暁の翼

短編小説・ツイッターで呟いたネタの保管庫でございます。

誓いのキスは・・・

2018年02月25日 22時24分49秒 | ビーストウォーズネオ
ビッグコンボイ×ブレイク

そっと互いの両手を二人は絡める。見つめ合うと違いの顔は近く、吐息さえわかるくらいの距離だ。黄金色の瞳をブレイクが見つめるとその中に自分の顔が映っているのが見える。ブレイクが見つめていると、そっとビッグコンボイのマスクが開く。形の整った口がブレイクの口に触れようとした時だった。
「・・・ブレイク」
名前を呼ばれてブレイクがビッグコンボイを見ると不機嫌そうに彼はブレイクを見ていた。
「いい加減キスをする時にきつく目を閉じるのはやめろ。これじゃ嫌がってるみたいだ」
「だ、だって・・・」
頬を赤く染めながらブレイクは不機嫌にしているビッグコンボイを見つめた。
「緊張するよ・・・誓いのキスなんて・・・」
ブレイクの言葉にビッグコンボイは小さく息を吐く。

ユニクロンとの死闘を終え、セイバートロン星の復興が大分進んだある日、ガンホーでアンゴルモアカプセル回収の旅をしてきた頃から愛を育んでいたビッグコンボイはブレイクにプロポーズをした。ブレイクは喜んでそれを受け、かくして二人は結婚することになった。結婚式を行う式場も決まり、準備も粗方終わった。あとは結婚式の練習だけとなった。
「キスなんていつもしてるだろ」
呆れた顔をしたビッグコンボイにブレイクは唇を尖らせる。
「いつもやってるキスと誓いのキスは違うだろ!」
そう言ってプイとブレイクはビッグコンボイから顔を背けた。二人は式の段取りの練習をしてきたのだが、どうしてもうまくいかないものがあった。それが『誓いのキス』だった。
「そっと目を閉じればいいだけだ。何でお前はいつもぎゅっと目を閉じるんだ」
「緊張するんだよ」
ビッグコンボイの方を振り返ってブレイクは唇を尖らせながら言葉を続けた。
「このキスをしたらもう恋人じゃなくなるんだぜ?夫婦になるんだぜ?」
両手の人差し指をつんつんと突き合わせ始めるブレイクにビッグコンボイは黄金色の瞳を細めた。
「嫌なのか?」
「嫌なわけねぇだろ!ビッグコンボイが俺の旦那になるんだもん。むしろすっげえ嬉しい」
ブレイクはまっすぐにビッグコンボイを見つめるも、しばらくすると俯き、黙り込む。そして、小さな声で再び口を開いた。
「でも少し不安なんだ。俺、ビッグコンボイにとって良い奥さんになれるかわかんなくて・・・」
ブレイクの言葉は途中で途切れる。俯いて黙り込んでしまったブレイクにビッグコンボイは近付き、手を伸ばすとその身体を抱き寄せた。
「ブレイク、俺だって不安だ」
ビッグコンボイの言葉にブレイクは顔を上げる。
「お前の夫としてちゃんとしていけるのか、お前を幸せにできるのか、不安はある」
顔を上げたブレイクの頬にビッグコンボイはゆっくりと触れた。
「だからこそ、誓いのキスで誓うんだ。ちゃんとキスをして、良き夫になると。お前を幸せにすると」
ルビー色の瞳にビッグコンボイの顔が映る。ビッグコンボイに撫でられるがままブレイクは頬を撫でられていたが、こくりと首を縦に振り、ビッグコンボイを見つめた。
「ビッグコンボイ。俺も誓いのキスでちゃんと誓うよ。ビッグコンボイを幸せにする。良い奥さんになるって」
ブレイクを見つめてビッグコンボイは頷く。ビッグコンボイの胸に手を置いてブレイクはビッグコンボイを見つめてゆっくりと頷いた。
「良い式にしよう。俺達の良い門出をスタートさせるために」
自分の胸に置かれていたブレイクの手をビッグコンボイは取り、指を絡める。ブレイクはビッグコンボイの顔が近付くとゆっくりと目を閉じた。ビッグコンボイの口が触れる。結婚式の誓いのキス。その練習は今日初めて成功したのだった。


フォロワーさんのイラストに萌えて書かせてもらったもの。いつもしてるキスだけど結婚式となると恥ずかしがるブレイクとか萌えません?(爆)

「好き」という言葉

2018年02月25日 22時18分09秒 | ビーストウォーズネオ
ビッグコンボイ×ブレイク(漫画版)

