・・・・・・・ていうか、セックスなんかこの世から無くなってしまえばいいのに、と思ってる。
私よりも10歳も年下の男友達から連絡がきて、
「今日の気分はどう?」なんて下らない質問メールが届いたせいで、
今日の気分がどうこうよりも、水に棘があるように体中で暴れるのよ、
だから不快、と答えた。
交通事故からセックスにまつわることが多くて、
私の愚痴を静かに聞いてくれる友人に、今日はちょっぴり冷たくあたる私。
いけないと、申し訳ないと思いつつも、どうしても不調だと優しさが体内から漏れ出すのか、
そもそも優しさなど私は持ち合わせていないのか・・・・・はどっちでもいい。
交通事故に遭ったときに交際していた男とは遠距離だったのと、
彼はどうしても子供が欲しいという理由で別れた。
言うまでもなく、私のこの体調では子供は産むのにリスクが伴うし、
もし仮に産んだとしても、子育て経験者のひとりの意見としては、育児などできない。
で、あっけなく別れることになった。
たとえ健康な女性との間でも子供に恵まれるか否かは天のみぞ知ることだと心の中で思ったが、
いちいち言葉にしても負け犬の遠吠えみたいで格好悪いので、
お元気で・・・・・と短く締めくくった。
その後も恋はいくつもやってきた。
でも、いつしか私の中には男と付き合えるのか?という不安が充満していて、
それがセックスにまつわることだと気付いたとき、
セックスをしなくて済む愛情関係の構築が安心に結びつくのだと自覚した。
だから、ときどきはセックスをすることになっても、それが前面に押し出されたような男とは
恋愛関係に発展しない。
理由は単純で、自分の体を思うためと、セックスが怖いからだ。
40も目前にして「セックスが怖い」などと馬鹿げているとも思う。
恋人が欲しいと思うのだから動物的観点からもメスとして発情はしているのだろうが、
今の私の体調では、セックスに体力も気力ももたないことは目に見えている。
セックスレスではなく、あえて「しない関係」もあってもいいと思うのだが、
それを理解してくれるのは、アメリカに住む前の彼のみで、
他とはその話題にすら自分でも触れないようにと気遣っている。
体内にある水分が棘になるみたいに、突き刺さってくるから血まみれになるんです。
その血は流れもしないし、目にもみえないけれど、
私は赤く染まってしまう。
だから、しないんです。