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大和はんに当たらんでも

2013-10-16 15:38:02 | 日記

「でも、わかってくれ。お前と同じくらい、僕は彼女達も大切な家族だと思ってる。彼女達は激戦の中、多くの姉や妹、仲間を失って戦い続けている。そんな彼女達の力になりたくて、僕は彼女達の傍にいたいんだ。だから、今はまだ、あいつらから離れられないんだ。わかってくれ???ッ!」
 翔輝の必死な叫びが届いたのか、瑠璃は沈黙したまま翔輝の手から離れ、そっと部屋を出て行ってしまった。部屋を出る寸前、瑠璃は翔輝の方を一度だけ見て、小さな笑顔を浮かべ、
「やっぱり、翔輝様はお優しいのですわね。だから、ずっとお慕いし申し上げていたんです」
 そう言い残して、瑠璃は去って行った。
 一人残された翔輝は、仰向けに倒れ、しばらく天井を見詰めていたが、そのまま眠ってしまった。疲れが出たのだ。
 しばらくし、瑠璃が戻って来た頃にはもう夢の中。瑠璃はそんな翔輝に寄り添うようにして横になり、そのまま彼女も寝てしまった。
 気持ち良さそうに眠っている二人に、神鳴はそっと毛布を掛けてやった。

 一方、終始落ち着かない様子で部屋をうろうろしているのは大和だ。翔輝が心配なのだ。しかしそれは大和だけではない。陸奥はもじもじとしているし、伊勢はずっとそわそわしている。長門も少し不安そうな顔をしている中、山城は依然無表情を貫いて、武蔵は無表情のまま資料を見ていた。
「中尉。戻って来てくれるでしょうか???」
 いつになく弱気な大和を、陸奥が一喝する。
「大和ちゃん! あなたがそんな弱気でどうするのよ!」
「で、でも???」
「でもじゃない!」
「ちょいと陸奥。いら立ってるからやってそないに大和はんに当たらんでも???」
「そんな事ないわよ!」
 伊勢の言葉を跳ね除けて陸奥は叫ぶ。そんな陸奥を姉である長門がなだめる。そんな光景を金剛はくだらなそうに見詰めている。
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「でも、本当に戻って来るのかな?」
 日向の言葉に、再び場は沈黙する。
「あの瑠璃って子かなり強引そうだからね。あの中尉で抗えるかな」
 日向の意見はもっともだった。日頃の彼を見ればそのような心配をするのは至極当然だ。
「大丈夫です! 中尉はやる時はやる方ですから!」
 どこからそんな根拠のない自信が湧いて来るのか不思議な陸奥。
「そうそう。長谷川君ならきっと大丈夫よ」
 陸奥の意見に賛同し、それを援護する長門。そんな二人の意見に希望を抱く他数名。
「まぁ、今の俺らにできるのは待つ事だけだ。あいつが戻って来るのを」
 意外と落ち着いている榛名。そんな榛名をまたあの女がからかう。
「あら、恋する乙女は愛する人を信じて待ち続けるのね。愛があればこそできるのよね。うらやましいわぁ」
「だからッ! 俺は別にあいつをそんなふうには――」
「あらあら、顔真っ赤よ」
「うっるせえええええぇぇぇぇぇッ!」
 再び恐怖の鬼ごっこが開始され、一同しばしそれを観戦する事にした。
 その時、榛名がへばったところでドアがノックされ、「失礼します」というか細い声がし、部屋の中に一人の水兵の少女が入って来た。前髪が少し長く、瞳を隠したような出で立ちは彼女達独特の特徴だ。彼女の名は伊号第二五潜水艦。潜水艦『伊‐二五』の艦魂であり、極上幹部会隠密部の副部長をしている。そんな彼女は潜水艦艦魂の中では特異な存在で、潜水艦の中でも五本の指に入る英雄である。
 彼女は大和や翔鶴、瑞鶴とほぼ同時期に生まれ、当時の日本潜水艦技術の結晶であった。そんな彼女が英雄扱いされるのには理由がある。
 ――彼女はアメリカ本土を唯一空襲した潜水艦なのだ。
 日本の潜水艦は他国の潜水艦と違って水上機を搭載し、策的範囲を飛躍的に向上させ、敵艦を発見するとすぐに攻撃に転ずる戦法を使用

