HELLSING 9 (9) (ヤングキングコミックス)平野 耕太少年画報社このアイテムの詳細を見る |
『ヘルシング』9巻(平野耕太)、一年四ヶ月ぶりの新刊です。
表紙は旦那と若執事。カッコいい!アマゾンに書影がないので、少年画報社の方からお借りしました。カバー下の落書きも笑えます。
でも、旦那と神父様の死闘の末の感動(「おまえはおれだ!!」「鬼が泣くな」って……ううう)を文字通りブチ壊し踏みにじるウォルター、ひど過ぎ! セラスはいい子だなあ……
神父様の最期の言葉がまた泣けます。
それ以外も、7、8巻くらいからすべての言葉が名台詞っていう感じで、ぐいぐい心を抉って来るけれど、本誌掲載時からちょっと改変された個所もあるような……?絵にも加筆や修正がはいっているみたいです。
あと、9巻収録の話で、連載時いちばん驚いたのが、少佐が人間だったこと!
そうあり続けるために──「私は私だ」を貫くために、彼はあれほど多くの犠牲を必要としたのかと思うと慄然とします。彼をも含めて、「人が人であるとはどういうことか」を追究するのが、この作品の本質ではありますが。
それにしても、「そうあれかしと叫んで斬れば 世界はするりと片付き申す」っていうのもいい言葉ですねえ。それこそがキリスト教ですよ。平野耕太さん自身キリスト教の教育を受けて来た人だと聞いたことがありますが、やはり「わかって」描いている人なんだと思います。
連載はコミックス10巻分で終わりということですが、どう決着させるのか何となく見える気もするし、そんな予想など全く裏切ってくれそうな気もするし、あれこれ考えて今から胸が苦しくなります。
外伝は読んでいないので、そちらも早くコミックス化してほしいです。
ああ、『ケロロ軍曹』(のギロロの声)を聴きながらこの作品について書いていると(ちょうど放送中だったので)、何だかヘンな気持ちになります OVAでは「あの」アーカードの声も中田譲治さんなんでしょうかね?