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オコジョ、チャート・レビュー

洋楽チャートの感想や予想を長々と述べます。速報性はありません。

ロック/オルタナティブ・ソングス・チャートまとめ3 ~ポップス系アーティスト~

2022-02-07 | チャートまとめ

 

「インディー」、「オルタナティブ」、「ドリーム」の違いが何となく分かってきた。

頭の悪い言い方をすると、

「インディー」がより静かで、「オルタナティブ」がよりうるさい。

そして「ドリーム」は「インディー」にシンセサイザー等が加わった派生系ジャンル。

…こんなこと言って、怒られないかな?

 


 

2020年中ごろにできたロック/オルタナティブ・ソングス・チャートはロックとオルタナティブ・ミュージックが中心のチャートで、

後者には大枠でポップに振り分けられることの多い「オルタナティブ・ポップ」や「インディー・ポップ」も含まれます。

そのため、そのような音楽を作るポップス系アーティストがたびたびこのチャートに登場します。

そのほか、純粋なロックを作ってヒットした人も含め、

ごちゃごちゃしてきたので一旦このチャートで売れたポップス系アーティストを整理しよう、という記事です。

 

 

<2020>

 

トーンズ・アンド・アイ / ビリー・アイリッシュ / Ashe / ベニー / テイラー・スウィフト

 

>トーンズ・アンド・アイ

 いまだに各国の総合チャートに残っているほど大きな流行となった Dance Monkey のトーンズさん。Dance Monkey はポップ色が強い曲だと思っていましたが、オルタナティブ・ポップとしてオルタナティブ・ミュージックに分類されるのか、と思いました。まだまだ聴いただけでは細かいジャンルを理解できないのですが、Dance Monkey を参考にしたいと思います。…最初に聴いたときは「アニソンみたいで面白い!」ってなっていたのですが、そういうことではなかったんですね…。

 

>ビリー・アイリッシュ

 説明不要の売れっ子、ビリー・アイリッシュ。Bad Guy の人が普通のポップにカテゴライズされるわけがありません。じゃあ何?と聞かれたら答えられませんが、少なくとも純粋なポップ・アーティストではない。基本的にビリーの曲はみんなこのチャートにランクインします。2020年だと、グラミー年間最優秀レコード賞を受賞した至極のバラード、 everything i wanted と翌年のセカンド・アルバム『ハピアー・ザン・エヴァ―』からの1stシングル my future がヒットしました。もしこのチャートが2019年にもあったら、2019年はビリーに占領されてたんだろうなあ…とか思ったりします。

 

>Ashe

 失礼ながら読み方が分からないのですが、2020年にこのチャートで売れていたことは確実です。ヒットしたのは Moral Of The Story という曲で、2020年の初めの方に総合チャート入りするヒットになりました。このチャートではずっと上位を維持していて、途中でナイル・ホーランとのデュエット・バージョンもリリース。一時的でしたがそのときは特に盛り上がりました。後々調べたところアメリカの歌手のようで、Netflix映画にこの曲が使われており、映画がヒットの要因になった模様(wiki)。

 

>ベニー

 見事にポップとヒップホップ・ビートを融合させた Supalonely ( Remix ) feat. ガス・ダパートン でブレイクしたベニーさん、珍しくニュージーランド出身です。リミックス参加のガス・ダパートンさんもですが、癖の強い声で中毒性抜群の名曲(※主観)。残念ながら今のところこれに続く大きなヒットがなく、一発屋になる可能性が低くない方ですが、Supalonely 以前にも Glitter というこれまた癖の強い曲が注目されていて、それはこのチャートで見ることができました。世界観やや強めなベニーさんですが、その面白そうな人柄にも何かと惹かれてしまっています。

 

>テイラー・スウィフト

 カントリーからポップに移行し、ポップ・アルバムを3枚出したのち今度はインディー・ポップに進出したことで大きな注目を浴びた説明不要のこの方。言わずもがなかもしれませんが、2020年リリースのインディー・ポップ・アルバム2作『フォークロア』と『エヴァ―モア』はその年を代表するアルバムになりました。当然それらからのシングル、収録曲はこのチャートに入ってくるわけで、『フォークロア』のリリース以降は同チャート上位はいつもテイラー・スウィフトだらけという状態。自分は音楽評論家ではないので専門的なことは分からないのですが、『フォークロア』自体音楽として好きなのでこの占有現象に関しては否定的になりませんでした。これの影響でインディー音楽自体の人気も高まってそうですよね。

 

<2021>

 

オーロラ / トーンズ・アンド・アイ / ビリー・アイリッシュ / オリヴィア・ロドリゴ / テイラー・スウィフト

 

