※ はじめまして文鳥好きなみなさん。私の家族をご紹介します。ブログ『狼の皮を被ったスイーツマン』で記載しました実話にもとづく短編小説記事「文鳥王トリスタン」(1から5話)をお送りします。わがままな白文鳥「王様」の成長記録です。今後ともよろしくお願いいたします。(狼皮のスイーツマン)
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『スイーツマン・メモリー』(第13話) / ノート20090223
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私の自宅には、8年前から同居している白文鳥がいます。その名はトリスタン。イギリス中世騎士物語に登場する主人公の名からとりました。トリスタンを家に連れてきたとき、先住者がおりました。やはり白文鳥であるところの蘭丸です。蘭丸ははじめ男の子だと思っていたら実は女の子でした。つまるところトリスタンは蘭丸のお婿さんとして連れてきたわけです。
トリスタンは、ペットショップの大きな巣籠にいて、中には他に十数羽の文鳥がおりました。白に桜にシルバー文鳥。私は店員さんにたずねました。
「さえずるこはいませんか?」
「みんな若いんで……。あ、あ一羽だけいますよ」
「そのこください」
ペットショップでトリスタンを指名したとき、店員さんが何人かいらっしゃって、その中のお一人が、
「ああ、あの白文鳥、まったくほかの鳥を寄せ付けない奴だ」
ちょっと悪い予感──でも私はすぐに気を取り直しました。
(おおっ、いい面構え。鷹のようだ。君の名はトリスタン、決めた!)
トリスタンと一緒の籠のなかには、ほかにシルバー文鳥がおりました。私はそれも欲しくなってしまいついついそのこも指名してしまいました。スマートな美しい若鳥です。いまブログで連載しております『伯爵令嬢シナモン』の原形はこのときすでに存在しておりましたので、飛行船〝シルフィー〟の名をとりました。
(同じ釜の飯を食った仲というじゃないか、仲良くするのだぞ、君たち)
こうして私は二羽の文鳥を自宅に連れ帰ったのです、これから大戦争が起こるとは知らずに……。(「文鳥王トリスタン2」に続く / ↓ 読んで下さった方は、下記「推理小説」ボタンをクリックしてください。恐れ入ります。