「日本人らしさ」と「グローバルリーダー」を両立させたメンターの言葉
読むべき空気がないハイコンテンツ文化
アメリカは価値観や文化的な背景が異なる人たちが集まっています。よって、言葉で語り尽くさないとお互いの意思が伝わりにくいことが多々あります。こういったコミュニケーションの環境を、ハイ「コンテンツ」カルチャーといって、感覚的に共通するベースが低いぶん、言葉を尽くして伝えるのです。
逆に日本はハイ「コンテクスト」カルチャーといって、以心伝心、あうんの呼吸、空気を読むといったように、言語に頼らない意思疎通がかなり洗練されています。上司が言う前に察して動くことが当たり前だとか、いちいち言葉で説明しないとわからない人は高い評価が得られにくいという話も聞いたことがあります。こういう「空気を読む」というコミュニケーション文化は、ハイコンテンツカルチャーの国では通用しないため、日本人がアメリカないし海外でマネージメントをする時には気をつけなければいけないポイントではないでしょうか。言いにくいことを含めて、くどいほど語り尽くすことが必要ですし、そうしないと何を考えているか分からないと敬遠されてしまうことにもなりかねません。
私も会社の経営においては日本人らしさを大切にしながらも、コミュニケーションに関しては日本カラーが出すぎないように意識をしています。例えば、言語。ひとりでも日本語がわからない社員がいるところでは、話す相手が日本人社員であっても日本語は使いません。何を話しているのかがわからないことが不必要な不安感を生むこともありますし、リーダー自らコミュニケーションの壁をつくることになりかねません。
実のところ、会社をはじめた頃はあまり英語に自信がなかったので、話を完全に理解しきれていないことに気づかれないようにするとか、普通にコミュニケーションがとれるアメリカ人のように振る舞う努力をしていたこともありました。さすがに今はわからない言い回しがミーティングで出てきた時には堂々と質問できるようになりましたけど。
■「らしさ」出しつつ、文化は持ち込まず
様々な素晴らしい価値観をもった社員一人ひとりに才能をフルに発揮してもらうために、 アメリカで起業した経営者としてのコミットメントを行動で見せなければなりません。起業当初は自分がアメリカ社会に定着できる人間であることを示すところからはじめなければならず、必要以上に日本人らしさを消す努力をしていました。最近やっと、日本人らしさを出しつつ、グローバルマネージャーとして会社をリードすることができるようになった気がしています。眼科医や研究者から徐々に経営者としての自信がついてきたおかげか、日本人ならではの良さも発揮できるようになりました。自分はたまたま日本人としてアメリカに住みそこでビジネスをやっているだけだと考えるようになりました。会社のカルチャーの中にACUCELAのコア・コンピテンシーを根付かせるために、私自身もA・C・U・C・E・L・Aを実行してきた成果というところでしょうか(アキュセラのコア・コンピテンシー「A・C・U・C・E・L・A」は連載第12回 http://president.jp/articles/-/13710 を参照)。多様性を保ち、尊重し合う。共通の価値観があるからチームみんながひとつの目標へと邁進できるのだと信じています。
■バトルスカーの数だけ強くなる
起業した当時はあまり意識したことはありませんでしたが、ロールモデルという存在はキャリアビルディングにとても重要な役割を果たすのではないかと思うことがあります。もしあの頃の自分にロールモデルがいたら、きっとその人がやっていないことを探し当ててもっと違う挑戦をしていたかもしれない。となると今とはまた違った選択をする自分がいたのかもしれない。そんなことを考えるわけです。
私の半生を綴った「極めるひとほどあきっぽい」でも触れていますが、ロールモデルのかわりに私は何人かのメンターに出会いました。そのひとりが数年前に他界されたデイビッド・ファナング氏というバイオベンチャー業界のCEOとして有名な人物でした。彼に出会ったのは、私が企業経営者として歩みはじめた頃で、事業を軌道にのせるプレッシャーもありましたし、チームを集めることや、そのメンバーがどうすれば自分を信じてついてきてくれるのか、悩みだらけでした。
そんな私にディビッドは「どんなに傷ついても前進し続ければ、バトルスカー(戦傷)の数だけ強いリーダーになれる」と言ってくれました。彼のこの言葉は今でも忘れません。正しい努力を続ければ必ず報われる時が来る。経験したことがないことをやっているのだから傷ついて当たり前。傷つくこと自体は恐れないにしても、傷つく時はやっぱり傷つくもの。それはそれでよしとして、傷を負いながらも前を向いてがむしゃらに走り続けて来ることができました。