叢雲(むらくも)も戦死

2013-10-14 14:54:51 | 日記
ができ、戦闘は終わった。しかし第一次挺身部隊の受難は続く。
 帰還中、敵機の攻撃を受けて駆逐艦二隻が犠牲(うち一隻は輸送作業を終えた駆逐艦)となった。
 結局、この海戦で第一次挺身部隊は重巡洋艦『古鷹』、駆逐艦三隻沈没。『青葉』大破。『衣笠』小破という壊滅的な被害を受けたのに対し、米巡洋艦部隊は駆逐艦一隻沈没、軽巡洋艦一隻、駆逐艦一隻大破。重巡洋艦一隻小破に留まった。
 五藤司令官は最期まで敵艦隊を友軍艦隊と思い続け、「バカ者! バカ者ッ!」と悔しそうに叫びながら絶命した。
 第一次挺身隊は壊滅し、撤退した。
 日本海軍は絶対の自信があった夜戦において、米艦隊に完膚なきまでに叩き潰されたのだった。
 これが、サボ島沖海戦と呼ばれる海戦である。

 十三日の朝、第二次挺身部隊に悪い知らせが届いた。それは先のサボ島沖海戦により先遣隊である第一次挺身部隊が壊滅したというものだった。

「ふ、古鷹が死んだッ!?」
 第一次挺身部隊が壊滅したという報告に榛名は驚愕して叫んだ。
「ああ、他にも吹雪、夏雲(なつぐも)、叢雲(むらくも)も戦死。青葉が重傷に衣笠が軽傷。原因は五藤存知司令官の敵艦隊を味方艦隊と誤認した事だそうだ」
 金剛は報告書の重要部分だけを読んだが、それは頭の痛くなる状況だった。
「ふ、古鷹がhttp://www.t825.com
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 榛名は愕然と椅子に座り込んだ。
 古鷹は重巡洋艦の最古参という事もあって榛名達とも付き合いが長い艦魂だった。
 仲間の死に愕然とする榛名に対し、金剛は報告書を最後まで読むとため息した。
「まさか先遣隊が壊滅するとは???これは予想外だな」
 金剛はそう言うと、目をつむって沈黙した。
 会議室には不気味な沈黙が舞い降りた。
 誰もが口を開ける事をためらい、沈黙に拍車を掛ける。
 このすさまじい気まずい雰囲気を打破できるのは相当な自信を持っている者か、単なるアホかしかいない。
「飛鷹、お腹空いたぁ???」
 そう言ったのテーブルに突っ伏しているツインテールの少女――隼鷹だった。
 空母『飛鷹』と『隼鷹』は護衛の為に参加していた。
「ね、姉さん???ッ!」
 慌てて飛鷹が隼鷹の口を塞ぐが、すでに時遅し。
 先程まであった緊迫した雰囲気は吹き飛び、所々から笑いが起きる。そんな中、飛鷹と榛名は頭を抱え、当の隼鷹は「お腹空いたぁ???」と繰り返す。
 一方、金剛はそんな部屋の雰囲気に対しいつものように不機嫌そうな顔をする。
「とにかく、我々の目的はヘンダーソン飛行場を砲撃する事。その一点に絞られる。各員は先の通り行動するように。以上」
 金剛がそう締め括ると、会議は終わった。
 五十鈴や駆逐艦が帰る中、金剛はそっと立ち上がると隼鷹に近づく。
「す、すみませんッ! 姉さんには私がちゃんと言いますからッ!」
 妹より頭ひとつ大きい飛鷹は必死になって金剛に謝るが、金剛は歩みを止めず、隼鷹の前に立つ。
「おい」
「ほや?」
 金剛に声かけられたのに、隼鷹は起立も敬礼もせず顔だけ向けただけだった。その行為はあまりにも失礼であった。
「ね、姉さんッ!」
 飛鷹があわあわと慌て、榛名は苦笑いした。
 金剛はそんな隼鷹をじっと見詰める。そして、
「これでも食べろ」
 そう言って差し出したのは、出撃前に比叡が持たせたクッキーだった。
「うわぁ???ッ!」
 目をキラキラさせる隼鷹に対し、榛名は驚き、飛鷹はパニくる。
「そ、そんなッ! 金剛さんからこのような物をもらう訳には???ッ!」
「構わん」
 金剛は無表情で言った。そんな彼女に飛鷹は「すみません、本当にすみませんッ!」と何度も何度も頭を下げた。
 一方の隼鷹は「いっただきまぁすッ!」と嬉しそうにクッキーを頬張

