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オコジョ、チャート・レビュー

洋楽チャートの感想や予想を長々と述べます。速報性はありません。

アイルランド、最新チャートを一瞥してレビュー

2023-06-16 | チャート・レビュー(その他)

 

マルーン5がチャートに入っていない...!?

新曲はまだ聴いてないけど、一応2年ぶりなのに新曲がチャート圏外!

ついにマルーン5も時代か...、と思ってしまう。

それにしても、"Girls Like You" (2018) からの "Memories" (2019) 大ヒットは予想できなかった。

シンプルなバラードで特別凝った曲でもないのに、全米Top10ヒットになるのは人気バンドの「特権」すら感じたな...。

 


 

本記事の目標:アイルランドのチャートが米国型か、英国型か、もしくは独自の型かを推定する。

型を推測するのには、1週分チャートを見るだけで十分だと思っての目標です。推測するだけの記事です。

予想は、やっぱり近いから英国型...!

 

※記事投稿時点でアイルランドのチャートは公開6日後で、もはや最新ではありませんでした...。 細かいことは気にせず...。

 

< Top10 >

  title artist
1 SPRINTER Dave, Central Cee
2 Giving Me Jazzy
3 Miracle Calvin Harris, Ellie Goulding
4 React Switch Disco, Ella Henderson
5 Tattoo Loreen
6 Daylight David Kushner
7 People Libianca
8 Dance The Night Dua Lipa
9 Last Night Morgan Wallen
10 Baby Don't Hurt Me David Guetta, Anne Marie, Coi Leray

 

(コメント)

> ...はい、はっきり分かりました、英国型です!現在の全英チャート上位と酷似していますね。順位が微妙に違いますが、Top3はイギリスとまったく同じ顔ぶれです。UKラップ・スターのデイヴとセントラル・シーがタッグを組んだ新曲 "SPRINTER" はイギリスと同じでアイルランドでも初登場1位をとっていました。アイルランドでそれまで1位だったのは今週2位と3位の "Giving Me"、"Miracle" のようで、前者は去年EDMデュオのベルターズ・オンリーとのコラボ曲で知名度が上がった歌手 Jazzy さんによる実質上のメジャー・デビュー曲。イギリスではTop10を上昇中でまだ3位ですが、アイルランドではもう1位に到達していたようです。後者は大人気DJカルヴィン・ハリスとイギリス出身ポップ・スターのエリー・ゴールディングによる最新コラボ曲で、イギリスでも1位獲得済み(計8週間1位!)です。

> 4~6位もUKチャートでもTop10入りしている曲ですね。新星EDMデュオのスイッチ・ディスコによる "React" は、どうやらどちらの国でも同じような局面にいるようで、両国ともに現在4位かつ最高位4位、つまり絶賛チャート上昇中です。個人的にはちょっと美メロなこの曲が好きなので最高2位くらいにまでは上がってほしいですね...少なくともどちらかの国では。5位のロリーン "Tattoo" は今年のユーロビジョン優勝曲で、素晴らしいことにユーロビジョンが終わって1か月たってもまだTop5を維持しているようですが、イギリスではユーロビジョン熱の上げ下げで同曲のTop10内の動きがやや激しい一方、アイルランドでは少しずつ熱が冷めてゆっくり下降しているような印象です。6位の David Kushner さんに関してはあまり詳しくないのですが、アメリカ出身なのにアメリカではまだまだ爆発しないな~...とよく思う人。こっちでは1~2か月前から大バズりしてるのに、全米ではまだまだ下位...といった感じです。北米以外の出身者がグローバルに台頭してきて、アメリカでも認知が広まり始めるパターンではそれは理解できるのですが、米国出身者のメジャー・デビューが先に非アメリカで成功して、後にアメリカでも成功するのはよく分かりません。逆輸入?

