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元山ガールの放浪記

感動した映画とかテレビとか本とか・・・いろんな作品について、ちょっとだけマニアックな視点から、気まぐれに書いてます。

ディテールの呪術  ~「夢売るふたり」に思うこと~

2012年09月23日 | 日記
先週末、駆け込みのレイトショーで西川美和監督の最新作「夢売るふたり」を見た。
前作までは、まだ世間的にも気鋭の若手監督という扱いだった気がするが、
今回は定番の実力派監督といった感じで、宣伝も地味ながら
着実に話題を呼んでいる感がある。

自分と同年代の女性監督、ということもあり
出世作となった「ゆれる」以来、西川監督の大ファンなのだが、
何気ない日常を描くように見せかけ、それを突如怒涛のサスペンスに変貌させてしまう
脚本には、毎回本当に驚かされる。

さて、今回の「夢売るふたり」はというと・・・前2作と比べると、
ストーリーの起伏としてはやや地味な印象を受けた。

ただ、「ディテール」の冴えわたり方が半端ではない。

松たか子演じる妻は、火災で全焼した店の開店資金を得るため、
夫に結婚詐欺をさせるという仰天の計画を思いつく。
しかし詐欺が軌道に乗るにつれ、当然夫は家に戻らなくなる。
予想していたことながら、やり場のない思いを募らせ一人家で夫を待つ妻の描写が
尋常ではなくリアルなのだ。

細かいことは避けるけれど、「これはさすがに男には分かんないだろーなぁ」
という、ある意味過激な描写がたびたび登場する。
一例をあげるとすれば、妻が家で一人待つ間、生理が始まったことに気付くという場面、
本当に言葉にならないものまで描写してくる監督だ。

西川監督が「初めて女性を描く」ということで話題となっている今作。
肝心のヒロインの内面に関しては、実は見ている私たちには謎だらけだ。
しかし、それでもなお、彼女の存在が強い印象を残すのは、
生身の女としての身体性を感じさせる描写力、西川流呪術的リアリズムのなせる技のようにも思った。





眠れないので

2012年09月23日 | 日記
今さらながらブログを初めてみることにした。

「表現」に関わる仕事をしている関係で、
この手の発信は、色々制約もあるので避けてきた。
仕事や日々の生活に追われていると、心の底にある思いに蓋をしてやり過ごせる面もある。

それでも最近、自分の中に表現しきれない澱のようなものがたまってきて、
まさにいてもたってもいられない衝動に駆られることがある。
いくら「表現」するのが仕事とはいえ、様々な制約の中でやっていると、
どうしてもとりこぼしてしまう思いはあるのだ。

10年くらい前まで時代に先駆けて山ガール(当時は単なる山女)だった頃は、
それはそれで、自分なりの表現もできていたのだけど、
最近はそれもなかなか叶わない。

ということで、ブログでも書いてみるかな・・・と思ったら即効できてしまった。

別にそんなに深刻な話を書くつもりもないし、
どうせ途中で忙しくなってきて滞るんだろうけど、
自分が日々感じた沫のような思いがネットに残って、
それを誰かが読んで何かを思ってくれるなら、
それはそれで素敵だな、と思う。