本編:
白呪記
闇で生きるのは苦ではない
生活するのに不便なわけでも、基盤に不満があるわけでもない
だからと言って、魔族が光を求めるのはいけない事か――

「無から生み出す事が出来なければ、光ある場所を奪い取ればいい――俺には力で奪うだけの技量がある――
ぐべはっ」

「お前は俺の口真似してまで、何を喋ってる。しかも、ラクガキはおびただしいケチャップまで塗りつけて」
作者のラクトの丸い体を長い足で蹴りつけて、床に落ちた台本を取り上げる
ソルトス王子。
目で台本の台詞(せりふ)を順に読み進めるソルトス王子は、次第に眉が吊り上がり、紫色の瞳が怒りの色に染まる。
上から目線の端正な顔が、作者の丸い体を射つくす。

「“欲しい物は奪い取れ”って、俺がそんな事言うのか?」

「う、うん。ダークな雰囲気を醸し出そうとしたら、略奪の言葉が浮かんじゃって・・・ソルトス王子はちょっと怖いけど、
カッコイイのは変わりないし・・・本物のソルトス王子は、そんな事するのか分かんないけど」

「まあ、お前がひょっこり猫を盛り上げたい気持ちは分かるが、こんなわけの分からない言葉を並べた所で、
読んでくれる人は理解できるのか?」

「む、無理かも・・・シリアスから何でコメディに変ってるのかも、他の人にはサッパリで、訳がわからないと・・・」

「面白可笑しくしてるのは、作者のラクトが存在しているからだ。お前の丸い体、間抜けな顔、無駄な長い耳、
全ての体を構築するありとあらゆる体積が、お前を奇抜な存在へと成り立たせる事くらい理解しておけ」

「ガーーン。。たたみ掛けすぎじゃね?? 私、これでもあんた達の生みの親なのに」

「ついでに言えば、お前の脳内変換についても時々腹立たしい時があるけどな。気になんて全くならないだろ?
なんせお前、都合の悪い事は次の日には綺麗さっぱり忘れているからな」

「えへへ。誉められてる?」

「(こんな所がバカなんだ・・・)そう取ってくれて構わない」
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今日はソルトス王子が、ひょっこり猫に遊びに来てくれました♪
では皆さんシーユーアゲインッ、グッバイ!
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