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吉祥寺の路上強盗殺人 美容関係に進む夢断たれ

2013-03-01 21:49:59 | Weblog

吉祥寺の路上強盗 美容関係に進む夢断たれ

産経新聞2013年3月1日(金)08:05

 美容関係の仕事をするため、出身の青森県むつ市から上京した山田亜理沙さんは、最寄りの吉祥寺駅から徒歩約10分、家賃約7万円のアパートにひとり暮らし。志半ばで凶刃に倒れた悲報に、大家の親族は「感じのいい女性だったのに、なぜ…」と言葉を詰まらせた。

 埼玉県川口市内のファストフード店で約1年前からアルバイトを始め、このアパートには1月中旬に引っ越してきたばかり。真面目で仕事熱心で、高校生や大学生が多いバイト仲間にとっては、プライベートな話も聞いてくれる「お姉さん的」な存在でもあった。

 バイト歴では先輩だった女子大学生(19)は「年下の私がアドバイスしても、『分かりました』と素直に応じてくれた。『大学生なんだから、いっぱい遊んで楽しんでね』と声を掛けてもらったこともあった。『今度一緒に遊びに行こう』と約束していたのに、かなえられなくなっちゃった」と肩を落とした。

 凶行の舞台となった吉祥寺は、雑誌やテレビ、インターネットの「住みたいまち」ランキングで常に上位に入り、山田さんと同世代の若者にも人気が高い。現場は吉祥寺駅から北西に約700メートルの「吉祥寺大正通り商店会」の一角。住宅や幼稚園、雑貨店が密集し、若者に人気の衣料品店やカフェ、飲食店も多い。

 近くに住む美容師の男性(24)は「どうしても吉祥寺に住みたくて選んだが、まさか、同世代の女性が殺されるなんて考えもしなかった」と驚いた様子。

 ただ、地元住民の間では近年、治安の悪化が不安視されていた。現場周辺では、数年前から店舗の壁などにスプレーで落書きをされる被害が相次ぎ、週末には若者同士のケンカも頻繁に見られるという。昨年12月19日未明には、帰宅途中の男性が3人組の若い男に顔を殴られ、現金を奪われる被害が起きている。

 商店会では今回の事件を受けて防犯カメラの設置を検討し始めたといい、関係者は「若者がたくさん訪れて活気が出るのはいいが、まずは住民が最低限の安全、安心を確保できるようなまちづくりを考えないといけない」と強調した。


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