「好きだ」
そう言ってビッグコンボイはブレイクを抱きしめる。

ここはガンホーのビッグコンボイの部屋。そこのベッドでビッグコンボイは先程の情事で気怠い身体を横たえさせているブレイクを引き寄せた。
「ビッグコンボイっていっつもそれだな」
笑いながらブレイクはビッグコンボイを抱き返す。
「仕方ないだろ。それしか俺の気持ちを伝える言葉を俺は知らない」
少し不機嫌そうに答えるビッグコンボイにブレイクはルビー色の瞳を細めて見つめる。

今までビッグコンボイは一人で生きてきたという。一人ぼっちで、誰からも愛されることもなく、愛すこともなく生きてきた。そんなビッグコンボイが初めて愛した相手がブレイクだった。孤独だった彼が不器用に紡ぐ言葉。いつも同じだけれど、それがとても嬉しい。小さく笑ってブレイクは両手でビッグコンボイの頬を包み込んだ。
「嫌じゃないんだビッグコンボイ。ビッグコンボイが俺を選んでくれて、いつも言ってくれるその言葉が、俺はすごく嬉しいんだ」
外されたマスクの奥にある唇にブレイクはそっと触れるだけのキスをした。
「これからも、俺に好きって言って。俺もビッグコンボイに沢山好きって言いたいから」
「ブレイク・・・」
ルビー色の瞳にビッグコンボイの顔が映る。一人ぼっちで生きていなければ、もっと沢山の愛の言葉をブレイクに言えたのかもしれない。だが、「好き」という言葉だけでブレイクはいいと言う。心が満たされる。ブレイクの髪に手を入れ、白銀の髪を撫でてからビッグコンボイは体勢を変えた。
「ああ、毎夜言うさ。だからブレイク、お前も俺に『好き』を返してくれるか?」
「うん、返すよ。ビッグコンボイのこと、大好きだもん。離れないからな、俺・・・」
ビッグコンボイに覆い被さられたブレイクは笑いながら彼の首に腕を回す。ブレイクの髪を撫でていたビッグコンボイの手は頬へと移動する。そのまま二人の唇は重なる。愛の言葉を紡ぐ口から互いの想いを送り合う。そのままブレイクは足を開いてビッグコンボイの身体を真ん中に入れ、ビッグコンボイは大きな手でブレイクの身体を愛撫する。再び身体を繋ぐために。キスの合間にブレイクの甘い吐息が漏れる。

代わり映えのない簡単な言葉。それでも二人にとっては互いの気持ちを満たすのに十分だった。


とあるツイートを見て触発されて書いたもの。漫画版ビッグ先生は独りで生きてきて、愛を知らなかったけどブレイクと出会って愛を知って不器用だけど伝えていればいいなと妄想。ブレイクもそれを知ってて受け入れていればいい

最初にキスが欲しい

2018年02月25日 22時03分00秒 | ビーストウォーズネオ
ビッグコンボイ×ブレイク

ブレイクはキョロキョロと辺りを見回す。周りには帰還したサイバトロン戦士達が家族や恋人との再会を喜んでいる。

ここはサイバトロン基地のスペースシップの駐機場。ここにたった今長期任務から帰還したスペースシップが着陸し、中から戦士達が出てきたところだった。
「ビッグコンボイどこかな?」
嬉しそうに相手と会話している仲間をかき分けブレイクは歩く。ブレイクが探す相手も例外なく長期任務のメンバーだ。

