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刑法論点

刑法論点

類推解釈の禁止

2006年03月08日 | 総論ー基礎理論
類推解釈の禁止
罪刑法定主義上、拡張解釈は許されるが類推解釈は許されないと解するのが通説である。何をもって拡張解釈とし類推解釈とするかである。これについては、法規の予定した範囲内にとどまる解釈が拡張解釈であり、その範囲を超えるものが類推解釈であるとされている。しかしながら、拡張解釈と類推解釈とはいずれも何らかの類似性、共通性を根拠に法規上の固有概念を拡げる点では相違がなく、実際には両者を区別することは困難である。
とすれば、形式的な概念上の区別にこだわるよりも、むしろ、合目的性と論理必然性とを基準にして法規の予定した範囲を確定する方が重要である。合目的性と論理必然性とが存する以上、それは法規の予定する範囲内の解釈であり、たとえ解釈の方法がいわゆる類推の部類に属するとしても、それは罪刑法定主義上許される類推解釈と考えるべきである。