■自分の限界を広げる出会い
バトルスカーを負いながら学んだというか、これは大切だと思って徹底してやってきたのは、決して致命傷を負わないように、きちっとトレーニングを重ね準備をしてから立ち向かうことでした。だから周りの人には、「崖から飛び降りるようなリスクの高いことをやり続けても、致命傷を負うことなく必ず着地する人」だと言われます。プランB、プランCを用意するように飛び降りるときはバックアップ用のパラシュートをいくつも備えていますから。
前例がないことに挑戦できるのは、そこに勝算ある仮説を見いだすだけの経験に基づく直感力があってのこと。自分の能力のさらなる開拓には、積み重ねたキャリアや経験の上に、さらなる努力を続けるといういわゆる底力が必要なのだと考えています。
どんな時にメンターの存在が必要になるかは人それぞれですし、ロールモデルがメンター的な役割を果たすこともあるかもしれません。さまざまな人と出会って自分の限界を広げ続けていけば、ここぞという時によりよい選択ができるようになるのではないでしょうか。
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窪田 良(くぼた・りょう)●1966年生まれ。アキュセラ創業者・会長兼CEOで、医師・医学博士。慶應義塾大学医学部卒業後、同大学院に進学。緑内障の原因遺伝子「ミオシリン」を発見する。その後、臨床医として虎の門病院や慶應病院に勤務ののち、2000年より米国ワシントン大学眼科シニアフェローおよび助教授として勤務。02年にシアトルの自宅地下室にてアキュセラを創業。現在は、慶應義塾大学医学部客員教授や全米アジア研究所 (The National Bureau of Asian Research) の理事、G1ベンチャーのアドバイザリー・ボードなども兼務する。
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読むべき空気がないハイコンテンツ文化
アメリカは価値観や文化的な背景が異なる人たちが集まっています。よって、言葉で語り尽くさないとお互いの意思が伝わりにくいことが多々あります。こういったコミュニケーションの環境を、ハイ「コンテンツ」カルチャーといって、感覚的に共通するベースが低いぶん、言葉を尽くして伝えるのです。
逆に日本はハイ「コンテクスト」カルチャーといって、以心伝心、あうんの呼吸、空気を読むといったように、言語に頼らない意思疎通がかなり洗練されています。上司が言う前に察して動くことが当たり前だとか、いちいち言葉で説明しないとわからない人は高い評価が得られにくいという話も聞いたことがあります。こういう「空気を読む」というコミュニケーション文化は、ハイコンテンツカルチャーの国では通用しないため、日本人がアメリカないし海外でマネージメントをする時には気をつけなければいけないポイントではないでしょうか。言いにくいことを含めて、くどいほど語り尽くすことが必要ですし、そうしないと何を考えているか分からないと敬遠されてしまうことにもなりかねません。
私も会社の経営においては日本人らしさを大切にしながらも、コミュニケーションに関しては日本カラーが出すぎないように意識をしています。例えば、言語。ひとりでも日本語がわからない社員がいるところでは、話す相手が日本人社員であっても日本語は使いません。何を話しているのかがわからないことが不必要な不安感を生むこともありますし、リーダー自らコミュニケーションの壁をつくることになりかねません。
実のところ、会社をはじめた頃はあまり英語に自信がなかったので、話を完全に理解しきれていないことに気づかれないようにするとか、普通にコミュニケーションがとれるアメリカ人のように振る舞う努力をしていたこともありました。さすがに今はわからない言い回しがミーティングで出てきた時には堂々と質問できるようになりましたけど。
■「らしさ」出しつつ、文化は持ち込まず
様々な素晴らしい価値観をもった社員一人ひとりに才能をフルに発揮してもらうために、 アメリカで起業した経営者としてのコミットメントを行動で見せなければなりません。起業当初は自分がアメリカ社会に定着できる人間であることを示すところからはじめなければならず、必要以上に日本人らしさを消す努力をしていました。最近やっと、日本人らしさを出しつつ、グローバルマネージャーとして会社をリードすることができるようになった気がしています。眼科医や研究者から徐々に経営者としての自信がついてきたおかげか、日本人ならではの良さも発揮できるようになりました。自分はたまたま日本人としてアメリカに住みそこでビジネスをやっているだけだと考えるようになりました。会社のカルチャーの中にACUCELAのコア・コンピテンシーを根付かせるために、私自身もA・C・U・C・E・L・Aを実行してきた成果というところでしょうか(アキュセラのコア・コンピテンシー「A・C・U・C・E・L・A」は連載第12回 http://president.jp/articles/-/13710 を参照)。多様性を保ち、尊重し合う。共通の価値観があるからチームみんながひとつの目標へと邁進できるのだと信じています。
