黒い夢 白い夢

真っ暗な中を歩いていく

目に見えるものはなにもない

ただ

下を向いて歩いていく

自分の中の感情だけを

自分の痛みに感じながら



激しい痛みにつまづきそうになり

熱い痛みに悶えそうになり

冷たい痛みに涙を流して


ただ…真っ暗な中を

一人で歩いていく




ふっ……と

何かが手に触れる




真っ暗で何も見えないのに

何かが

手に触れる





なんだろう？

この感触は…？




思わずつかんでいる自分





冷たいような…暖かいような…





反対の手にも何かが触れる





思わず握りしめる





だんだんと……

回りが白くなっていく



明るい……



目をそっと開けてみる



私の手には

小さな手がしっかりと繋がれていた



私を頼りながら
私を守ってくれる


小さな手がふたつ





ああ

私は一人じゃなかった



私は目をつぶっていただけ


回りを見なかっただけ



私の回りは暗闇じゃなかった



私の回りには
明るい光があったんだ



顔を上げると

光が目の前に広がっている



このまま

歩いていける



暗闇は後ろにある

それは私の影だ



そこには入らない




光に向かって進めば
影は私の前には来ないから



このまま

まっすぐ




前だけを歩いていこう……








そんな夢をみた。