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火山角礫岩(volcanic breccia)

2012年02月15日 | 地質・地形・地球科学
ケニア山は過去、何度も火砕流を引き起こしました。
火砕流とは英語で「pyro(火の)-clastic(破片の) flow(流れ)」、日本語でも「火山砕屑物の流れ」であり、上記の「熱雲」、「軽石流」、「岩屑なだれ」を含めて「高温のマグマの細かい破片が気体と混合して流れ下る現象」を総称するもの。 (Wikipediaより)

アフリカ・ケニア山のナロモル・ルート。
メッツステーション(通常1日目のキャンプ地)までの下部は、深い森林を登ります。そして標高3000mを超えたあたりからは、荒々しい火山地形と地質を見ることができます。

冒頭の写真もそのひとつ。直径1m近くある火山角礫を含む堆積物です。「ピクニックロック」と呼ばれる休憩ポイントで見た露頭。
ケニア山はかつては標高6千mを超える成層火山であったそう。繰り返し起こした噴火活動の結果、形成されたのが、この火山角礫岩です。

標高4000m付近から上部は、壮大な氷河地形(U字谷やモレーンなど)が楽しめ、山頂付近には実際の氷河(ルイス氷河、グレゴリー氷河など)もあります。

アフリカから戻り「ケニア山とキリマンジャロと、どっちがよかった?」とよく尋ねられました。
私の答えは「どっちも素晴らして良かったよ

山屋の私とすると、標高では「キリマンの方が上」。
一方地学屋の立場からは、単純な成層火山のキリマンジャロより、「火砕流+氷河地形・堆積物+現在の火山活動」を繰り返してきた「ケニア山の方に軍配」。

たくましい植物たちは、火山角礫岩の上に株を育て花を咲かせていました。


このピクニックロック、露頭を見るだけでも十分価値があります。


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