今週の『天保異聞 妖奇士』第十五話。
サブタイトルの「らしょうもん」とは,「羅城門」ではなく「羅生門」の方だったんですね…。
それはともかく―。
前回に引き続き,吉原の連続遊女殺人事件の続き―。
鳥居不在の懐刀たちの暗躍で一転して容疑者にされたアトルを助けんが為に奔走する狂斎(周三郎よりはこの方が通りがいいので,以降はこの表記で統一)―と描いているかに思いきや,
実は単なる狂言廻し役
以外の何者でもなかったのが,ちょっと残念でした。
「アレだけ往壓に大見得切っていて,アレではねぇ…。」と思ったのも確かですが,狂斎の目的は「アトルに今の居場所は満更でもない事を認識させる」という側面があった(その事は,往壓も既に看破済み?)ので,とりあえずその目的は達成された―と見てよいのかもしれませんね。
というか,「別にこの役を往壓自身がやっても構わないのでは?」という疑問があるのも確かですが,彼は「浮民」出身の奇士のためその行動が他の奇士に迷惑をかけるというのもあってか,あえてその役を狂斎に任せていたのでしょう。
実際,狂斎の思惑はお見通しだったわけですし。
さて,前回・今回と暗躍した妖夷ですが,何時の時点で清花に寄生したのかはわからないまでも,吉原入りした段階ではそうではなかったようですし,数日の間で寄生された可能性がありますね。
余り妖夷としては話さなかったせいか,目的が不明でややホラー映画のモンスターぽく感じたのもあったのでしょうが,アトルの会話では隣部屋の死体のことを「病がちの遊女」と話した事で,ある程度は妖夷と一体化していたのかもしれません。
(意識していないか,はっきりと確認していない可能性がある場合は除く。)
虚勢を張る一方で素直になれなかった性格を妖夷に付け込まれたという見方が出来ますが,妖夷は人間に寄生された時点で,その人間の本性に即した姿に変身する為か,蝶の様に自由になりたいというのが「清花の本音」だとしたら,ちょっと皮肉というかすれ違いが最大の不幸になったと見てもいいのではないでしょうか。
火付盗賊改方の市野が,彼女と同じ蝶の妖夷に変化したのは,一瞬でも彼女と心を通わせた結果彼女の真意を知り,彼女の夢を叶えさせたいが為にあえて妖夷と化し,奇士達の足止めをしたのだとしたら,これも悲劇と言わずして…でしょうね。
次回は ― 機の民ということで,同じ山の民たるアビ,初のメイン回になるのですが,今まで余り描かれなかったアビの一面が描かれる事をちょっと期待したいですね。
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