>オーロラ

 2015年頃デビューしたのち、2019年に『アナと雪の女王2』で特徴的な声優を務めたことで名が広く知られるようになったノルウェーの歌手です。自分はベストヒットUSAの紹介で知り、Animal で不気味とも感じられるその不思議な声を知りました。そして2021年、デビュー曲 Runaway がまさかのヒット。TikTok でバズったようです、具体的にはよく分かりませんが。名前は知られていたものの、これまでこれといった大きな代表曲がなかったので、Runaway がそれに該当することになるでしょう。ただ、未来からディスコグラフィーだけみるとデビューから大売れしていた、と誤解されちゃうかも。

 

>トーンズ・アンド・アイ

 2021年は Fly Away という曲がヒット。2020年リリースですが、時間をかけてチャートを上昇してきました。残念ながら米総合チャート入りはなりませんでしたが、UKチャートではじっくりチャートを上って来て、最終的に11位に到達。Dance Monkey の一発屋説を完全に否定しました。今調べたのですが本国オーストラリアではTop10まで来ていたそうで、デビュー・アルバム『ウェルカム・トゥ・ザ・マッドハウス』(2021) もオーストラリアでは1位。どこまで続くか、という話にもなりますが、少なくとも地元ではポップスターとしての地位が固まりつつあるようです。

 

>ビリー・アイリッシュ

 前述のセカンド『ハピアー・ザン・エヴァ―』のリリースで本チャートを揺らしました。リリース初週のインパクトはやはり前作のそれに劣るものの、結局「大量初登場アクション」はしっかり起こします。アルバムからのシングルといえば、グラミーでは長編 Happier Than Ever ですが2021年のチャート的には Therefore I Am(ゆえに我あり)かと。それ以外にもシングルがリリースされるたびに同チャート上位に入ってくるので、Top10には常に彼女の名前があった気がします。2022年現在では Happier Than Ever がややロングヒットしていますが、2019年以降大忙しのビリーさん、今年はさすがに活動を休めるのでは?

 

>オリヴィア・ロドリゴ

 2021年の顔、オリヴィア・ロドリゴのデビュー・アルバム『サワー』からロック(ガレージ・ロックっていうのかな?)にアプローチした Blutal が同チャート上位に滞在しました。これは曲というよりアーティストが売れていたから、という感じのヒットだと思っていて、過去にこの曲があまり好きではないといったことがありましたが、決してオリヴィア・ロドリゴ自身が嫌いというわけではないです。ジャンルの話をすれば、現役のポップスターがここまで本気のロック・サウンドを作ることは珍しいことだと思っていて、それがヒットするのも昔だったらなかったんじゃない?とも思えます。自由な時代の象徴…、みたいな?

 

>テイラー・スウィフト

 2020年の2枚目『エヴァ―モア』は12月リリースなので、そのチャート的な影響は2021年にも現れました。…というか、2021年の方が主だったかもしれません。前作からのシングル cardigan は曲こそ壮大で深~いバラードですが、いきなりの路線変更にファンやそれ以外の消費者がついていけず、大きなシングル・ヒットとはなりませんでした。一方今作からの willow は「抗体」があったため、多くの人々により早く受け入れられ、総合チャートでTop40入りレベルの大ヒットになりました。つまり、このチャートでも大ヒットしたことになります。いや~、2020年12月13日、2枚目はちょっとしらけるんじゃないかと疑っていましたが、まったくそうはなりませんでしたね~…。相変わらず影響力の計り知れない方です。

 

最後に、ロック/オルタナ・ソングス・チャートに現れるポップス系アーティストについて大枠で言及すると、

1.ほぼ女性 2.曲のジャンルは純粋なロックよりオルタナティブ・ミュージックの方が多い 3.数自体は少ない

という特徴があります。1についてはよく分かりません。2については、上で述べた中ではオリヴィア・ロドリゴ blutal 以外全部「オルタナティブ・ポップ」や「インディー・ポップ」に区分されるジャンルのヒットです。…多分。ただ、ポップスターのホールジーやアヴリル・ラヴィーンが純粋なロックに興味を持ってきていて、それらがこの風潮を変える可能性もなきにしもあらず、と思います。3についてはまあ、上位は、という話でもあり、オルタナ・ポップ志向のポップ・アーティストはビリー・アイリッシュらの活躍で増えていそうです。

 

サマリー

2020年 → テイラー・スウィフトがロック/オルタナ・ソングス・チャートを圧巻!

2021年 → ビリー・アイリッシュがロック/オルタナ・ソングス・チャートを圧巻!

2022年 → アヴリル・ラヴィーンが大きく出るかも…!



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