心理士の子ども発達支援

発達や療育、教材の紹介

療育における迷路の役割

2023-10-27 14:56:25 | 療育:迷路

療育を始めるお子さんでクレヨンや鉛筆を持ったことがない、

持つのを嫌がると言うことが多いです。

保育園でもクレヨンを持ちたがらなかったり、お絵描きに興味を示さず、

活動に参加しなかったり、クレヨンを持つ機会を逃しているようです。
 
 
運筆の第一歩は、殴り書きやぐちゃぐちゃ書き、
 
そのうちに線や○を書いたり、グルグル書きをしたりですが、
 
療育を受けるお子さんは、そんなに順序通りには、取り組んでくれません。
 
↓楽しそうな教材を用意して、「雨降らせてみようか!雨ザーザー書いてみようか!」
 
 
と促しても、ほとんどの子が興味を示しません。
 
「そんなもの書いてどうする」と言わんばかりの顔をします。
 
丸いアメ玉やシャボン玉をすすめても同じです。
 
シャボン玉の経験もなく知らない子もいます。
 
 
しかしながら、書き遊びをするということは、
 
空間的性質や空間関係の理解につながり、
 
将来的に文字を書くことをはじめ、様々な描きの一歩となるため、
 
クレヨンなどを持てるようにしたいものです。
 
そんなクレヨンなどを持ちたがらないお子さんに
 
おすすめしたいのが『迷路』です。
 
迷路は、なぜかすんなりと取り組んでくれることがほとんどです。
 
もちろん、上から下に、左から右にのように、
 
一直線に駆け抜けるだけですが、してくれます。
 
↑迷路を子どもの方に向けて
 
「虫さんの口から入ってお尻にから出るよ!」と見本を示します。
 
その後すぐに同じものを子どもの前に置き、してみるように促します。
 
上手に駆け抜けます。
 
沢山ほめます。
 
このような簡単な迷路を多い場合は、療育の度に8つほどします。
 
必ず出来るものを用意することがポイントですが
 
興味を持ってもらえるように
 
その子が好きなテーマのものを用意することも大切です。
 
車、電車、恐竜、おばけ、虫、食べ物などなど
 
季節感も大事にして取り入れています。
 
 
では、クレヨンを持つことや運筆練習を嫌がっても
 
迷路だとなぜしてくれるのでしょうか?
 
スタートとゴールがあることで、
 
何かしらの出来た感、達成感が味わえるのでしょうか?
 
ゲーム感覚が味わえるのでしょうか?
 
正解が見えるからでしょうか?
 
本当のところは、わかりませんが、
 
子どもたちが楽しいと思えて、出来ると感じる自信がつき
 
次へのやる気につながることに間違いがないようです。
 
その結果、様々な能力が発達します。
 
毎回しているうちに段々と複雑なものが出来るようになり、
 
先を見通す力が付きます。
 
目と手の協応動作も発達します。
 
クレヨンなどを持つことに積極的になり、
 
書き遊びにもつながります。
 
迷路の幅も狭くなり運筆力も付きます。
 
条件迷路や順番迷路、立体迷路など
 
色んなパターンのものが出来るようになり、認知も向上します。
 
迷路が上手になるにしたがって、そのテーマに関連付けて
 
話題を膨らませたり、コミュニケーションの1つになります。
 
着席のきっかけとなり定着もします。
 
その他の療育課題へのやる気にもつながります。
 
このように療育における迷路の役割は絶大だと感じています。
 
 
 
 

好きなことから始める療育

2023-10-16 13:39:48 | 療育

療育を必要とするお子さんは、年齢も特徴も様々です。

発達状況と特徴に合わせて課題設定をしたとしても

それに沿って、こちらの提示通り、指示通りに

課題を進めることが出来るお子さんは、ほとんどいないように思います。

 

療育を行うに際して、大切にしていることは、

お子さんにとって療育の場が嫌な場所じゃないこと、

また次も来てもいいかもと思ってもらえる場所にすることです。

そのために、お子さんがどんなことに興味があり、どんな遊びが好きかなど

保護者から情報を得ながら準備をします。

 

電車が好きなら、電車やレールを用意します。

着席出来ることも大きな課題の1つのため、机の上に用意します。

子どもは、喜んで椅子に座り机に向かいます。

もちろん、一式抱えて床に持って行く子もいます。

窓枠で走らせたい子もいます。

自分一人の世界を楽しみたいのでしょう。

そんな時は、その気持ちを受け入れて、

指導者が床や窓際に行きます。

子どもにとっては、来てくれなくてもよい、邪魔者ですが

何がしたいのかな?どうしたいのかな?と考えなが黙って側で見ています。

その期間は、数分かもしれないし、数日かもしれません。

それは、その子によって違います。

 

少し参入可能な様子が伺えたら、子どものストレスとならない程度に

話掛けてみたり、遊んでいるおもちゃを触ってみたりします。

それに対して、声をあげて怒ったり、手で手を払いのけたり、背を向けてガードしたり、

場所移動したり、遊びをやめてしまったりと反応は様々です。

こんなことを何回か続けていると、やがて、勝手にどうぞと言う感じで

こちらの存在を無視するようになります。

この無視が信頼関係の一歩であり、遊びに参入することを許してくれた証拠だと思っています。

 

その子に何か好きなことがあるというのは、とても助けになります。

好きな遊びをするために療育に来るというのでいいと思います。

子どもの気持ちを受け入れることを大切に

慌てることなく、じっくり、ゆっくり関わり、

徐々に目標とする課題に取り組めるように発展していければいいと思います。