久しぶりの再会だ。早く見つけてその大きな胸に抱き着きたい。

そんな事を考えながらブレイクは着陸したばかりのスペースシップに近付く。するとスペースシップから長く伸びていたタラップに音を立てて降りてきたトランスフォーマーがいた。その相手を見てブレイクは目を輝かせた。彼こそ今回の長期任務の司令官でありブレイクの夫であるビッグコンボイだったのだ。
「ビッグコンボイ!」
大きな声をあげてブレイクはスペースシップに駆け寄る妻の声にビッグコンボイはブレイクの声がした方に顔を向ける。ブレイクはビッグコンボイがタラップを降り切る前にタラップを登り、夫の胸に飛び込んだ。
「ビッグコンボイ!」
「ブレイク」
飛びついてきたブレイクをビッグコンボイは軽々と受け止め抱きしめる。抱きしめられたブレイクはビッグコンボイの胸に顔を埋めて安堵の息を吐いた。しばらく会えなかったのだ。胸の奥から聞こえてくるビッグコンボイのスパークの鼓動にブレイクは目を閉じる。そんなブレイクの頭にビッグコンボイは手を伸ばし、ふわりと優しく撫でる。ブレイクはしばらくビッグコンボイの胸に顔を埋めて頭を撫でられていたが、やがて顔を上げて夫を見つめた。
「おかえり、ビッグコンボイ」
「ただいま、ブレイク」
にこりと笑ってからブレイクはビッグコンボイの腕の中から離れた。
「ビッグコンボイが帰ってくるって言うから夕飯頑張ったんだぜ?土産話とか聞かせてくれよな!」
そう言ってブレイクはビッグコンボイが持っている荷物を一つ持つ。そうして二人はタラップを降りて地面に立った。ビッグコンボイより一歩前を歩きながらブレイクは笑顔で夫と話をしていたが、ふと話が途切れた時、落ち着きなくチラチラとビッグコンボイの顔を見始めたその顔は心なしか赤く染まっている。妻の異変に気付いたビッグコンボイは落ち着かなくなっているブレイクに声を掛けた。
「ブレイク、どうした?」
「ん、何でもない・・・」
ビッグコンボイから目を逸らし、ブレイクは赤い頬をぽりぽりと掻く。
(どうしよ・・・)
湧き上がってきた想いにブレイクは顔を俯かせる。
(キスして欲しいなんて・・・ビッグコンボイに言えないよ)
ビッグコンボイにわかられないようにブレイクは息を吐く。久しぶりに会えたのだ。抱きしめてもらうだけではなく、キスもして欲しい。だが、家でも沢山できるのだ。何も今してもらわなくてもいいじゃないか。でも、今して欲しい。二つの葛藤がブレイクの思考をぐるぐると回る。そんなことをブレイクが考えていると、ぐいと強く後ろから腕を掴まれてブレイクは振り返った。
「ビッグコンボイ?」
「ブレイク」
自分の腕を掴んでいるビッグコンボイをブレイクは見つめる。どうかしたのか。ブレイクがそう口を開く前にぐいと身体を引き寄せられ、彼の身体はビッグコンボイの腕の中に再び収まる。そしてブレイクが顔を上げるとふわりと彼の口に暖かいものが重なった。それがビッグコンボイの唇だということにブレイクは時間がかからなかった。
「ん・・・っ」
腰を引き寄せられ、キスをされる。唐突のキスで半開きになっていたブレイクの口内にビッグコンボイの舌が滑り込む。ドサリとブレイクが持っていた荷物が落ちた。
「ん・・・」
ブレイクの腕がビッグコンボイの首に回される。自然とブレイクからも舌を伸ばして絡め合う。濃厚なキスを始めた二人に周囲はざわめきはじめる。
「はあ・・・」
長いキスからようやく解放され、ブレイクは息を吐く。そしてぼんやりとビッグコンボイを見つめていたが、自分がされていたことを思い出し顔を真っ赤に染めた。
「な、何すんだよビッグコンボイ?!」
「キスがしたかったんだろ?」
真っ赤になっているブレイクにビッグコンボイは平然と答えた。
「お前の顔にしっかりと書かれていたぞ」
ビッグコンボイに言われ、ブレイクは自分の口を押さえる。自分の気持ちをすっかり見透かされていた。それも恥ずかしいがみんながいる所でキスしてしまった。しかも濃厚なものを。動けなくなっているブレイクにビッグコンボイは落ちた荷物を肩に掛けた。
「早く家に帰るぞ」
歩き出すビッグコンボイにブレイクは無言で隣を歩く。恥ずかしいことをしてしまった。でも、したかったことができて、嬉しくないと言えば嘘になる。そっとブレイクはビッグコンボイの腕に己の腕を絡ませる。しばらく歩いてからブレイクはビッグコンボイを見つめて口を開いた。
「ビッグコンボイ」
「何だ」
「家に帰ったらもっと沢山キスして・・・」
妻からの願いにビッグコンボイはブレイクの方を見る。ブレイクはビッグコンボイとちらりと目を合わせてから恥ずかしそうに目を逸らす。

可愛いらしい妻。そんな妻が愛しくてしょうがない。

笑いながらビッグコンボイは口を開いた。
「ああ、沢山してやる。それ以上のこともな」
ビッグコンボイの言葉にブレイクは再びビッグコンボイを見つめ、目を見開いてからこくりと小さく頷いた。マスクの下でビッグコンボイは笑い、ブレイクは顔を赤く染めたまま家路を急ぐ。今夜は妻の料理を食べながら長期任務での出来事を話そう。そして夜は離れていた時間を取り戻すくらい濃厚な夫婦の時間を紡ごう。そんなことを考えるビッグコンボイの足取りは少しだけ早くなる。

何も言わなくてもわかる妻のこと。それは妻を深く愛している夫の証。

任務でしばらく会えなくて久しぶりに会えたら温もりが欲しいと思うんですよね。甘えたくて、抱きしめて欲しくてキスもして欲しくてモヤモヤするブレイクのことなんかお見通しのビッグ先生