それが信長だ

2013-10-08 13:09:52 | 日記
それは信長も同じだ。彼は早めに寝てまだ夜の刻に起きた。実は彼は禅僧の様にあまり寝ないのだ。
 起きてすぐに具足を着けてだ。彼は本陣において言うのだった。
「寝るとかなり違うのう」
「そうですな。少しとはいえ寝るとです」
「随分と楽になります」
 森と池田が彼の言葉に応える。本陣もかがり火で照らされている。
 そのかがり火の中でだ。二人は信長に言う。
「それがし達も少し寝ましたが」
「かなり違いますな」
「夜通し起きるのは仕方ない時以外は避けるべきじゃ」
 信長は確かな顔で言う。
「それこそ三虫が出る様な時以外はな」http://www.cnqxw113.com
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「では夜襲等の時もですか」
「そうした時においても」
「寝ないでふらふらしていて夜襲が出来ると思うか」
 信長がここで問うのはこのことだった。
「どうじゃ。それはできるか」
「いえ、それはどうも」
「難しいかと」
「起きるだけでも中々しんどいのじゃ」
 夜は特にだというのだ。人は夜に休むものだからだ。
「だからじゃ。少しでも寝ることじゃ」
「そしていざという時にですか」
「備えるのですな」
「そういうことじゃ。それでじゃ」
「こうして休みですか」
「攻めるのですな」
「そうじゃ。あとは久助次第じゃな」
 彼が城攻めを任せただ。その彼次第だというのだ。
「さて、どう動くかのう」
「それが問題ですな」
「果たしてどう動くかです」
「あ奴もやる者じゃ」
 そういう者でなければ最初から用いない、それが信長だ。そしてそれと共にである。彼は一度用いた者は裏切りでもしない限り決して追い出したりはしない。だからこそ家臣から忠誠心を捧げられてもいるのだ。
 その彼がだ。また言うのだった。
「だから任せるのじゃ」
「では今にもですか」
「城攻めとなりますか」
「いや、今はない」
 夜襲はないというのだ。
「この時はな」
「では何時攻めるのでしょうか」
「夜でなければ」
「夜でなければならんということもない」
「!?夜でなくともよい」
「そう仰いますか」
「そうじゃ。夜に攻めねばならんと誰が決めた」
 信長は驚く二人にさらに言ってみせる。
「別に他の時でもよいではないか」
「確かに。言われてみれば」
「それは」
「そうじゃな。夜でなくともよいのじゃ」
 攻めるのはだ。特にだというのだ。
「朝でもな」
「朝でもですか」
「そして昼でも」
「今敵は夜襲を警戒して身構えておるわ」
 信長はこのことも指摘した。
「そこにわざわざ攻め込むこともあるまい」
「確かに。それはその通りですな」
「身構えている相手に攻め込んでもそれは奇襲にはなりませんな」
「戦は相手の虚を衝くものじゃ」
 孫子の言葉をそのまま言ってもみせる信長だった。
「だからじゃ。久助はここはじゃ」
「攻めませぬか」
「まだですか」
「うむ。今は我等も待つだけでよい」
 休みながらだ。そうしていいというのだ。第八十七話 朝攻めその六

「そうしようぞ」
「だからこそ殿もお休みになられましたか」
「先程まで」
「寝たぞ。ではじゃ」 
 それでだというのだ。信長はここで傍に控える小姓達に述べた。無論彼等も交代で休ませている。そうして英気を保たたせてもいるのだ。そのうえでだった。
 彼は森と池田、そして生駒達にだ。こう言った。
「では茶じゃ」
「茶ですか」
「ここで茶を飲まれますか」
「茶はよい」
 茶好きらしい言葉だった。まさに。
「あれを飲めば目が醒めるわ」
「ですな。あれは飲めば目が醒めます」
「そして元気が出ます」
 森も池田も知っていた。そのことはだ。
「では茶を飲みですか」
「そのうえで」
「朝を迎えるぞ。ついでに腹ごしらえじゃ」
 飯も食うというのだ。ここでだ。

