿勢を持ちながら、一生懸命に自分の将来を見つめていました。コアのマクロ経済で学ぶように、経済はサイクルするもので、10年間も不景気を経験した日本のケースが異常なのだと、アメリカ人学生を見ていると自分も楽観的に力強くなれました。順調に最初に思い描いたキャリアを一本道で行くことが理想かもしれませんが、いろいろと試行錯誤を繰り返して、その間に自分のことをもう一度しっかり見つめなおして、最終的に進むべき道を見つけることができるところも、ビジネススクールの懐の広さゆえではないかと思います。
   ビジネススクールで得たものは、卒業直後の私の思うところとしては、以上のようなものです。これらを育みさらに大きなものとできるかどうかは、これからの私の生き方にかかってくると思います。良い経験をして、MBA留学という大きな決断を結果的に成功だったと結論づけるのは、まだ少し早いかもしれません。しかし、そのことを成功に導くための自信は、ビジネススクールでの経験が与えてくれたと自負しています。

AYさん、素晴らしいお話をありがとうございました。

皆さんのMBA留学準備を応援します!
Reve Counseling
田中 元浩
WEB site http://www.revecounseling.com/
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MBA留学で何を得たのか?(0)

2009-10-25 12:33:27 | カウンセラーの声
Reve Counselingの田中元浩です。

前回お約束しました通り、これから元Reveメンバーで、今年MBAを修了された方々に、「MBA留学で得られたこと」をテーマに語っていただきましたので、それをご紹介していきたいと思います。その前に何故このようなことを考えたのかということを今日はお伝えしたいと思います。

この企画を考えたきっかけは、MBA留学をしたいと思っている方々にお話を伺っている中で、"Why MBA"を問いかけると上手く答えられない方が多いなと感じたのです。なので、これは何とかしなければいけないと思った次第です。もちろん、上手く答えられない理由は色々とあるのですが、主な理由としては「キャリアゴールが明確ではない」ことと、「MBA留学のイメージができていない」ことが挙げられます。前者はカウンセリングの中で明確にしていくことはできるのですが、後者は実際にMBA留学をした方々にお話を聞くことが重要なのです。しかし、MBA留学をした人が周囲にいらっしゃらない、あるいはいても話を聞けるのは一人程度しかいないという方々も多いので、このようにReveのネットワークを使って色々なケースをご紹介できればと思った次第です。「MBA留学で得られたことは何か?」という質問に対して、答えは一つではありません。やはり感じ方は人それぞれなので、色々な方のお話を聞く(読む)のは面白いと思います。

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田中 元浩
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ブログ復活!これからもよろしくお願いします!

2009-10-23 23:19:06 | カウンセラーの声
Reve Counselingの田中元浩です。久しぶりにブログ復活です!
実は新しいブログサイト(http://www.revecounseling.com/blog/)を作ったので、そちらに全て移行しようかと考えたのですが、アクセス状況を見ていると新しいブログの方はまさに世界中からアクセスがあるので、そちらは英語を共通言語としたブログに位置づけ、このブログを復活させ、こちらは日本語で好きなことを書いて、日本人を中心に日本語が分かる方々のブログにしていくことにしました。MBA留学準備をされている皆さん、あるいはMBA留学を考えている皆さんに有益な情報を提供できればと考えていますので、これからもよろしくお願いいたします。

次回からMBAプログラムを修了された3名のReve AlumniにMBA留学をしたことで何が得られたのかを語って頂きましたので、3回シリーズでご紹介していきたいと思います。お楽しみに!

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