> リビアンカの "People" は、時期こそずれていますが、これも確かにイギリスでも大ヒットした曲です。1か月ほど波がずれている(アイルランドの方が後)ものの、大した差ではないでしょう。一方、逆にイギリスより波が早いと思われる曲もあって、それが8位のデュア・リパ "Dance The Night" ですね。(調べてないのですが)何かのサントラ曲で、確かイギリスでも上昇中でしたが、Top10入りはデュア・リパの本国イギリスに先駆けて、です。

> そして一番意外だったのが9位、モーガン・ウォーレンの "Last Night"!本国アメリカでは10週間1位(現時点で)をとる大ヒットになっていて、その影響で他国のチャートにも例外的にチャートインするようになっているのですが、とはいえカントリー・ミュージックなので、いくらアメリカですごくても北米以外でのチャート・アクションに大きな期待は持てないだろうと思っていました。実際、イギリスで "Last Night" がチャートインして順調にチャートを上がり始めたときは、「カントリーなのにすごい!」と思って注目していましたが、30位ぐらいまで上がってからは停滞し始めて、やっぱり北米レベルまではいかないか...となっていたところです。それが、アイルランドではまさかの9位で、これまでの最高位も7位だそう。今どの局面にいるのかは分かりませんが、とにかく一番驚きました。

> 最後に10位の曲...デヴィッド・ゲッタの "Baby Don't Hurt Me"。イギリスでは12~13位あたりで停滞している同曲は、アイルランドでは先週の11位から1ランク上がってTop10入りを果たしました。今週1~8位はイギリスと同程度の大ヒットになるといえるかもしれませんが、これはもしかしたら分かれるかもしれません。イギリスで今後下降して、一方アイルランドでは上昇するパターンです、ちょっと興味深いですね。

 

(参考までに、同じ週のUKチャートです↓)

 

<#11~>

 

> 11位以下も、ざっと見てやはりUKチャートでも上位で見たことがある曲ばかりです。ピークの時期は違えど、ヒットする曲はだいたい同じような感じですね。また、アメリカとの関係においても、Top10レベルではモーガン・ウォーレンの "Last Night" しか共通の大ヒットがありませんでしたが、Top20、Top40と見る範囲を拡大していくにつれて適合率も高まっていっている印象です。なお、50位にカントリー・シンガーのルーク・コムズの "Fast Car" がありましたが、これもモーガン氏同様アメリカでの大ヒットが波及したようなイメージがあるヒットで、最高位は44位とTop10入りしているアメリカにはまだまだ及ばない状態ですが、50位より上にいけずにもうチャートアウトしつつあるイギリスとはチャート・アクションの対照性を感じます。アイルランドの方がより、カントリー人気が高いといえるかもしれません。

 

<アルバム・チャート>

  title artist
1 Harry's House Harry Styles
2 Council Skies Noel Gallagher's High Flying Birds
3 But Here We Are Foo Fighters
4 Midnights Taylor Swift
5 50 Years-Don't Stop Fleetwood Mac
6 Broken By Desire To Be Heavenly Sent Lewis Capaldi
7 The Highlights The Weeknd
8 Diamonds Elton John
9 Fine Line Harry Styles
10 GOLD-Greatest Hits ABBA

 

> 最後に、一応アルバム・チャートも見ておきます。やはりここもUKチャート似でした。上位に初登場する作品(#2 ノエル・ギャラガーズ・ハイ・フライング・バーズ、#3 フー・ファイターズ)も同じですし、ロング・ヒット中の最近の作品(#1 ハリー・スタイルズ、#4 テイラー・スウィフト)も同じ、さらには恒久的に上位ランクインが続くと思われるビッグ・アーティストのベスト盤(#5 フリートウッド・マック、#8 エルトン・ジョン、#10 アバ)も同じです。正直言って、今週のアルバム・チャートTop10に大きな特徴はありませんでした。

 

おわりに

 一瞬で結論が出てしまいましたが...、アイルランドのチャートは英国型であると推定できます。推測するだけ、と最初に言いましたが、もう断定しちゃっていいでしょう。英国型です!完全に!

 予想通りでした...、ただ、カントリー・ミュージックの盛り上がりの差など、少し違いが見られたのは成果でした。普段見ない国のチャートをのぞいてみたときに一番楽しいのはそういう独自の特徴を発見した時ですね。このシリーズ、またそのうち別の国で記事を書くつもりです。若干何かの参考にしてもらえたらなと思います。...何かの。

 



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