艦魂達が集まっていた

2013-10-04 16:20:40 | 日記
ていた。そりゃあそうだろう。これだけ付き纏われれば誰だってくたくたに疲れるだろう。だが、扶桑は疲れた様子もなく義妹である伊勢に抱き付く。
「いやーん。かわいい、かわいい伊勢ちゃん!」
 扶桑は嬉しそうに伊勢の頬に自分の頬をこすり付ける。
「お、お姉さん???ッ」
 もう抵抗する力もないのか、されるがままになっている伊勢を見て、日向がにこにこと笑顔をしていた。
「あー、またお姉ちゃんと扶桑お姉ちゃんがじゃれ合ってる」
「いや日向、じゃれてへんや。むしろ助けてぇな」
 完全に高みの見物状態の日向を睨みながら怒る伊勢。そんな姉の瞳に真剣さを感じ取ったのか、日向はうなずいた。
「はいはい。扶桑お姉ちゃん。そろそろやめてあげないと、お姉ちゃんに嫌われちゃうよ」
「えッ!? それは嫌ッ!」
 日向の言葉に音速で手を放す扶桑。これが彼女の力。日向は機転の利く事をいつも言ってくれて、伊勢の対扶桑用の最終兵器である。そんな彼女はしゃべり上手でもあり、駆逐艦等の艦魂達とすごく仲がいい。
 そんな日向の姉が全艦魂キャラの中で、上位に入るまともなキャラが伊勢だ。関西弁というスキルを抜けば一番まともである。その為まわりに振り回される事が多く、損な役回りが多い。義姉の扶桑にすごく気に入られ、いつも付きまとわれる。
 その迷惑女が扶桑。義妹の伊勢が大好きで、強烈なスキンシップをする。実はSの属性があり、かわいい伊勢をいじめるのが大好きという、全艦魂キャラの中で最も困ったキャラである。
 そして、そんな扶桑の実の妹はというと、
「???」
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 部屋の隅の方で一人飲んでいるセミロングの少女が扶桑の妹――山城(やましろ)である。
 極度の無口で、常に無表情。感情を表に出さず、単独行動が多い。その為扶桑は「つまらない」と言って山城に構わず、おもしろい伊勢にちょっかいを出す。
 彼女の笑顔を見たと言う艦魂は五本の指にも入らず、扶桑もたった一回しか見た事がないというほどの無表情で、全艦魂の中で最も無口、無表情キャラだ。しかし、実は怒らすと最も恐ろしいという噂もある。謎の多いキャラだ。
 
 以上。連合艦隊主力艦魂達でした。

「ねぇ大和。その少尉ってどういう人?」
 お酒を飲んで上機嫌の瑞鶴が訊く。それに対し大和は顔を真っ赤にしながら(大和はお酒を飲んでいないのでたぶん別の理由)答える。
「どうって、すごく優しい人です」
「ほうほう、それで恋仲は進展しているか?」
「な、長門さん!?」
 いつの間にか長門を始め主力艦魂達が集まっていた。その誰もがにこやかな笑みを浮かべている。
「確かに、優しい人でした」と伊勢。
「浮気はダメよ!」と扶桑。
「そうですね、私も少尉の事は好きです」と陸奥。
「お、これはドロドロの三角関係の始まりか? お姉さんはどっちを応援しましょうかしら?」と長門。
「お姉様ッ! わ、私はそういう好きでは???っ!」と陸奥が焦る。
「それも青春だよぉッ!」と日向。
「???バカ」と山城。
「うわッ! 山城がしゃべった! 明日は厄日だ!」と比叡。
「そんなおおげさな」と霧島。
「中島(なかじま)中尉、平崎(ひらさき)少尉???」と加賀。
「わかったわかった」と翔鶴。
「あなた達いい加減にしなさい」と赤城。
 いつの間にか集まった主力艦魂達を見て焦る大和。この状況を打開すべく、大和は今言った事を否定する事にした。どうせ本人はいないし。
「あう、でも、優しいけどバカだし、おっちょこちょいだし、方向音痴だし、戦艦フェチだし、結構最低男ですよ」
「お前、僕の事今までそんな風に思ってたの?」
「ひやあああぁぁぁッ! 少尉、どうしてここに???ッ!」
 突如最悪のタイミングで現れた翔

