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<ユース五輪>「息長い大会に」IOC会長決意

2010-08-26 14:15:59 | 日記
 ユース五輪開幕を控えた14日午前の会見で、国際オリンピック委員会(IOC)のジャック・ロゲ会長は「子どもの誕生を待つ父親の気分だよ」と笑顔を見せた。自らが強く提唱した大会の創設。「失敗もあるかもしれないが、学びながら改善していく。長く続く大会になることを願っている」と地に足をつけて取り組む決意をにじませた。

 現在の五輪は選手のプロ化とともに勝利至上主義の傾向を強め、ドーピング(禁止薬物使用)のまん延や大会の肥大化など多くの課題を抱えている。こうした流れに歯止めをかけ、原点を見つめ直す。それが01年の就任時から温めてきたロゲ会長の理想だった。

 今大会では競技を超えた教育、文化の交流を重視するプログラムに力を注ぐ。ロゲ会長は「スポーツに参加するだけで、若い選手が挫折や壁を乗り越える力がつくというのは、無責任な話だ。試合に勝利することと、人生の勝利者になることは違う」との考えを示している。IOCがスポーツを通した若者の教育に積極的に取り組むという意思の表れだ。

 娯楽が多様化し、若者のスポーツ離れが懸念されている。実施競技には遊びの要素を取り入れたバスケットボールの「スリーオンスリー」を採用したが、これも若者の関心をスポーツに向けさせる策の一つといえる。

 将来を見据えた五輪改革の第一歩。それだけに早急に結果を求めず、長期的な視点で見守る姿勢が必要なのかもしれない。【井沢真】

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