労働相談班の会議報告！

隔週水曜日の夜に行っている労働相談班の活動を報告します。

まずは労働法に関する学習会です。
今回のテーマは「労働時間規制について」です。労働時間とは何か？というところから始まり、労働基準法の法定労働時間の原則と例外、変形労働時間制とみなし労働時間制の制度内容、労働時間法制の歴史的変遷、ホワイトカラーエグゼンプションなどについて取り扱いました。私が学習会担当になり、事前に参考文献を読んだりインターネットで情報を集めたりして、レジュメを作りました。これに沿って発表しました。
発表のあとは質疑応答や内容に関する意見交換をします。制度の細かい所や語句の意味など、少しでも疑問に思ったことはその場で質問して解決します。例えば、変形労働時間制において、使用者が一方的に前日に労働時間を変更し所定労働時間を延長することはできるのか？という質問がありましたが、この制度を導入するためには「労使協定を結んで」労働時間を決めておく必要があるので、所定時間を超えた場合は時間外労働として割増賃金を支払わなければなりません。ちなみに労使協定というのは、事業場の労働者の過半数で組織する労働組合、それがなければ労働者の過半数を代表する者と使用者との書面による協定をいいますが、ボランティアの1人が適正な労使協定の手続きを経ずに変形労働時間制でアルバイトをしていると話していました。当然ながらこれは違法です。こうした質問によって内容理解も深まっていくので、大切なところですね。

レジュメ担当になるとある程度強制的に（笑）勉強することになるので、とても勉強になりました。制度の内容だけでなく、それが作られた趣旨や歴史的背景まで含めて調べて理論的にまとめていく、という過程を通じてより深く学べたと思います。こうして相談活動をやっていくための知識基盤が作られていくわけですね。

～休憩をはさんで再開～

今回は相談者の方が来所してくださり、現状を詳しく聞き今後の方針を考えていきました。
事案は最近相談が増えているIT業界でのハラスメント・退職勧奨です。最近よくあるパターンとして、会社は大量に新卒者を採用した後、研修等を通じてふるいをかけ会社に従順で過重労働に耐えられる人のみを残すために、そうでない人をやめさせようとします。しかし労働者を解雇するためには法律上厳しい要件が課されており、会社の一方的な都合で解雇することはできません。そのため、パワハラ（業務に関係のないことで人格を否定することを言うなど）や嫌がらせを行って労働者が自ら退職（自己都合退職という）するように仕向けるのです。やめさせるための会社の組織的なやり方が明らかになり、会社に対する怒りを共有するとともに、現場でのひどい状況を知って驚きました。本当に会社は人をやめさせるためにあの手この手を考えているんですよね。そんなことをする暇があったら、他に生産性を上げる方策を考えてほしいものです。
多くの人はこのような状況にあった時、泣き寝入りをして自ら会社をやめることを選ぶでしょう。しかし、労働者を不当に扱い人生を踏みにじった会社に補償をさせる権利が労働者には当然ありますし、職場の状況を放置することはまた同じ犠牲者を生むことになるので、何もしないのはよくありません。かといって、相談者1人だけで会社に要求していくことは使用者と労働者との力関係を考えると不可能なので、私たちが解決までサポートする必要があるのです。今後は会社を変えていくために相談者の方をしっかりサポートしていくという意思をみんなで固めました。

最後は今後打ち出していくキャンペーンについて検討します！
日々の労働相談の事案をベースにして、事案を集約・分析したものを社会に向けて発信していく、相談者の方を集めて座談会を開き、雑誌POSSE14号でX社についての座談会を掲載したのと同様に、座談会の記事を載せる、相談者や就活生の懇談会を開催する、など社会を変えていくための取り組みを考えていきました。活動を成功させるためには、社会に向けた発信を積極的に行い、相談者やボランティアを集めて強く大きな組織を作っていくことが大切です。次回はより具体的な方法を話し合っていきます。
若者が作るNPOなのでどんどん新しいことをやっていきたいですね。興味をもたれた方はぜひ一度事務所に来てみてください。いつでも大歓迎です！

（大学３年、ボランティア参加５ヶ月目）

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ＮＰＯ法人ＰＯＳＳＥ（ポッセ）は、社会人や学生のボランティアが集まり、年間４００件以上の労働相談を受け、解決のアドバイスをしているＮＰＯ法人です。また、そうした相談 から見えてきた問題について、例年５００人・３０００人規模の調査を実施しています。こうした活動を通じて、若者自身が社会のあり方にコミットすることを 目指します。

なお、ＮＰＯ法人ＰＯＳＳＥ（ポッセ）では、調査活動や労働相談、セミナーの企画・運営など、キャンペーンを共に推進していくボランティアスタッフを募集しています。自分の興 味に合わせて能力を発揮できます。また、東日本大震災における被災地支援・復興支援ボランティアも募集致します。今回の震災復興に関心を持ち、取り組んで くださる方のご応募をお待ちしています。少しでも興味のある方は、下記の連絡先までご一報下さい。
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