■バトルスカーの数だけ強くなる
起業した当時はあまり意識したことはありませんでしたが、ロールモデルという存在はキャリアビルディングにとても重要な役割を果たすのではないかと思うことがあります。もしあの頃の自分にロールモデルがいたら、きっとその人がやっていないことを探し当ててもっと違う挑戦をしていたかもしれない。となると今とはまた違った選択をする自分がいたのかもしれない。そんなことを考えるわけです。
私の半生を綴った「極めるひとほどあきっぽい」でも触れていますが、ロールモデルのかわりに私は何人かのメンターに出会いました。そのひとりが数年前に他界されたデイビッド・ファナング氏というバイオベンチャー業界のCEOとして有名な人物でした。彼に出会ったのは、私が企業経営者として歩みはじめた頃で、事業を軌道にのせるプレッシャーもありましたし、チームを集めることや、そのメンバーがどうすれば自分を信じてついてきてくれるのか、悩みだらけでした。
そんな私にディビッドは「どんなに傷ついても前進し続ければ、バトルスカー(戦傷)の数だけ強いリーダーになれる」と言ってくれました。彼のこの言葉は今でも忘れません。正しい努力を続ければ必ず報われる時が来る。経験したことがないことをやっているのだから傷ついて当たり前。傷つくこと自体は恐れないにしても、傷つく時はやっぱり傷つくもの。それはそれでよしとして、傷を負いながらも前を向いてがむしゃらに走り続けて来ることができました。
■自分の限界を広げる出会い
バトルスカーを負いながら学んだというか、これは大切だと思って徹底してやってきたのは、決して致命傷を負わないように、きちっとトレーニングを重ね準備をしてから立ち向かうことでした。だから周りの人には、「崖から飛び降りるようなリスクの高いことをやり続けても、致命傷を負うことなく必ず着地する人」だと言われます。プランB、プランCを用意するように飛び降りるときはバックアップ用のパラシュートをいくつも備えていますから。
前例がないことに挑戦できるのは、そこに勝算ある仮説を見いだすだけの経験に基づく直感力があってのこと。自分の能力のさらなる開拓には、積み重ねたキャリアや経験の上に、さらなる努力を続けるといういわゆる底力が必要なのだと考えています。
どんな時にメンターの存在が必要になるかは人それぞれですし、ロールモデルがメンター的な役割を果たすこともあるかもしれません。さまざまな人と出会って自分の限界を広げ続けていけば、ここぞという時によりよい選択ができるようになるのではないでしょうか。
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窪田 良(くぼた・りょう)●1966年生まれ。アキュセラ創業者・会長兼CEOで、医師・医学博士。慶應義塾大学医学部卒業後、同大学院に進学。緑内障の原因遺伝子「ミオシリン」を発見する。その後、臨床医として虎の門病院や慶應病院に勤務ののち、2000年より米国ワシントン大学眼科シニアフェローおよび助教授として勤務。02年にシアトルの自宅地下室にてアキュセラを創業。現在は、慶應義塾大学医学部客員教授や全米アジア研究所 (The National Bureau of Asian Research) の理事、G1ベンチャーのアドバイザリー・ボードなども兼務する。
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まあ簡単に言うとシナジーということで
1+1=2 だけではなく
1+1=3 という世界を
数理的に表現しようとしたもののように受け止められる。
1/h^n=1/f^n+1/g^n、
第一式おもしろい着想ですね。マクロ経済学のホットな話題として財政均衡主義と現代貨幣理論(MMT)の競合モデルの方程式や関数なんてものはできないのでしょうかね。
1/h^n=1/f^n+1/g^n、
第一式おもしろい着想ですね。マクロ経済学のホットな話題として財政均衡主義と現代貨幣理論(MMT)の競合モデルの方程式や関数なんてものはできないのでしょうかね。