レイルホビーズ

新着情報やおすすめ本など気がむくままに綴ります。

羽幌線の表情

2011年01月26日 | ときめき
 列車は信号待ちのため、三泊でしばらく停車した。委託駅らしく、ゴマ塩

頭で背を丸めた駅長さんが、駅舎の窓越しにこちらを眺めていた。軒下には

犬小屋があって、茶色い犬が寒そうに鼻をならしている。私はそれを見なが

ら、老駅長は家族と一緒に暖かな生活をしているのかしら、それともこの犬

とたったふたりきりの生活なのかな、などと考えていた。駅舎の屋根の煙突

から出る細い煙が、風にあおられて流れていった。

          蒸気機関車の旅 羽幌線 廣田尚敬 より

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。