先週末、駆け込みのレイトショーで西川美和監督の最新作「夢売るふたり」を見た。
前作までは、まだ世間的にも気鋭の若手監督という扱いだった気がするが、
今回は定番の実力派監督といった感じで、宣伝も地味ながら
着実に話題を呼んでいる感がある。
自分と同年代の女性監督、ということもあり
出世作となった「ゆれる」以来、西川監督の大ファンなのだが、
何気ない日常を描くように見せかけ、それを突如怒涛のサスペンスに変貌させてしまう
脚本には、毎回本当に驚かされる。
さて、今回の「夢売るふたり」はというと・・・前2作と比べると、
ストーリーの起伏としてはやや地味な印象を受けた。
ただ、「ディテール」の冴えわたり方が半端ではない。
松たか子演じる妻は、火災で全焼した店の開店資金を得るため、
夫に結婚詐欺をさせるという仰天の計画を思いつく。
しかし詐欺が軌道に乗るにつれ、当然夫は家に戻らなくなる。
予想していたことながら、やり場のない思いを募らせ一人家で夫を待つ妻の描写が
尋常ではなくリアルなのだ。
細かいことは避けるけれど、「これはさすがに男には分かんないだろーなぁ」
という、ある意味過激な描写がたびたび登場する。
一例をあげるとすれば、妻が家で一人待つ間、生理が始まったことに気付くという場面、
本当に言葉にならないものまで描写してくる監督だ。
西川監督が「初めて女性を描く」ということで話題となっている今作。
肝心のヒロインの内面に関しては、実は見ている私たちには謎だらけだ。
しかし、それでもなお、彼女の存在が強い印象を残すのは、
生身の女としての身体性を感じさせる描写力、西川流呪術的リアリズムのなせる技のようにも思った。
前作までは、まだ世間的にも気鋭の若手監督という扱いだった気がするが、
今回は定番の実力派監督といった感じで、宣伝も地味ながら
着実に話題を呼んでいる感がある。
自分と同年代の女性監督、ということもあり
出世作となった「ゆれる」以来、西川監督の大ファンなのだが、
何気ない日常を描くように見せかけ、それを突如怒涛のサスペンスに変貌させてしまう
脚本には、毎回本当に驚かされる。
さて、今回の「夢売るふたり」はというと・・・前2作と比べると、
ストーリーの起伏としてはやや地味な印象を受けた。
ただ、「ディテール」の冴えわたり方が半端ではない。
松たか子演じる妻は、火災で全焼した店の開店資金を得るため、
夫に結婚詐欺をさせるという仰天の計画を思いつく。
しかし詐欺が軌道に乗るにつれ、当然夫は家に戻らなくなる。
予想していたことながら、やり場のない思いを募らせ一人家で夫を待つ妻の描写が
尋常ではなくリアルなのだ。
細かいことは避けるけれど、「これはさすがに男には分かんないだろーなぁ」
という、ある意味過激な描写がたびたび登場する。
一例をあげるとすれば、妻が家で一人待つ間、生理が始まったことに気付くという場面、
本当に言葉にならないものまで描写してくる監督だ。
西川監督が「初めて女性を描く」ということで話題となっている今作。
肝心のヒロインの内面に関しては、実は見ている私たちには謎だらけだ。
しかし、それでもなお、彼女の存在が強い印象を残すのは、
生身の女としての身体性を感じさせる描写力、西川流呪術的リアリズムのなせる技のようにも思った。