通称筑後法橋は

2013-09-27 14:15:45 | 日記
叶饯我谱jの件において、上総介は上総介で、やかましい重臣たちを黙らせるために、牛太郎を更に自由な隠居の身にさせる考えなのである。
 ただ、重臣たちは、そうした上総介の思惑に乗っかって、新しい当主の太郎を手なずけようと企んでいる。佐々内蔵助が「年寄りどもになびくな」と言ったのは、そうした動きを察知しているためでなかろうかと思われる。
 だが、それがなぜ今なのか。牛太郎が自由に動き回っていたのは今に始まったことでもなく、重臣たちがうるさかったのも昔からである。そうしたことに気にするような上総介ではない。
 なのに、なぜ、突然、家督の移譲を申し付けられたのか。太郎がそれなりの齢になった。それもある。しかし――、
「何者かがおやかた様をけしかけたのかもしれませぬ。重臣たちが若様の家督相続に賛同するものと予測し、やがて譜代重臣たちと旦那様や藤吉郎殿の権力争いを引き起こさせようとし、旦那様を失脚させるため、簗田羽州を隠居させようとおやかた様に進言した者がいるのかもしれませぬ」
 太郎はかぶりを振りながら失笑した。
「それは考えすぎではないのか。壮大すぎる妄想ではないのか」
「妄想と言えば妄想ですが」
 と、新七郎も視線を伏せながらだった。
 だが、妄想では済ませられない何かがあるのを太郎も感じてはいた。なぜ、上総介は突然言い出したのか。その疑問が拭い切れない一事なのである。
「新七。妄想でも構わんが、お主は、おやかた様をけしかけたという者は誰だと思う」
 太郎の問いに、新七郎は顔を上げると、眼光を鈍く光らせた。
「奉行衆の誰かです」
 太郎は戦慄した。http://www.watchsrapidly.com
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「まさか、堀殿が――」
 寵愛された小姓上がりの堀久太郎なら、上総介の首を縦に振らせることも有り得た。いくさ場においては権限をまったく持ち合わせていないが、家中の政務諸事を差配しているのは事実上彼であるし、領内奉行の人事ぐらいになら指図もできる。
 だが、久太郎は牛太郎と仲がいい。たとえ、牛太郎が織田家中で権勢を握ったとしても、疎ましくないはずである。
「わかりませぬ」
 と、新七郎は言った。
「これは妄想の可能性が大きいのですから。疑ったらきりがありませぬ」
血河行

 朝倉氏の滅亡以降、民衆は翻弄されている。
 二年間、まるで、死骸に群がる禿鷹のように、亡者どもが越前の地をついばんできた。
 織田から越前守護代を任じられた桂田播磨守、それを打ち破りさらなる圧政を敷いた富田弥六郎、これに怒り狂って決起したのが一揆衆であり、彼らは共闘のため加賀の一向宗を招き入れた。
 だが、本願寺石山総本山から派遣されてきた僧兵、下間筑後守頼照、通称筑後法橋は、対織田軍の戦費調達という名目で、これまで以上の重税、これまで以上の労役を越前民衆に強要したのだった。
 さらに、一向宗の内部でも分裂が起こっていた。越前一向一揆衆は総本山派の筑後法橋を総大将としているが、しかし、加賀一向衆から迎えられた坊主もいるし、元来からの越前の一向門徒もいた。
 石山総本山とは違い、越前には絶対的な法主である顕如がいなかった。そのため、彼らはいちようにして己らの軍閥の利益を優先し、自然、軋轢は生まれた。
 こうした統制の混乱と圧政は、越前民衆、国人衆、さらには天台宗、真言宗などの寺社からも反感をかい、この機に乗じて藤吉郎は調略を仕掛け、奪還を狙う織田軍は混沌に呼び寄せられるかのごとく、来るべくして来たのだ。
 小谷を出た織田軍は、坂本の明智勢、勝竜寺の細川勢、摂津の荒木勢と敦賀で合流し、さらには若狭勢、丹後勢など織田従属の勢力なども敦賀湾に水軍を並び立てた。
 上総介が敦賀に本陣を置いたとき、冷たい雨が風になびきなが