POSSEでは現在、POSSE事務所や埼玉県川口市の公共施設などで毎週日曜日、技能実習生・移民労働者を対象に労働相談会を行っています。
3月5日の相談会では、ベトナム国籍の実習生の二人(AさんとBさん)から相談を受けました。
Aさんは、工場でプレスをする機械の鋳型を変える際に左手の親指を機械に挟まれ骨折をしました。親指は動かさなくても痛いのにも関わらず、会社から働けと言われています。
Bさんは、解体工事の現場で3階に居たところ、クレーンで1階から持ち上げていた重さ15kgほどの資材が十分に固定されていなかったことで落下し、それが左腕にあたり骨折しました。もし資材が頭に落ちていれば命を落としていた可能性があります。いまでも痛み止めがないと夜は眠れないほどの重症です。
日本で働く外国人労働者の労災発生割合は、日本人の2倍となっています(詳しくはこちらの記事をご覧ください)。このように外国人労働者に労災が頻発している背景には、会社側が労働者がケガをしないようにするための安全対策を怠ったことがあります。
AさんのケガもBさんのケガも、実はどちらも防げるものでした。例えば、Aさんの場合、工場で使っているプレス機の使い方を十分に説明されていないどころか、安全装置が作動せずに指を挟まれてケガをしてしまいました。また、Bさんのケースは、最初から資材をきちんと固定しなかったこと、そして、資材をクレーンで吊り上げている真下で働かなければ(吊り上げている最中には仮に資材が落ちてきても影響がない場所へ移動していれば)ケガをせずにすみましたが、誰もBさんに資材がクレーンで吊り上げられていることを知らせませんでした。
しかし、会社側はどちらのケースでも「あなたに責任がある」と主張して、補償の支払いを拒否しています。
このように、事故を防ぐための説明や安全対策を怠っているケースは珍しくありません。また、ほとんどの会社はケガをさせたことに対する補償を拒否しています。ここから見えてくることは、会社側は技能実習生や移民労働者を最初から「使い捨て」にしているということです。怪我をさせても別の人を連れて来れば良いという程度にしか考えていないのです。
私たちはこれからも相談を受けたり権利行使をすることを通して、技能実習生や移民労働者の現状を発信し変えていきたいと考えています。
学生ボランティアを募集中です!
また、このような問題に現場で取り組むボランティアを募集中です!事前の知識や経験などは特に必要ありません。POSSEでは高校生や大学生が技能実習生の相談に対応し、実際に労災の補償や未払い賃金の支払いを会社に求める支援をしています。また、このような問題を個別の事案に留めず、社会的に発信していくことで、技能実習制度自体を変えていくための取り組みを進めています。
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