ブナの中庭で

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北京の大気汚染

2008年04月19日 | 環境問題
世界各国で聖火ランナーに関する騒動が起こりチベット問題も大変気になるところですが、私はそれ以上に北京の大気汚染が心配。

今年の3月9~10日、会議で北京へ行ってきました。たった2日間の北京滞在でしたが、現地のすさまじい大気汚染に咽喉、鼻、眼がやられました。はたして無事に開催できるのでしょうか。(と私が心配してもどうなるものでもありませんが。)

3月9日、快晴の関西空港を出発した飛行機からは雪に輝く山々が望まれました。日本海を渡って朝鮮半島の上空を西進、やがて中国大陸に差し掛かる頃から眼下が全く見えなくなりました。大気は暗黄土色の濃厚な層にすっぽりと覆われ、「これが本場の黄砂か」と妙に納得。



機内アナウンスはまもなく北京国際空港到着と告げ下降していきますが、黄砂・煤塵ミックスの煙ドームへ落ち込んでいくような感覚でした。空港に降り立った瞬間、鼻をつくような濃厚排気ガスの臭い。町に出てみると、広い通りの向こう側がぼやっと霞んで見える程の汚れよう。下の写真はホテルの窓から朝撮影したもの。昼間でも太陽は不気味に赤く見えていました。



この大気汚染の原因は、急速に増えた人口と車、ほとんど無規制同然だった工場排煙、家庭で今も調理と暖房に使われる練炭、オリンピックを前にしての大建設ラッシュ。さらに北方(内モンゴル)や西方(ゴビなど)での沙漠化によって飛来する大量の黄砂。

私は北京市内の同じ場所に時をおいて3回訪れていますが、ここでの変化から北京の変貌ぶりを感じていただけると思うので紹介します。
(線数は全て片側の数)
・10年前…自動車道2車線、自転車道3車線(自転車でいっぱい)
・5年前…自動車道4車線、自転車道1車線、地下鉄工事中
・現在…車道5車線、自転車道なし(自転車ごくわずか)、地下鉄完成、近くに高速道路も開通!

オリンピック期間はおそらく車と工場をストップさせて何とかやり過ごすのでしょう。しかし怖い、あの汚染大気が日々、風に乗って日本へやって来ているのですから。日本はODAで15年前、北京に日中友好環境保護センターを建設しましたが、日中間の環境分野での協力活動の重要性、ますます高まりそうです。



2 コメント

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どうなるの? (チャイカ)
2008-04-23 16:12:54
先日、オリンピックのマラソンコースの試走があり、雨にもかかわらずユニホームが黒くなったとニュースで聞きびっくりしました。これからどんどん経済発展を続けていくと、考えただけでも恐ろしくなります。日本が苦しんだ公害もでてくるのでは?中国は危機感をもっているのですか?
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環境情報コントロールの国 (Repu)
2008-04-23 20:59:33
すでに、かつて日本が体験した水俣病や四日市ゼンソクなどを上回る被害が出ています。
私がみたある都市河川は家庭排水のためでしょうか、合成洗剤の泡が厚さ1m近く水面を覆っていました。また環境調査に歩いた内モンゴル自治区の包頭市郊外の沙漠化の村では「白色汚染」が問題でした。プラスチック製の袋が風で飛ばされ枯木に引っかかり、遠目に見るとまるで白い花が満開の木のように見えるのです。
中国の環境破壊は深刻です。しかし政府の情報コントロールにより外には出ません。これが一番の問題だと思います。
そして環境教育はほとんど手付かずの状況です。
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